過去に囚われた Heavenly Maiden①
イラスト付きは出来なかったので文字で位置を描きました。
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|/( ̄机 ̄)_|
 ̄\■___/ ̄
●水晶玉
/画面
■キーボード
暗闇に犬の声が聞こえる。
目を開けるといつもの俺の占いの館の店内だった。目の前に大きなオレンジ色の水晶玉が紫の座蒲団に乗っている。
なんだ、夢を見ていたのか。閻魔やら異世界やら犬やら、変な夢だったな。
客が来た。
「こんばんは。■▽さん。今日はどのような相談を?」
茶髪で二十代後半の女、今日で2回目の来店だ。
「あの、、、。」
「身近な方と上手くいってらっしゃらないとか? 」
「どうしてわかるんですか!? 」
「やはりそうなんですね。今日のあなたは何となく水の気が足りてないように見えましたから。」(身近な人とトラブってない人間はここには来ないよ)
「確かに最近彼から『お前夢見すぎ』とか『なんか隠してない?』とか言われて。」
「隠してるものがあるんですか?」
「なんでわかっちゃうんですか!? 」
「この水晶玉に影のようなものが映りましたから。」(隠してる素振りがあるから彼氏さんが疑うんだろ)
「実は、その、誰にも言わないでくださいね。私、オ、オタクなんです。」
「成る程、彼氏さんはご存じないと。」
「はい。」
「彼氏さんはアニメとかゲームがお嫌いでしょう。」(好きならこんなことになってないだろうな)
「そうなんですよ! この前なんか『アニメなんて小さい子供が見るもんだろ。大人ではまってるなんてマジありえねー』とか言ったんですよ! それ以来私、こそこそ隠れてゲームとかアニメとか見てるんです。」
「因みに今どういったゲームをやられてるんですか?」
「えっと、最近は【過去に囚われた Heavenly Maiden
】というのを。」
こっそり足元に置いてあるキーボードを足で操作しググる。
そうすると机と膝の間に取り付けたPC画面に結果が表示される。
画面は相手に見えないような角度で取り付けてある。
「あぁ、結構人気のあるゲームですよね? 最近映画化された。」
「そうです! ゲームからアニメ化舞台化を経て遂には映画化まで!大人でも絶対楽しめると思うんです! 」
「面白そうですね。私も映画、観に行こうかな。」
「ぜひぜひ! 男性の方も楽しめると思いますよ! 」
彼女の目はギラギラと輝いていた。