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保健医のミハエル先生

ミハエル・シンクレア

攻略対象。優しい保健医。確か伯爵家の次男で怪我をよくする主人公の手当てを行っていく内にやがて先生と生徒の禁断の恋が芽生える、だったかな?


ググった位でしか知らないからうろ覚えだ。


話し方も丁寧。

紳士的な態度。

物腰柔らかな動き。

醸し出す雰囲気は穏やかな夕暮れを思わせる。


だが俺には1つだけ気になることがあった。


今は朝8時だ。なぜいくつもの香水の匂いがこいつに混じっているのか?香水をつける男もいるだろうが付けているにしては薄い匂いだ。


まぁ、こんなイケメンだから多くの女性に四六時中囲まれているのだろう。


「さて、ミーテさん。医務室で検査の準備が整いましたので一緒に来て下さい。」


俺とミーテとマーリン学長はミハエル先生の後に続いた。

部屋を出て廊下の突き当たりの階段を降りていく。学園内は静かで、生徒に出会うことはなかった。


そういや今日は日曜日だ。学園は休みなのだろう。


1階まで降りると、中庭に面した廊下が続いている。。昨日は暗くて細かなとこが見えなかったが、今はうっすらと雪の積もった美しい中庭が見える。


「此方です。」


とミハエル先生が示したのは保健室と書かれた大きな白い扉だ。


扉を開けると、そこは随分と広い保健室だった。


扉の近くにはソファ2脚とテーブルがあり、その向こうに書類の置かれた机と小さめの椅子が2脚ある。

そして体重計、身長計となんかよくわからん大きめの機械が置かれている。更に奥には薪ストーブと様々な薬品の入った大きな棚がある。


横を見ると白いベッドが4×5で20台もあり、それぞれのベッドに白いカーテンが付いていた。


「ではミーテさん、診断を始めますのでその椅子にお座りください。」


それからミハエル先生はミーテに気分はどう、とか痛いところは無いかとか色々と問うた後に体重と身長を計り、最後になんかよくわからん箱形の機械の前にミーテを立たせた。


「はい。そのまま動かないで下さいね。」


ミハエル先生は箱形の機械に薬指を置くと、


「ウドカ。」

と唱えた。


カシャン!

と音がして、機械の横の穴から紙が出てきた。


ミハエル先生はその紙を読む。


「魔力波形に異常は無いですね。」


「ミハエル先生、魔力波形とは何ですか?」


「体内の魔力の流れを波として計測したものを魔力波形と言います。異常を来すと魔力の流れに乱れが生じ魔力波形は乱れます。」


「そうなんですね。あ!」


ミーテは側にいた俺を抱え上げる。


「ミハエル先生、この子も計ってあげてくれませんか?」


「良いですよ。」


俺もカシャン!と計ってもらうと、


「特に異常は無いですね。」

と言われてしまった。


いやいやいや異常有りますよ!?

先生!! この右目に映る文字とか、バッチリ異常でしょうよ!

てかその機械ホントに意味あんの?


「良かったね、トマト。異常無しだって。でも、ミハエル先生、トマト魔法が使えるみたいなんですが。」


「魔力持ちの動物ですか。魔法が使えるとしたらトマト君は魔動物と言うことになりますね。」


その時、後ろのソファに座っていたマーリン学長が此方に来た。


「なんじゃと? トマトは魔動物なのか? どんな魔法が使えるのじゃ?」


「透明になれるんです。」


「透明? 始めての事例じゃのう。ミハエル先生、ついでにトマトの魔動物認定証も作ってくれんか? 」


「了解しました。」


「魔動物認定証とは何ですか?」


「魔法の使える動物に与えられる証明書じゃ。わしともう一人の教員により認定できる。魔動物認定証を役所に持って行くと証として首輪がもらえるのじゃ。その首輪が有ればトマトもこの学園に出入りできるぞ。」


「そうなんですか! 是非お願いします‼ 」


ミハエル先生は机の引き出しから紙を取り出しさらさらと何かを書き込んだ後に俺を見た。


「トマト君に今ここで透明になってもらうことはできるかな? 」


「トマト、できる? 」


俺は右端の文字を見た。


蓄魔78%

1ラッキードック(不可)

2透明化


透明化の文字を見つめる。


カチッと音がして70と数字が出た。


あれ? さっきより増えてないか?


「凄いですね。本当に透明になった。」


ミハエル先生は驚きに目を丸くしている。


「こりゃ驚いた。透明になれる動物がいるとは。長生きはするもんじゃな。」


マーリン学長はローブのポケットから判子を取りだし、ミハエル先生の手元の紙にそれを押した。


ミハエル先生も机の上の判子を紙に押す。


「証明書はそなた自身で届けるのじゃぞ。」


マーリン学長は魔動物認定証をミーテに渡した。


「有難う御座います!」


ミーテはとても嬉しそうだ。ここに来て始めての笑顔を見せた。


「おや、笑った顔も可愛らしいですね。」


ふとミハエル先生はミーテを見てそう呟いた。


「えと、、、あ、有難う御座います。」


いきなり言われたミーテはちょっとビックリしている。


いきなり何言ってんだ? あんた、まさか、天然のタラシ?


「さて、この後そなたの養父母と会うことになっとる。ついて参れ。」


マーリン学長、色々とスルー(笑)。


俺達は保健室を後にした。

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