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家の周りをランrun♪


それから2週間が経った。


俺の毛は伸び綿飴の様にふわふわになった。完全に歩けるようになり梯子も頑張れば登れる。


因みに二階に登ったら、ベットが2つ、机1つ、椅子が2脚、そして大きな棚が1つあった。



その日、俺は外に出してもらった。周りの森の木々は青々としている。


久し振りの外だ! うれしい!


俺は家の周りを走り始めた。


「ワン! 」(走るって最高! )


走るってのはこんなに気持ち良い事だったんだな。


草木は青々と繁り、踏む度にサクサクと音が聞こえる。


走る時に風が顔にあたる感覚は爽快だっ!


おっしゃ! 家の周りを見てみよう!


サクサクと走っていくと五右衛門風呂を沸かすための釜戸が見えた。


更に走ると今度は動物達の小屋が見えた。


その時、ふと冷静になった。これじゃ、まるで犬みたいだな。犬だけど。


「ブルルルルン」(へー、君が新しく来た新入りか。ちっせーなー。)


横を見たら、黒い雄の馬の足が見えた。多分馬のトンキーだろう。


「メエエエエエ?」(さっきまで楽しそうに走ってたのに止めちゃうのかい?)


馬の向こうから牝の山羊が顔をのぞかせる。山羊のルンルンだ。


「メー」(もっと家の周りを走ってもいいと思うよ。ただしあまり遠くにいっちゃ駄目だよ。)


更にそのまた向こうから雄の羊が顔をのぞかせた。羊のピクルスだ。


それぞれ小屋には区切りがあり、3部屋に別れていた。


「メエエ。」(名前なんてんだい?)


ルンルンは俺に聞いた。


「ワン。」(初めまして、俺はトマトです。)


ふと、目の前に桃色の蝶々が飛んだ。思わず追いかけてしまう。


蝶々はひらひらと俺の攻撃をかわしながら森の方へと飛んでいく。


俺は全力疾走してその蝶々を追ってしまった。


「ブルルル。」(ガキは元気だな。)


「メエエエ。」(子供は元気な方がいいさ。でも、あの子、大丈夫かね? そういえば私が産んだあの子も元気にしてるかね。)


「メーー。」(トマトの事なら結界があるから大丈夫だよ。それにしてもルンルンはここんとこずっと息子の事心配してるね。元気だと思うよ。麓の牧場に連れていかれたけど新しい牧場主に引き取られたし、大丈夫だよ。)


「メエエ。」(そうだね。トマトも私の子も良い飼い主に恵まれた。神に感謝しないとね。)


「ブルルル。」(しつけーなー。毎日その話ループしてんだよ。いい加減耳にタコだ。)


「メーー。」(馬の耳に念仏。)


「ブルルル! 」(今なんつった? )


動物達は今日も和やかに会話していた。


俺は桃色の蝶々をずっと追いかけていた。


蝶々を追っていくとひらけた場所に出た。


そこはお花畑だった!


赤、青、黄色等の色々な花々が咲き乱れている。


あ、蝶々見失った。


そう思ったとき、お花畑の真ん中に直方体の石が置いてあるのに気付いた。


近寄って見る。


お墓だった。


【さくらの墓】と書かれている。




その時遠くからミーテの声がした。


「トマト~こっちにおいで~。ボールで遊ぼう。」


「ワン!」(今行く!)


だいぶ遠くまで来てしまった。


あれは、ミーテのお母さんのお墓だろうか?


俺は家の玄関の方に走っていった。


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