保健室というか、ほぼほぼ病院並だな
俺は保健室の床を木目だと思っていたが、違った。保健室の床には様々な記号が描かれている。
保健室の床自体が魔法陣だった!
ベット20台は殆どが埋まっている。
保健室にしては広いと思っていたが、今日その意味をよく理解したよ。
「トーラン先生はそこに、デデリーン先生はあそこに、レオナルド先生は。」
ミハエル先生が指揮を取っている。
先生方が床に薬指を置いた。
「カウントを始めます。3、2、1、レオナ!」
俺はミーテのベットの側にいた。カーテンが掛けられている。
先生方が呪文を唱えたとたんミーテの傷口がみるみる塞がり、焦げた髪も元の美しい銀髪に戻っていく。
カーテンの隙間から伺うと他の生徒も同様だ。
全身に大火傷を負った男子生徒の肌がみるみる治っていく。
全員の回復には10分も掛からなかった。
治ったのは良いんだが、、、。
ぐううう
きゅるるるる
そこかしこで腹の虫が鳴っている。そういや回復魔法使うと重症の場合はお腹が空くんだったな。
起き上がった生徒達に先生方が新しい服とクッキーを配っている。
きゅるる。
ミーテもお腹が空いているようだ。
「皆さん。今回は事故で午前の魔法実習を中断しますが、明日に振り替えとなりました。あと、今日の午後の授業は問題なくあります。」
お、おう。淡々としてらっしゃる。
「い、嫌だ。行きたくない。」
怯えたような声が聞こえた。
あれは、ジャック君?
頭を抱えてブルブルと震えている。
震えているジャック君を見た先生はミハエル先生を呼んだ。
「ミハエル先生、ジャック君のカウンセリングをお願いします。」
ミハエル先生はジャック君の側に行って優しく話しかけた。
午後の授業。
ジャック君は来なかった。
午後からは魔道具の作り方が始まった。
幾人かは体は回復してあるが、顔はまだ憔悴している。
先生はいつもと変わらず授業を開始した。
「魔道具には二種類あります。石に記号を堀り込んで作る魔道具。そして、石を砕いて繊維と混ぜ合わせ、その上に文字を描く魔道具。後者は魔法陣と呼びます。
それでは実際に魔道具を作っていきましょう。渡した手袋を着けて下さい。魔道具は作る際、汚れが付着すると効力が著しく下がります。」
生徒達は渡された白い手袋を装着した。
「それでは魔道具の材料となる石を配っていきますね。」
そうして、先生が生徒一人一人に渡していったのは、、、まさか、こ、これを使うのか!?