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カフェ・ルミエール  作者: 舞夢
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史の音大見学(3)

史は、周囲のヒソヒソ話に困惑しながら、ピアノ科に到着した。

「じゃあ、ここだから」

岡村が数あるレッスン室のドアをノックすると、

「はい、お待ちしていました」

初老の女性が出てきた。

「内田です」

先生自らにっこりと自己紹介である。


「あ・・・内田先生・・・」

史は、内田先生の顔を見るなり、いきなり硬直状態。

何しろ、世界的に有名なモーツァルトの権威、史からすれば雲の上の人なのである。

それでも、史は必死にご挨拶。

「あの、史と申します」

「今日は、見学ということで・・・」

しかし、緊張しまくりで、それ以上の言葉が出ない。


それには、先生方三人も笑ってしまう。

「あのね、もう史君のピアノ演奏は聞いたことがあるのさ、内田先生はね」岡村

「ほら、去年のこと、コンクールでね」

榊原が目配せをすると、内田先生が話し出す。


「そうですよ、私は全国大会の審査員だけど、時間が空いていたから都内のも聞いたの、それで全国大会でもう一度聞きたいからって、都の審査員にも推薦しておいたの」

「そしたら、本番の大会には出ないしねえ・・・インフルエンザだったの?仕方ないけどね」

何の事はない、史の事情は、知られているのである。


「えーっと・・・」

史は今さら、インフルエンザのことを説明しても仕方がないと思った。

それより何より、今はレッスン室にいるという状況のほうが不安になってきた。

もしかして「何か弾いてみなさい」などと言われたものなら、ますますド緊張になる。

そもそも、音楽大学に進むとか、音楽の道に入るとか、全く決めたわけではない。

ピアノに関しては、他者の評価はともかく、母美智子の言うとおり「お習い事」の部類、ピアノや音楽は好きだけど、徹底的に学ぶとか職業にするとかの、強い気持はサラサラない。


「それで、そんなに時間がないので」

「史君」

内田先生は、何か楽譜を引っ張り出してきた。


「え?マジ?」

史の身体は硬直している。

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