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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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合唱コンクール(4)

さて、元プロの超高名オペラ歌手の岡村の合唱指導、超一流指揮者だった榊原や超有名ピアニストの内田の見込んだ通り、わが合唱部は圧倒的な成績で、第一位を獲得した。

審査委員長も

「ここまでの演奏は、さすがです」

まず、岡村に頭を下げる。


岡村も、満足な演奏だったようだ。

「とにかく技巧はともかく、高校生の段階だ」

「喉を開いて大きくて美しい声を出す」

「チマチマとした技巧に走るべきではないんだ」

「特に日本人はチマチマ系に走るけれど」

そう言いながら、審査委員長には、かなりな「皮肉」のようだ。

審査委員長は顔をしかめるけれど、さすがに岡村、榊原、内田の前では、何も返すことができない。


榊原も審査委員長に声をかける。

「合唱界も合唱だけでなくてね、他の音楽と積極的に交流した方がいいな」

「それが欧米では当たり前さ」

「そうしないと内輪のお習い事になって終わりだ」


内田はピアノ伴奏についても言及した。

「まあ、史君の伴奏が素晴らしかったから、合唱部も乗った」

「だから、他の学校の合唱部もちゃんとした音楽性を持つ子をピアニストにするべき、ただ弾いていればいいってものじゃないよ」


榊原と内田にも指摘され、審査委員長が頭を下げていると、優勝した合唱部に他の高校の生徒が声をかけたりしている。


「ほんと、のびのびといいねえ」

「私も岡村先生とか史君のピアノで歌いたい」

「史君、可愛いなあ」

「ねえ、連絡先教えて」

中には、史の連絡先を聞き出そうとする女子学生もいる。


しかし、史はそんな時には、すでに会場にはいなかった。

姉の由紀が群がる他の高校の合唱部に一言。


「あのね、アホの史は、打ち上げの準備でコンクール終了後、すぐに打ち上げ会場に行かせた」

「それから、可愛い彼女と一緒にね」


まあ、「アホ」は言いすぎだと思うけれど。

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