プロローグ
現在日本の自殺者数は年間およそ3万人と言われている。
しかし、実はその他にも行方不明者数が年間8万人ほどおり、そのうちのおよそ4割が原因不明とされている。
もし仮にその4割全てが自殺だとすると、あわせて年間およそ6万人が自殺で亡くなっていることになる。
特に最近のデータでは全体の自殺者数では減少しているのに対し、若年層の割合だけ微増しているというのだ。大変由々しき事態である。
ここにも自殺に悩まされた男がいた。
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俺は井田一樹。
年齢は25才。中学を卒業してから働いてはいるが、何年もアルバイトを転々として、現在は近所のコンビニと最寄り駅から3駅離れたファミレスで働いている。
今まで彼女はおろか友達すらいたことがない。
ちなみに家族もいない。両親は自分一人だけを生んで交通事故で亡くなったそうだ。
ただ唯一仲良くしてくれたのは、中学3年の時、担任の先生だった森政人という人だ。
森先生はいわゆる人格者で、どんな荒くれ者や落ちこぼれに対しても真正面から向き合ってくれる良い先生だった。
しかし、その人も3年前に亡くなった。同じく交通事故で亡くなったらしい。
自分の周りの人ばかり死んでしまうから、実は自分は死に神なんじゃないかとさえ落ち込んでしまった時期もあったが、今となってはどうでもいい。
特に夢はないが、強いて言えば家庭を持ってみたかったかなとは思う。
だがそんなものは俺のような根暗な貧乏人には夢のまた夢。
そもそも家族がどんなものかも知らないし、こんな自分に果たしてうまく家庭を築くことなどできるのだろうか?
まあそもそも彼女すらいないので話にならないが(笑)
いや無理だろう。少なくとも今の俺では・・・。
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筆者コメント
みなさんこんにちは。私はたこりゅうと申します。
今回、私の第一号作品となる『合法自殺幇助』ですが、元々は10年ほど前の『世にも奇妙な物語』の『人間リサイクル』というものの影響を受け、今こちらを執筆しております。
初めてそれを見たときは深く感動しました。内容は多少似ている部分もあるかもしれませんが、基本的には全くの別物となっております。
しかしまだまだ執筆経験も浅いため、だいぶ読みづらい文章かもしれませんが、もしよろしければこの先もご覧いただければ幸いです。
よろしくお願いします。<(_ _)>
ちなみに連載に関してですが、大体2週間に1話を目安に掲載していけたらと考えております。それでは次回もお楽しみに!(^-^)ノシ