表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
126/760

史の音大見学(4)

「え・・・弾くんですか?」

史は、史らしく、ここでも尻込み、後退りしようとするけれど、高名な音楽家三人に囲まれてしまっては、それもできないようだ。

顔が真っ赤、身体をカチンコチンにしながら、ピアノの前の椅子に座った。


「モーツァルトか・・・」

内田先生がピアノの前に置いた楽譜はモーツァルトのピアノソナタ第一番。

「この曲、初見ですので」

一応、ミスの場合の言い訳も先に言ったりする。

しかし、そんな言い訳をしても、通用しない音楽家たちである。

史は、もはや弾くしかない、「いいや、失敗したら誘われないですむ、楽譜の通り、素直に弾こうっと・・・」そんな感じで弾き始めた。



「ふむ・・・なめらかで」榊原

「最初は緊張していたけれど、数小節で乗ってきたね、音が大きくなった、いいモーツァルトだ」岡村

内田は何も言葉を出さない。

目を閉じていたり、時々史の指を見たりする。

しかし、二楽章になって、その表情が変わった。

とにかくうれしそうな顔をしている。

史のピアノに合わせて、身体を揺らしたりもする。


「内田先生のこういう姿は・・・」岡村

「うん、史君の音楽に吸い込まれたか、取り込まれたか」榊原

「ああ、確かに、このモーツァルト・・・いいなあ」岡村

「キラキラしていて、それでいて繊細で、どこか力強さもあるなあ」榊原

ただ、岡村と榊原の言葉もそこまでだった。

「聞こう、これはいい演奏だ」岡村

「ああ、そうしよう」榊原


史の初見演奏は、高名な音楽家三人を取り込んでしまったようである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ