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大胆にミーテ参上

ドドドドドドドドドドガリガリガリガリドドドドドドドドドド


飛行船が振動で揺さぶられる。


「随分早いお着きね。」


慌てるでも無しに魔王は呟いた。


な、なになになになに!?


もしかしなくとも、飛行船が攻撃されてんのか?


更にあちこちで爆音が響く。


魔王は鉄の壁に行き、そこに手を当てた。


よく見たら鉄の壁に1本だけ金色の筋が見える。


魔力を流し込んでいるのか?


「さてと、あぁ、見えたわ。よしよし。あの子もいるわね。あら、先頭にたっているのね。」


あの子、、、まさか、ミーテ?


ゴウッーーン!ドーーン!!


鉄の部屋の扉に何か強烈なものが当たった。


ドーーン!!ドーーン!!

何度も大きな衝突音が鳴り響く。


「ミーテ。落ち着いて!」


あ、扉の外からジョナサンの声がする。


「おみ足は痛みませんか?」


エドワード王子の声も聞こえる。


ドーーン!!ドーーン!!


やがて、鉄の扉がめり込み、部屋の中へと吹っ飛んできた。


バッコーーン!!!!


魔王はひょいっとそれを避ける。


お、おう、恐い。


鉄の扉が開いたそこには、足を蹴った状態で静止していたミーテだった。


ミーテの左にはジョナサンが、右にはエドワード王子が立ち、その後ろには魔法兵がズラリと並んでいる。


まさか、ミーテがドアを蹴破ったのか?


「トマトを返して!魔王!ついでに死んで!」


え?俺を返せ?魔王はついでなの!?


俺要らないんじゃないの?大嫌いって言ってたよな?


「あら、ミーテ。ドアは蹴破るもんじゃないわよ。本当、品の無いルドマンそっくr。」


「ジスノズミトナス!!」


ミーテの声が響いた。


バチバチバチ!!


ドーーン!!


鋭い閃光と衝撃が辺りを満たした。


光は一瞬で消えて、後には何かが焼け焦げた臭いが残った。


横を見ると、部屋の鉄の壁に穴が空いている。


てか、焦げている。


ミーテの手には、色々と記号が彫られたアメジストが握られていた。


あれは、エマリカ研究所でミーテがマーリン学長から渡されたやつだ。


「人が話している最中に、ちゃちゃ入れるんじゃなっ!」


「敵の話が終わるまで待つわけないでしょ!ジスノズミトナス!!」


バチバチバチ!


ドッカーーン!!


ミーテ、容赦ないな。


おいおい、ミーテの後の魔法兵達が戸惑ってんぞ?


「こんの、クソガキ!雷を起こしているのね。どうせマーリンの入れ知恵でしょう。厄介だわ。」


魔王が扇を振った。


「ベカワイ!」


エドワード王子が素早く岩壁を魔法で出現させる。


ガッキーーン!


魔王が扇から放った見えない攻撃が岩壁によって防がれた。


魔王劣勢かな?


と思って魔王を見ると。


「ひい、ふう、みい。」


魔王はミーテの背後の魔法兵を数えていた。


「エマリカの魔法兵の3分の1を此方に割いているのね。」


魔王がにやりと笑った。


「ジスノズミトナス!!」


ミーテが再び雷の呪文を唱える。


バチバチバチ!!


「ガキは攻撃パターンが単調ね。」


魔王が扇を広げた。


ドーーン!


ガッキーーン!!


「へ!?」


ドッカーーン!


なんと、雷が跳ね返り、ミーテの方へと襲いかかった。


「ミーテ!」


幸いにもミーテはジョナサンが素早く避けさせたので当たらなかった。


だが、ミーテの後ろにいた魔法兵達は一瞬にして黒焦げに変わった。


「レオナ!レオナ!」


エドワード王子が素早く兵にかけより回復呪文を唱える。

ミーテもレオナレオナと唱えている。


「敵は待ってはくれない、は此方の台詞よ!」


魔王はバンッと壁を叩いた。


すると、壁の一部がガバッと開き、中からあの透明なカゲロウ達が一斉に飛び出してきた。


ミーテが薬指を構える。


「マタゼカムツツオノホ!」


シュウーっという音が聞こえる。


すると、空を舞っていたカゲロウ達が、一ヶ所に集められていく。


まるで空中に掃除機が現れたかの様に。


風がぎゅっとカゲロウ達を捕まえ、集めると、急にブワッと燃え盛り始めた。


お、これもマーリン学長から習った技だ。


風を圧縮して火をつける魔法で、加減が難しいがミーテは見事に兵達の方へと行かないようにしている。


カゲロウ達は炎に包まれた。


「炎に弱いって思っているんでしょう? 馬鹿よねぇ~。」


魔王の声が横から聞こえた。


嫌な予感がする。


「禍法、シラアビキ。」


キュイーーン


妙な音が聞こえた。


炎が無くなっていく。


「え、嘘!?火が弱点じゃないの? 」


カゲロウ達が一斉に動き出した。


「以前に炎で焼かれたカゲロウとは別物よ。なんせ今日の為だけに作ったのだから。苦労したのよぉ? 因みにそのカゲロウの尾には麻痺する毒針のおまけ付きよ。」


カゲロウ達がザアッとミーテやジョナサン、エドワード王子に襲いかかってくる。


「王子!! 」


兵の一人がエドワード王子に覆い被さりカゲロウの猛攻から庇う。


「ワン! 」(ミーテ! )


俺は捕らえられた箱に激突してみた。

ガタッと箱は動いたが、箱事態は壊れなかった。


変わりに箱の隣に置かれていた水晶玉が、箱の前に転がってきた。


クソッ、俺は何もできないのか?


ミーテやジョナサン、エドワード達がカゲロウに覆われていく。


「小娘以外は死ぬまで魔力を吸われればいいわ。おーほっほっほ。」


魔王の高らかな笑い声が響き渡った。

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