ミーテの家の一日
ミーテの家
一階
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|┼┼┼┼┼梯子|馬
|┼┼┼┼┼┼┼|山羊
|イス3テーブル1|羊
窓┼┼┼┼┼暖炉|____
|┼┼┼┼┼┼┼┠ユニット|
|┼┼┼┼┼┼青扉┼┼バス|
|┼┼┼┼┼台所┠センタクキ|
 ̄窓 ̄赤扉 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
二階
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|箪笥┼┼┼梯子|
|┼┼┼┼┼┼┼|
|┼机1イス3┼┼|
|┼┼┼┼┼煙突|
|┼┼┼┼┼┼┼|___
|ミーテ父┼┼┼ミーテ|
|ベット┼┼┼┼ベット|
 ̄ ̄ ̄ ̄窓 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「ト~マト。」
ミーテは俺を呼んだ。
「、、、ワン。」(、、、へいへい。)
「気に入ってくれたみたい。」
ミーテは俺の頭を撫でながら微笑んだ。
その笑顔が、、、めっさかわいい!花がほころぶ様なとはこの事か!
この家で暮らせるなら、トマトでもナスでもいいや。
ミーテの父は俺をしげしげと見つめて、
「トマトもあれができたらいいね。」
と言った。
あれってなんだ?
「同じ犬種だしできると思うけど。」
「いや違うよ。マキマキはロマーニョ・ウォーター・ドッグ。トマトは多分トイプードルじゃないかな? でも多分あれはできるだろうね。訓練させれば。」
だからあれってなんだ?
マキマキ先輩もできるのか。マキマキ先輩に聞いてみるか。
「ワン。」(マキマキ先輩、あれってなんのことですか?)
「ワン!」(先輩! Great sound!いい響きだ! )
「ワン!」(じゃなくて、ミーテ達の言ってるあれって何ですか? )
「ワン。」(ああ、それはねDiscoverするのさ!)
「ワン?」(何を?)
「ワン!」(Nice! なトリュフさ! )
トリュフ!?
俺の人生で一度もお目にかかったことのない、ましてや嗅いだことのない高級なフランス料理にでる豚を使って探す超高級で芳醇な香りを持つあの茸のトリュフを!?
驚きのあまり固まってしまった。
「歩ける様になったら訓練を開始してみよう。」
ミーテの父親は台所に向かった。
トントントントン。
包丁のリズミカルな音が聞こえてきた。
ミーテの父親が茄子とトマトを切っていく音だ。
ミーテは暖炉に火打ち石で火をつけた後に、小鍋を持って外に出ていった。
暫くすると小鍋に山羊のミルクを入れて戻ってきた。
小鍋を暖炉の火に掛けて煮沸させている。そして、煮沸し終わったミルクを木のお碗に移し替えた。
小鍋をシンクに置いた後に、水の張った大鍋を暖炉に吊るす。
ミーテの父親は置かれた小鍋をさっと洗った後に切ったトマト、ナス、更にベーコンを小鍋に入れてミーテにバトンタッチ。
ミーテは沸騰した大鍋にパスタを入れて、その横で小鍋の中身を炒めている。
見事な連係プレーだ。
家の中に良い匂いが漂ってきた。
今夜はトマトとナスとベーコンのパスタか。
ワクワクしながら待っていると、ミーテが出来上がったパスタを皿に盛り付けて、テーブルに置いた。
そして、俺の前に山羊のミルクを置いた。
そりゃ、そうか。俺は子犬だしな。まだミルクだよな。そもそも人間と同じもの食べれるわけないんだ。
なんか、悲しいな。
マキマキ先輩にはパスタと魚の解したやつが出されている。
パスタ食べたい。
食後、ミーテはまた、外に出ていった。
俺はBathroomの青い扉の前に行く。
昨日眠っていたから中がどんなか、知らないんだよな。
「トマト、ごめん、ちょっと横にずれてくれる? 」
いつの間にか戻ってきたミーテが、俺の後ろにいた。
俺が横に動くと、ミーテがBathroomの青い扉を開いた。
すかさず中を覗き込む。
白いタイルが床と壁に敷き詰められていた。そして、シャワーがある。
あと、タイルの壁に人一人入れる鍋がめり込んでいる。鍋の下は、多分土で固定されている。
なんだあれは?
ミーテはシャワーをめり込んでいる鍋に入れた。
鍋にシャワーで水を入れていき、木の板を鍋の中に落とす。
まさか、、、五右衛門風呂か!?
一端外に出たのは五右衛門風呂の火を付けるためか?
「マキマキ、体洗うよ~!」
マキマキ先輩はBathroomに入っていった。
ミーテは湯気の立った鍋のお湯とシャワーの水を混ぜて適温にしたお湯で、マキマキ先輩の体を洗い始めた。
俺が首を突っ込んで中を覗いていると、ミーテの父親が、
「湿気が来るから閉めるよ、トマト。」
と言って扉を閉めた。
その夜、俺はミーテの用意してくれた毛布にくるまり、隣で同じ様にくるまってるマキマキ先輩に色々質問した。
分かったことは、犬以外に馬、山羊、羊を飼っていて、それぞれトンキー、ルンルン、ピクルスという名前だ。
つけたのはミーテだろうな。
ミーテは今年で14歳。
マキマキ先輩は今年で10歳、人間でいったら70歳に相当する老犬だった!
この家に来たのはマキマキ先輩が1歳の時。
それまではどこかの庭の隅に住んでいたが、家の人に捕まり路地裏に捨てられた。
そして当時5歳だったミーテに拾われたそうだ。
その頃はミーテの母親はまだ生きていて3人で仲睦まじくこの家で暮らしていたが、ミーテが六歳の時に息を引き取り、現在ミーテは父親との二人暮らし。
因みに暖炉の上には白黒の家族写真が飾ってあった。そこに写っているミーテの母親は黒髪の綺麗な人だ。
マキマキ先輩曰くミーテの顔は母親似で母親も瞳はピンク色だったそうだ。