同窓会(1)
かねてから計画していたマスターたちの同窓会の日になった。
内輪の同窓会のため、カフェ・ルミエールの営業は午後6時からは貸し切りとなる。
メンバーとしては、マスター、涼子、洋子、六本木の菓子店の斎藤パティシェとひとみ、美智子と特別参加の晃である。
まず午後5時半に、六本木の菓子店のパティシエとひとみが、一緒に店に入ってきた。
「やあ、マスター!お久しぶり」
六本木のパティシェが声をかけると、マスターは本当にうれしそうだ。
「いやいや、斎藤先生、お元気そうで」
マスターはカウンターから出てきて、しっかりと握手。
涼子も出てきた。
「本当に、先生にはいろいろ教わって・・・」
涼子は少し涙ぐんでいる。
涼子に続いて洋子も出てきた。
「ご高名な斎藤先生・・・お久しぶりです、洋子です」
洋子は珍しく緊張気味である。
「ああ、いやいや、みんな知り合いだよ、堅いこと抜き」
斎藤パティシェもうれしいようだ。
涼子と洋子の手を同時に握る。
「それから、先生・・・」
ひとみが、斎藤に声をかけた。
「美智子さんと晃さんも、もう少ししたら・・・」
「わーーーうれしいなあ・・・」
斎藤は、まさに破顔一笑。
そしてマスターに声をかける。
「マスター・・・これ・・・」
斎藤は、マスターに「ケーキの箱らしいもの」を渡す。
「ほーー・・・」マスター
「もしや?」涼子
「これは、伝説のケーキですね・・・」洋子
「うん、気合を入れたよ」斎藤
「はい、バッチリです」ひとみ
斎藤とひとみが、胸を張っていると、店の扉が開いた。
「あ!斎藤先生!」
美智子が本当にうれしそうな声を出す。
「ほ~~~美智子さんと晃くん!」
「伝説のラブラブカップルだねえ!」
斎藤が応えると、マスターと涼子、洋子、ひとみが大拍手である。




