第三話 決断
<前回のあらすじ>
汚いビルの4階に行ってみるとそこには『合法自殺幇助』なるものがあった。
それは自分に関する記憶だけを消去し自殺を幇助するというもので、一見死んでいるようには見えないものの実際は昔の自分は死んだことになるというものだった。
記憶の引継ぎは生前(自殺前)の自分に『自分に関すること』を書いておいてもらえれば、スムーズに記憶の引継ぎを行えるというものだった。
前回俺はピエロ顔のあの男に『合法自殺幇助』なるものの説明を受けた。しかし、どうも胡散臭い。値段だって50万円とかなり高額だし、そもそも自分に関する記憶だけをきれいに消すなんて夢のような話、とてもじゃないが簡単には信じられそうもない。
しかし俺は将来に絶望しており現状それ以外の方法が思い浮かぶこともなく、かつ最近は仕事が減らされているため元々貯金してあった10万円を切り崩して生活するしかなくその金も日に日に少なくなっているのだ。
そんなある日。
「あ、もしもし~。井田一樹様でいらっしゃいますか? 私、GJHJ株式会社代表取締役の白井と申しますが。」
「はい。井田一樹は私ですが、どのようなご用件でしょうか?」
「あ!ご本人様ですね、先日はどうもお忙しい中、足を運んでくださり誠にありがとうございました。私です。合法自殺幇助の件の。」
「あ~この前はどうも、で、その後どうなりましたか?」
「先日おっしゃっておりました合法自殺幇助のお値段の件なのですが、当社で検討してみた結果、条件次第ではございますが通常50万円かかるところを10分の1の5万円にさせていただくプランも作りました。」
「5、5万円ですか?それはすごいですね!!ちなみに条件次第ってのはどういうことですか?」
「その条件というのがいくつかありましてまずお客様の年齢がお若い(20代)ということが第一条件。これはすでにクリアしておりますので何ら問題はありません。次の合法自殺後のお客様の様子をチェックさせていただくということなのですが、これにはプライバシーや個人情報の件がございますので、ご本人様からご許可をいただくような形となってしまうのですがそちらのほうはいかがですか?」
「たぶん大丈夫だと思いますよ。その時は俺どうせ死んでるし。(笑)」
「ご協力いただきましてありがとうございます。他にも何点か細かいところはございますが、基本的にはこの二つになりますので、そのようでしたら5万円というプランでさせていただきます。ちなみにですが、いかがですか?合法自殺に関しては。」
「今、手元にある金が10万しかなくてしかもその金も日に日に少なくなってきているので、できたら早めにお願いしたいなというのが正直なところです!」
「そうですか。わかりました!でしたら今週の金曜日にでも当社へお越しください。その日まで最後の人生をご堪能ください。あ!あと大変お手数ですが井田様ご本人の情報一覧を当日記載していただくか、もしくはお持ちいただく形となりますのであらかじめご了承ください。それでは失礼しますm(__)m」
そう言って白井は電話を切った。
正直命よりもお金の問題が大きかったため少し心配だったがなんとかなりそうだ。
こうして俺は合法自殺を決意したのである。
~完~
あとがき
こんにちは!たこりゅうです。
すみません。だいぶ更新の方忘れてました!<(_ _)>
実は合法自殺幇助はタイトル的には結構インパクトがあっていいかなとも思ったんですが、残念ながらタイトルがネガティブすぎて正直ここから明るい感じに持っていけそうにないので、一応今回でこのタイトルの話は完結となります!
タイトルを新しく変更してまた作るかもしれませんがその時はよろしくお願いします。<(_ _)>
あと更新は週単位で考えていたのですが忘れちゃうので不定期ってことにしてください(笑)
よろしくお願いします<(_ _)>