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ばれたか?

「因みに、シロリア王国ってどんなところですか?」

「エマリカ王国とそう変わらないかな。

変わっているところは、エマリカ王国は強力な結界があるがシロリア王国には其が無い。

エマリカ王国の政治的最終決定は国王と学園長と裁判長の3人で行っているが、シロリア王国の場合は王一人が決める。

シロリア王国には貴族制度プラス奴隷制がある。

それと、、、あとは、エマリカ王は后を正室1人、側室を2人まで持つことができるが、シロリア王の后は一人だけだな。」

ん? 側室?

「奴隷制があるのですか。それは例えば犯罪者等が奴隷になるとかですか?」

側室の部分スルーでいいのか?

「それもあるが、、、。」

ふとスチュワートの目が暗くなった。

「敗戦国の民も奴隷にされている。それも、何世代に渡ってだ。」

「それは、、、酷いですね。」

「まあ、仕方のないことさ。そう言えば、君はなぜ出来ない振りをしているんだ?」

「へ?」

突然の話題変更にミーテは間抜けな声を出してしまった。

「だから、君はなぜ魔法が出来ない振りをしているんだ?」

暫しミーテは考えた後、スチュワートの目を真っ直ぐに見た。

「そういう貴方も何故出来ない演技を続けているのですか?」

「なんだ。気づいていたのか。まあ、出来る奴は目立って面倒だからかな。」

「副会長である時点で既に目立っていますけど。」

「俺だって別に副会長になるつもりはなかったんだ。というより、未だに何故俺が選ばれたのか分からない。マーリン学長に指名されたとき断ろうとしたが、断ったら退学だなんて言われてさ。引き受けるしかないだろう。」

はぁぁ。スチュワートは頭を抱えた。

「こんな筈じゃなかったのに。」

スチュワート、本当にやりたくなかったんだな。

ガチャリ

図書室の扉が開いた。

「おや、いましたね。スチュワート。」

見るとエドワード王子が立っていた。

コツコツと此方に来る。

「会議中に消えましたので探しましたよ、スチュワート。」

成るほど。こっそり入ってきたのは図書室に逃げ込んだ事を悟られない様にするためか。

「別に俺がいなくても適当に決めてくれて構わないんだが。」

「そうはいきません。」

その時、バタバタバタと駆けてくる音がした。

「王子ー!!!!!!」

「王子いいいい!」

ウォーゲルとミクラー兄弟だ。

図書室に駆け込んできた。

「王子、頼みますからどうか一声かけていただけませんか?」

「ウォーゲル、ここではエドワードと呼んでくれないか?」

「分かりました。エドワード様。ですが。」

「図書室に寄っただけだから、そう心配しなくても。」

「いけません! 王子の近衛として我々はあなた様を守る使命があります!」


ミーテが小首を傾げた。

「近衛?」

エドワードはミーテの方を向いた。

「やあ、ミーテ嬢。相変わらず美しいですね。そうなのです。彼らは私の近衛兵です。」

ウォーゲルが胸を張った。

「我々アマデウス公爵家は代々王家の近衛を勤めております。私達の父は国王陛下の近衛を、私達は王子の近衛をしております。」

一般の生徒じゃなかったのか。そりゃ、そうか。例え国内であろうと王子に護衛は必要だろう。まさか、書記二人がその役割だとは思わなかったが。

「私としてはミーテ嬢、貴女とと折角会えたのですからこのまま一緒に過ごしたいところですが、生憎今は会議の最中。真に残念です。スチュワート、会議に戻りましょう。」

スチュワートは渋い顔をした。

「俺がいる意味はあるか?」

「それは、貴方次第でしょう。」

それでも渋るスチュワート。

見かねた王子がアマデウス兄弟の方を振り返った。

「ウォーゲル、ミクラー。スチュワートを連れていきましょう。」

「御意。」

「了解です。」

二人の動きは速かった。

ウォーゲルが左から、ミクラーが右からスチュワートをガッチリと掴みひょいっと椅子から立たせた。

「分かった! 降参だ! 行くから、行くから。自分で歩くから!」

慌てて歩きだすスチュワート。

微笑むエドワード王子。

ふと、エドワード王子が此方を向いた。

「スチュワートはいつから此方に?」

「ほんの数分前です。」

「それは良かった。」

何で良かったんだ?


そのまま四人は図書室を出ていった。


まさか、エドワード王子はスチュワートとミーテが逢い引きしたとか思った訳じゃないよな?


まさかな。


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