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パニック危機一発

夢遊病でさ迷っていたら、王子とのフラグがたっちゃいましたって、んなフラグ聞いたことねーぞ!

つーか、側室かよ!! 側室は白いドレスって、まさか。

そうか! ミーテの王子ルートって結婚式まで行くのもあったけど、あれって第一側室用の式典だったんじゃないか?

ベレニケが婚約破棄されたって内容がないのも頷ける。だってミーテは側室だから正室のベレニケは婚約破棄される必要が無い。道理でベレニケがミーテと争ったり婚約破棄されたりが無いわけだ。

このままじゃミーテが危ない。ミーテがジョナサンと結ばれず幸せになれないかもしれない。

それは、俺が嫌だ!

ガシッ

ソファの横で話を聞いていた俺の背中をいきなり何者かが掴んだ。

「キャインッ。」(イッタイ。)

結構強い力だ。

しまった‼ 声が出てしまった‼

てか、なんで透明なのに分かったんだ?

俺の視界の数字は8迄減っていた。でもまだ残っている。

「何か気配がしたかと思えば、なんだろうこれ。」

透明な俺を掴んでマジマジと俺辺りを見つめる。

気配だけで掴んだのか!?

見えてはいないんだな。

ヤバイぞ。勝手に入ったから、殺されるかもしれない。

視界の数字が減っていく。

3,2,1

カチッ

パッと俺の透明化は解除した。

元に戻った俺を見てミクラーは分かったようだ。

「あっ! これは確かミーテの魔動物じゃないか! どうします? これ。」

そう言ってミクラーは掴んだままエドワード王子とウォーゲルに俺を見せた。

痛い。掴まれているところが痛い。ジタバタしたら余計に力が込められた。暴れれば余計に力が込められる。

そこで、俺はスッと力を抜いた。首も前足も後ろ足もダラーンとして。

そう、俺は死んだふりをすることにしたのだ。

「ミクラー、力を込めすぎていないですか? 少し緩めては? トマト君が辛そうですよ。」

王子に言われたミクラーは力を緩め、その瞬間。

俺はビチッと海老のように跳ねた‼

「あ! 」

ミクラーの手から落ちた俺は全力で元来た道をたどり、幸いにも扉にシーザーさん用の小扉がついていたのでそれを使って部屋から部屋へと抜けていき、蝶々の部屋で眠っていたシーザーの横をすり抜けて屋上へと向かった。

このとき俺は冷静さを失っていた。逃げることしか考えていなかった。

屋上の庭についた後、どうすれば良いのか分からなくなった。

「ガウッ!!」(おい! 何しているんだ。)

シーザーが怒ったように此方に走りよってくる。

起こしてしまったようだ。

王子達も俺を捕まえに来るだろう。

俺は助走を付けてジャンプして、屋上についている塀を飛び越えた。

この時俺は失念していた。

飛び越えた先は空中であることを。

俺、何してんだ?

目の前は夜空と暗い町並み、そして頭が直ぐに重力で下を向くと、灰色の石畳が目に入った。

これ落ちて死ぬよな。

何やってんだ!俺のバカ!


その時、

「ワオーーーーーン」(クムモオウヨシウヨジ。)

シーザーの吠える声が響いた。

体が落下することはなく、突然何かフワフワとした感覚に襲われる。

俺の体は地面に向かって加速することなく、ゆっくりと石畳に着地した。

助かったああ。

もしかしてシーザーの魔法だろうか。シーザー、ありがとう。

てか、俺もしかして逃げる必要無かったよな。普通に送り届けてもらえば良かったのに。王子の部屋勝手に覗いたから、口封じとかされるかと思ったけど、俺犬だしその必要ないよな。

俺って本当にバカだな。

俺はとぼとぼと歩きだした。

幸いにも月明かりのお陰で建物とか道とか良く見える。

えっと、男子寮はエマリカ学園の北で、女子寮はエマリカ学園の東だったかな。

エマリカ学園を探すか。ここいらじゃ、一番デカい建物だもんな。


俺は夜道を歩きだした。



しばらく視線を上にして歩いてると、エマリカ学園の閉じられた門が見えてきた。門の向こうにはエマリカ学園が見える。多分北門かな?

取り合えずぐるッと回って東側の門を探すか。

ふと、北門の側で何かが動いた。

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