寝ながらもフラグをたてる
あれ? もしかして、男子寮じゃね?
エマリカ学園があっちに見えるから、、、うん、方角的にも北だし。男子寮だな。
ふと、男子寮の屋上で人影が見えた。
屋根伝いにピョンピョンと跳んでいたミーテは自然と高い建物へと跳び上がって行き、遂に男子寮の屋上に着地した。
俺はミーテという乗り物酔いに襲われていたので、ふらふらとミーテの足首から離れた。
周りを見渡すと、屋上は豪華な庭が広がっている。硝子張りの屋根が付いた温室が中央に建っていた。
「今日も来てくれたのですね。ミーテ。」
この声は!
人影がこちらに向かってきた。
微かにピンクがかったブロンドヘアーは月光に照され、今はプラチナに輝いている。スカイブルーの瞳。
屋上にいたのはエドワード王子だった。長いガウンを羽織っている。
ああ、そうか。確か寮は身分が上がる毎に階層も上がるんだったな。じゃあ、当然王子が最上階を占めているに決まっている。
ん?
今日も?
てか、なにミーテを呼び捨てにしとんじゃてめぇ。
ミーテはふらふらと近づくと、エドワード王子はミーテを抱きしめた。
「ジョナサン、、、。」
ミーテが呟く。目は相変わらず半開きだ。
「ジョナサン、、、ね。誰かは知りませんが貴女にここまで慕われているなんて。嫉妬してしまいそうですよ。」
エドワード王子が優しくミーテの頭を撫でる。
ちょちょちょちょっとまったああああ!!!
何故にミーテの頭を撫でているんだ!
眠っている間にフラグ立ててどうするんだよ、ミーテ!
「ワッウェ。」(そいつはジョナサンじ)
そいつはジョナサンじゃない。そう言おうとしたが乗り物酔いの吐き気で変な声が。ぅ、吐きそう。
エドワード王子はひとしきりミーテの頭を撫でた後に、向きを変えてミーテをひょいッとお姫様抱っこした。
あわわわわわわわ。
コレが悔しいことに絵になる!
エドワード王子の腕の中で眠ってしまっているミーテ。どっからどう見ても耽美主義な絵本のお姫様と王子様だよ。
てか、近衛の兄弟は何をやっているんだ?
「さて、また何時ものように送り返さなくては。」
エドワード王子は空を見上げた。
「クムモオウヨシウヨジ。」
エドワード王子が唱えるとミーテとエドワード王子は空中に浮き上がりスーーッと女子寮の方角に向かっていった。
「王子!!」
ガサッと庭園の茂みから寝巻き姿のウォーゲルが慌てて飛び出してきた。
いたのか、お前。
匂いも気配もしないとは、流石近衛だ。
弟のミクラーは?
茂みを覗くと寝息をたてて眠っていた。眠っているのに気配が感じないって何でだ?
てか、俺は?
振り替えるとウォーゲルも「クムモオウヨシウヨジ。」と唱えて王子とミーテを追って飛んで行く。
俺は、、、男子寮の屋上に取り残された。
おおおい待てよ! 置いていくなよ!
「ガウッ。」(おい! 貴様なぜここに、大丈夫か?)
後ろからいきなり吠えられてビクッとなる。
狼のシーザーが走って近づいてきた。
俺は大分酔いは覚めたが、足がガクガクしている。別にシーザーが恐いわけじゃない。
しがみつき続けた緊張が取れたせいだろう。俺の足の筋肉が笑っている。筋肉痛だ。
「ワン。」(シーザーさんお久しぶりです。)
俺は力無く答えた。




