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俺の右目が疼く!!!

次の日


俺が起きたときには、ミーテは既に身支度を整えていた。今は桃色のワンピースを着ている。とても似合っているが、ミーテの顔は暗いままだ。

カーテンは既に開けられ、朝日が部屋に差し込んでいる。


「おはよう、トマト。」

「ワン。」(おはよう。)


ふと、右端に文字が見えた気がした。

俺は首を動かしてその文字の方を向くと、あれ?

でもやっぱり文字は視界の右端に見える。

なんだこれ?


例えるなら掛けてる眼鏡の端にゴミが付いたような感じ。

書いてある文字を読むと、


蓄魔98%

1ラッキードック(不可)

2透明化


と書かれていた。


ラッキードックの文字を見つめると、カチッと音が聞こえて、その後すぐに、

現在は使用不可

と文字が出て、また2つの選択肢に戻った。


なので次に透明化の文字を見つめると、カチッと音がして数字が出てきた。その数字は60,59,58,57とどんどん減っていく。


なんだこりゃ?と思っていたら


「トマト!?」


いきなりミーテが叫んだ。

ビクッた。どうしたんだ、ミーテ?


「ワン?」(どうしたミーテ?)


「トマト、そこにいるの? 」


ミーテはゆっくりと此方に手を伸ばしてきた。

もしかして、見えてないのか?透明化って、まさか俺が透明化!?


ミーテの手に俺は頭を付けてみる。


「トマト! ちゃんといるのね。良かったー。」


ミーテは心底ほっとしたように肩をなでおろした。

自分の姿を見たくなった俺は部屋の端の鏡の方に向かった。

テトテトと俺の足音がする。


「トマト待って! 」


ミーテが追いかけてきた。


部屋の鏡の前に着くと追いかけてきたミーテしか鏡に映っていない。今俺は鏡に顔をピタッと当てているがそれでも後ろの風景しか見えない。俺見えない。


右端の数字は29まで減っていた。

取り敢えず鏡に前足をのせてみたり鏡をポフポフ叩いてみたりした。

俺の後ろでミーテがおろおろとしている。


「どうしよう、トマトが透明になっちゃった。」


「ワン!」(大丈夫だ、ミーテ。俺はここにいる。)


視界の右端の数字が3,2,と減り、ついには1となったときカチッと音がして、目の前の鏡にパッと俺の姿が映った‼


「トマト~!」


ミーテに抱き締められる。


心配をかけてしまったな。


ミーテが俺を離した後、俺は再び鏡を見た。


確かに俺のつぶらな右目はグリーンの瞳になっている。確実にこの目のせいだよな。


コンコンッと扉がノックされた。


ミーテが扉を開けるとマーリン学長が立っていた。手にネックレスを持っている。


「昨日話したやつじゃ。魔力を一定量封印するネックレスじゃ。」


マーリン学長はミーテにそれを渡した。ミーテは繁々とそれを見つめた。そのネックレスは銀の鎖に紫色の卵形の石が1つ付いている。


「マーリン学長、これってアメシストですよね。とてもお高いんじゃないですか?」


「それをわしに作らせたのはルドマンじゃ。お金もルドマンが払っとる。わしは単に完成したこれを持ってきただけじゃ。ささ、着けてみよ。」


ミーテはそれを首にかけた。すると、ネックレスはミーテの首に合わせて縮まりそしてフッと消えた!


「伸縮化と透明化も付与しておいた。つけ心地はどうじゃ?苦しくはないか?」


「はい。着けてる感じはありますが苦しくは無いです。」


「それは良かった。もう暫くしたら医者が来るからこの部屋で待つとよい。あと、そなたの平民としての戸籍は作っておいた。それから養子縁組も昨日決定した。健康診断の後に養父母と会う事になっとる。では、また後でじゃ。」


マーリン学長は扉を閉めて出ていった。


戸籍作るとか結構怖い事をさらっとやれるとは。マーリン学長はとんでもなく偉い人なんだな。


「あ!トマトのこと、相談するの忘れてた!」


ミーテが慌てて扉を開けたがマーリン学長は既に居なかった。


足、速すぎないか?


暫くすると、再びノックの音が聞こえた。扉を開けると、マーリン学長と、その隣に白衣を着た背の高い青年が立っていた。


薄紫の長い髪を後ろで緩く括っている。瞳は濃い紫色で、優しげな眼差しに端正な顔立ちをした男だ。


なんかこの顔、どっかで見たことあるな。


「始めまして、ミーテさん。私はこの学園の専属医兼保健医を勤めています。ミハエル・シンクレアです。」


思い出した!!!!!!!!!!【過去に囚われた Heavenly Maiden】の攻略対象の1人の保健医だ!

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