ミハエル先生視点 甘い物は食べ過ぎに注意
ミハエル先生視点
私が目を開けると目の前に私がいた。
そして、目の前の私はよっこらせっ、とソファから立ち上がりククククッと笑い始め、
「おっしゃ! 行くぜ! ヒャッハー!!」
と叫んで保健室から出ていった。
私は暫く茫然とそれを見ていた。
ふと自分の体を見ると犬になっていた。
このよく分からない状況で迂闊に動くわけにはいかない。
それに此はもしかして、夢かもしれない。
夢、、、?
取りあえず寝ることにしましょう。
私はソファに4本足を使ってよじ登り、ソファの隅で眠りに落ちた。
どれくらい時間が経ったかはわからない。
急に胸が苦しくなり、私は眠りから覚めた。
目を開けると、そこは食堂だった。
私はテーブルに座っており、目の前には空になった皿が何枚も並んでいた。とても一人分とは思えない量だ。
そして、テーブルの周りには3人の見知った先生方がいた。
3人共、何故か狼狽した表情を浮かべている。
それにしても胸が苦し、いや違う。
此は腹が苦しいのだ。
「うっ。」
私は酷い胸焼けに襲われていた。
手で胸元と口許を押さえ、吐き気を堪えるが、苦しさの余り体制を崩して椅子から転げ落ちた。
そして、バターーンと床に倒れてしまった。
「ミハエル先生!! ごめんなさい! 今まであなたの苦しみに気付かなくて!!」
「私も色々頼んでごめんなさい! 」
「こんなにもストレスを抱え込んでいたなんて!」
3人共口々に泣きながら謝罪を述べているが、私には何の事だかさっぱり分からなかった。
苦しみ? 頼み事? ストレス?
確かに私は色々と頼まれるが頼まれる事にストレスを感じたことは殆ど無いつもりだ。何故なら、当たり前だからだ。
女性の頼み事は断ってはいけない。女性の頼み事を甘んじて受けるのは当然だと、よくあの人は言っていた。
別に嫌ではなかったし、私が好きでやっていることだ。だから皆さんが泣く必要も謝罪する必要も無い。
そう言おうと思ったが、余りの吐き気にとてもじゃないが言葉を掛けることが出来なかった。
3人は私を抱えると食堂から保健室のベットに運んでくださった。
女性に力仕事をさせるのは気が引けるが、断る言葉も言えない。
一体何を食べたらここまで苦しい胸焼けが起きるのか?
私はそのまま保健室のベットで安静にせざる終えなくなった。