50話 入学式にて、メッシュ加工って涼しいよね
次の日
天気は快晴!!
今日はエマリカ学園入学式だ。
制服に身を包んだ新入生は南の正門を通り五階建ての建物の一階に集合した。
女子の制服は白いブラウスにマゼンタ色のリボンとスカートとブレザー。
男子の制服は洋紅色のズボンとブレザーだ。
結構派手な色合いで最初は目がチカチカするが、慣れると平気になった。因みに俺は最初、マゼンタと洋紅の違いが分からなかったが、多分ピンクっぽいのがマゼンタなのだろうと思う。。
南の五階建ての一階は舞台と赤い布張りの椅子がずらりと並び、さながらコンサート会場の様な造りだ。
ミーテはその椅子の1つに腰かけている。ミーテの隣には友達のミネルバが座っている。
俺は、、、ミーテの手提げに入っている。
息苦しくは無い。小さな穴が幾つか空いているからな。
本当はさ、家で待っているつもりだったんだよ。俺は。
マーリン学長の話を聞いて、学園に出入りしなくてもいいやって、思ってたんだよ。
だけどミーテは学園指定の蓋付き手提げを、わざわざ俺の為に改良して手提げの角をメッシュ加工にしてくれたんだ。
次の日起きたら、目をキラキラさせて
「トマト!これで行けるね! さあ、行こう!」
って鞄開けてスタンバっていた。
俺は渋々入り、、、今に至る。
メッシュ加工な為、外の景色もある程度見える。
まあ、いざ手提げの蓋を開けられたら透明化するから大丈夫だが。
ミーテよ。俺は別に連れていかなくてもいいんじゃないか?
いくら心細いからって、わざわざ鞄改良してまで持ち運ぶ必要は無いんじゃないのか?
何をそんなに恐れているんだ?
あれこれ考えている内に会場の席は埋まり、エマリカ学園入学式が始まった。
壇上にマーリン学長が現れた。
「え~、おっほん。」
マーリン学長、マイクもなしにめっちゃ声が通るんだけど。
「本日この晴れやかな日に入学式を迎えることが出来て大変喜ばしい。そなたら新入生諸君はこれから2年間、様々な試練が待ち受けているであろう。授業だけではなく、周りとのトラブルにもみまわれる事だろう。死ぬ気で頑張ってくれ。いざというときはわしも含めた頼りになる教員達や生徒会メンバー、周りの仲間達に頼るとよい。それでは、1回生の生徒会メンバーを紹介しよう。」
既に生徒会メンバーは決められているようだ。