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一章 空を翔ける二人の流星

今日、魔王にはある夢ができた。

それの実現のため、静かに城を飛び立ち人間界に向かった。



「なぁベル今ってどこら辺なんだ」

 なんとなく気になったことを口に出す。

 いつもならばここで時間をすぐに教えてくれるメイドがいるのだが。

 しかしこの問いに答える者は、いないだろう、今は夜中の3時30分くらいだ、この時間に起きているやつは、誰もいないだろうし、城を出るときにも誰にもつけられたりはしていないはずだ。

 そんな考えを否定したのは、後ろからかかってきた言葉だった。

「さぁ?そんなのわからないわよ」

 暗く静かな夜に二つの流星が森の上を翔ける。

「そうか、ありがとな・・・・・」

 一人は黒い髪と夜に溶け込むような黒いローブを風にはばたかせ、もう一人は高く結った髪とメイド服をはばたかせる。

「質問を変えるぞ、何分経った」

「…………だいたい、城を出てから5分ってとこかしら」

 そんな会話を無意識のうちに繰り返す、そこには誰もいないはずなのになぜか、問いの答えを教えてくれた、それもどこか聞き覚えのある声で。

 二人は風を切る音に言葉をかき消されながらただただ大きな声で会話を続ける。

「ねぇ、あなた一体何しにいくわけ?」

 一人がちょっとした疑問を口にして、横に並ぶ

「あぁちょっと散歩にな、、、ってベルお前なんでこんなところに!?」

 横を見ると、そこには見慣れた顔があった。

「あんたさっき私にどこら辺とかなんとかって、聞いてたじゃない」

 それに、と彼女は続ける。

「あんたが夜中にコソコソと城を出ていくんだからそりゃ気になって追いかけたりもするわよ」

「見られてたのかよ……」

 一体どのようにして見ていたのだろうか、こんな真夜中に、それに足音も殺してきたはずなのに・・・こいつ、何か特殊な能力でもあるのか?。

 そんなことを考えながら飛んでいると、隣から呆れながらベルは、言った。

「だいたいあんたの考えることなんてお見通しなのよ・・・・んで、どうして人間界なんかに行こうとするのかしら、魔王であるカラスト様は」

 そう言って、速度を上げて魔王の前に出る、カラストはそこで一度止まって、「それは・・」とくちぐもるばかり。

「人間界で何をしたいの?人間界なんかどうでもいいところかもしれないわよ、まだ行ったこともない、見たこともない世界で、どうやって生きていくの?」

 ベルが子供を諭すように言った。


 確かにベルの言う通りかもしれない、まだ行ったことのない人間界が、どのようなところかもわからない。


「それでも・・・俺は、信じたいんだよ、あの本のように人間と魔族が共に生きていく世界を、それに、なんだかこれってワクワクするだろ?」

 それを聞くとベルは「は?」と言う顔をしていた。

「だってよく考えてみろよ、二年前まで争っていた人間と魔族が昔々は一緒に暮らして、互いに平和で豊かな生活を送ってきてたんだぜ、それって、すごいことだ。人間が物を作り魔族がそれを改良し、便利にしていく。魔族が人間に魔法を教え、初めて与えられる側から与える側になる。そうやって世界が回ってたんだぜ、昔は争いなどなく、二種類の人間たちは仲良く暮らしていたんだよ」

 つい今日読んだ本の内容を熱く語ってしまう、対するベルの反応は・・・

「あの・・ごめん、なんの話をしているのかさっぱりわからない」

 どうやら理解できないようなことを言っていたのかもしれない・・

「それは、昼に読んでいた本の内容なの?」

 ベルが「ハッ」として聞いてくる。

「でもその話の続きは、確か・・・・やっぱりなんでもないわ」

 「さぁ行きましょう」と言ってベルはまた、飛び始めた。

「どうしたんだあいつ」

 そんなことを言いつつカラストは飛んだ。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 月明かりに照らされ飛ぶ二人、彼らが今飛んでいるのは、人間界と魔界を隔てる広大な樹海「暮れの樹海」樹海の中は薄暗く様々な魔獣達がうろついている、さらに同じような木がたくさん生えているため一度入ると外に戻ることができないと言われ恐れられている森なのだ、しかし、その樹海を日中に上から見るとダークグリーンの葉っぱが辺り一面を覆い不気味な雰囲気は何処かに消えて、生い茂る緑と空という壮大な眺めが広がる、だが現在は、「夜」ダークグリーンの葉っぱは黒く豹変し、風に揺られる葉は、まるで二人を嘲笑っているように思えた。

 少し前を飛んでいたベルが速度を落とし、カラストと並走するような形で並んだ。

「ねぇカラスト、いつぶりだろうね、こうやって二人で空を飛ぶのは」

 昔を懐かしく思いながらベルは言った。

「ここ最近はどっちも忙しかったしな、お前も俺も」

「あんたはそこまで忙しくなかったでしょうが」

「まぁそうかもしれないな」

 昔を懐かしみながら言った一言は、ベルのツッコミによって「懐かしみ」から「笑い」に変わった


 ~それから飛ぶこと30分


「おい見ろよ、明かりが見えるぞ」

 カラストが、街に転々とつく光を指差して言う。

「人間界も、捨てたものじゃないわね」

 とベルが腕組みしながら言う。


 まだ空は、暗く、町の灯りはどこか弱々しく光っていたがどこか、優しいオレンジの光をまとっていた。


どーも

私ですmorisuraです

今回も書いて見ました、小説を書くって、難しいですね

次は、三日以内に出します

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