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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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女子水泳部取材と史のエロス(2)

さて、史は約束通り、女子水泳部の取材に出向いた。

「新聞部の史です、今日は取材にまいりました」

「それでは、よろしくお願いします」

まあ、どこでも同じだけど、史はキチンと頭を下げる。

史の定番の仕草なので、冷静そのものである。


・・・が・・・

ものすごい歓声である。


「キャーーー!史くーん!」

「かっわいい!」

「ねえ、早くこっちに来て!」

「ようやくだねえ!」

「ねえ、ほら、早くう!」

十数人の水着姿の女性部員が、まさに史をガン見、大騒ぎである。


「えっと・・・コホン」

やはり、史も男の子である。

ちょっと焦る。

しかし、史は取材でも音楽でも、ほとんどカタブツである。

少し目を閉じ、「ふぅーーーーっ」と一息。

ゆっくりと声を出す。


「えっと、キャプテンと取材の順序の再確認をしたいのですが」

「キャプテンの真衣さん、よろしくお願いします」

まあ、これも「定番」の取材順序である。


「えへへ・・・」

史のお願いで、キャプテンの真衣が少し前に出た。

当然、水着姿であるけれど、少しグラマー系。

それに、真衣も、まあ、ニンマリとである。


ただ、すぐには話が、ここでも進まない。

「えーーーー?」

「ずーーっと待ったのに!」

「キャプテンだけじゃズルいって!」

「待ちきれない!」

キャプテンの統率力も何もない。

史は、結局、立ち往生になる。


「しょうがないなあ・・・でも、すぐ終わるからさ」

真衣は、そう言いながら、部員の反応など気にしない。

水着姿のまま、史にピッタリである。


「あの・・・近すぎ」

史はそう思うけれど、真衣はますます、ピッタリ。

「うん、いいかな、この前の打ち合わせ通りで」

「まずは、水泳部の練習の様子を見て、全体的なインタビューと」

「後は私から始まって個々のインタヴューで」

・・・「何も全部」確認することもないと思うけれど、真衣としては史にピタッとしたくて仕方がないらしい。


「じゃあ、そういうことで」

史は、チョコンと頭を下げ、真衣からは「もう、素早く」さっと離れ、プール壁前の椅子に、ダッシュである。


「はぁーーーー」

とため息をつく史に、もう一声かかった。


「史くーん!」

「取材が全部終わったら、一緒に泳ごうね!」

「わーーー泳ぐ泳ぐ!」

また、もの凄い大騒ぎである。


「え?水着無いよ」

ウロタエる史に、また声がかかる。


「ああ、水着は、もう買ったよ、私たちが」

「今日のお礼でね!」

「合唱部だって参加したんでしょ?」

「エコヒイキはいけないって!」

さらに追い打ちの大騒ぎである。


「はぁ・・・泳ぐと疲れるんだよねえ」

「家に帰って勉強もあるんだって・・・」

「お饅頭二個は食べないとなあ、お肉のほうがいいかなあ」

史はボーゼン、頭の中は大混乱である。

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