03
08 政治工作 シーンプレイヤー:遊馬九十九
GM: さて、火山研究所に行って、どこで何したいの? 当然ながらティンダロスの群れが居ますが。
ジョン: 別に我々は暴走するジャームの群れじゃないわけだし、正式にUGN再設立の挨拶に行けばいいんじゃないか?
遊馬: ってことで、俺のシーンだけど、前に出るのは本部エージェントのジョンと、新支部長のヴァレリオなんだろうな(笑)。俺は2人の後ろについていて、銃身を人差し指でトントンと叩いている。
ゆいか: 私は出ないです。UGN関係ないしー。
GM: はーい。てことは、遊馬とジョンとヴァレリオが登場かな?
ヴァレリオ: そうですねー。
ジョン: GM! 四方山市内での情報通信って、普通に出来るんだっけ?
GM: 一般の通信は出来るんですが、君らに関しては、“雷雲”が盗聴してる可能性が非常に高いです。
ジョン: じゃあさ、普通火山研究所にアポなしで行くってのも変だから、先に電話かメールで「この度、UGN支部を発足したいと思います」と。
ヴァレリオ: 「つきましては是非ご挨拶にお伺いしたいので……」と、面会の要望を出すのかな。
遊馬: なんか、いきなり官僚の根回しみたいのが行われ始めたでござる(笑)。
GM: それに関しては、初めは体よく断ろうとするだろうね。
ジョン: いえいえ、海外から要人が来ているのでこの日程しか取れないのです、と言う。
GM: 「そんな話は聞いていないので、きちんと上を通してください。」
ジョン: では上のかたを出して頂けますか?
GM: で、上の人に繋ぎを取ろうとすると、「そちらも企業のような体裁をとって頂かないとまずい」という話をされるね。ただ、ジョンはその権限は持っている。
遊馬: さすがは本部エージェント!
GM: なので、要請自体は出来るんですが、それを受けてくれるかどうかは、<交渉>の判定なんだな。難易度12。
ジョン: 俺、【社会】1なんだけど……(ダイスを振る)2(一同笑)。
遊馬: 《妖精の手》! その出目を10にします!
ジョン: (ダイスを振る)お、またクリティカル! ……39!!
ヴァレリオ: すごい交渉術だ(笑)。
ジョン: じゃあ、ここまでいったから、挨拶のついでに現在の研究状況についての見学もしたいって言うのかな。
四方山市内、四方山の中腹に位置する、周りから完全に木々によって隔離された研究施設。――――神城重工火山研究所。
正式なアポイントメントをとり、遊馬達三人は神城重工の火山研究所入り口にやって来た。
大きな門が閉じている前で、厳重なセキュリティチェックが行われており、警備に立っている人員はティンダロスのメンバーだ。
セキュリティチェックをパスした三人は重役室に通される。そこには、神城グループの研究所所長兼常務取締役・縣敬三がいた。
遊馬: すげぇのが出てきた……!
GM: 「これはこれは皆さん、よくぞおいでくださいました。」
ジョン: この度は、急な申し出にも関わらずお受け頂き、ありがとうございます。
GM: 「いえいえ! まさか本部の方に直接お越しいただけるとは……。」と、一応向こうも礼を尽くした態度ですね。「さて、事前に通達頂いた内容ですが、まず何からお話ししましょう?」
ジョン: 今回、支部を再開することになりまして、彼――――ヴァレリオが支部長になるので、今後とも宜しく頼む。
GM: 「ほうほう。しかしですな。その点についてお考えを伺いたいのですが――――。」
ジョン: む?
GM: 「今、四方山市内では、取り立てて目立ったレネゲイド関連の事件も起こることなく、3年間という年月を過ごしております。……UGN支部の再建、というのは、本当に必要なのでしょうか?」
ジョン: 我々は、日々何かが起こっているから支部を作っているわけではないということは、貴方もご存知のことと思う。未然に防ぐというのも我々の大事な使命だ。
GM: 「…………。」
ジョン: ついては、そちらが協力体制を築いているティンダロスと協調することで、今後の四方山市の更なる安定を求められればと思う。
GM: 「しかしですな。こちらとしては懸念が一つございまして。」
ジョン: 懸念、とは?
GM: 「UGNが居るからこそ、FHを招くのではないか? という懸念です。」
ジョン: 賢者の石を研究している以上、UGNが居ようと居まいとFHは来る。
GM: 「――――では、もう一つ伺いたい。……3年前の事件について、本部エージェントであるアダムスさんはご存知ですかな?」
ジョン: その件に関しては調査中だ。
GM: 「では、そちらの調査報告書をお持ちいただいてから、もう一度お話いただいてもよろしいですか?」
ジョン: 当然、それに関しては、支部を設立して調査をしてから報告をすることになるんだろうな。
GM: 「いえ、――――。」
ジョン: (遮って)ところで、研究成果が現在どの程度になっているかを見せて頂きたいのだが? と、強引に話題を変えるよ(一同笑)。
GM: 「――――……では、こちらへどうぞ。」ということで、見せてくれますね。
縣氏に連れられて、レアメタルの生産工場へとジョン達は向かう。
生産技術こそ確立されて安定供給が行われているものの、無尽蔵の生産は行われておらず、全てUGNの定めた基準の中で行われていた。
この基準については、UGN支部がなくなって以降、UGNからの監査はないまま、神城側の内部監査により管理がされており、その結果を見る限りでは、全て恙無く行われているようだった。
GM: っていうところまで確認するのに、結構時間がかかってしまうよ。
ジョン: まあ、レアメタルの精製については、後で報告書を見るので信頼させてもらおう。ところで、ティンダロスの持っているあの武器は何なのかな?
GM: 「ティンダロスはティンダロスの内部で武器の調達を行っております。我々としては、そのルートに関して、感知はしておりません。」
ジョン: …………。
GM: 「我々がティンダロスと行っているのは、あくまでレネゲイドの基礎研究に関する知識提供くらいのものですからね。」
ジョン: ――――てことは、あと聞いときたいことは……。
GM: 研究の内容については、本来の目的だった無尽蔵のエネルギーを取り出すという研究に関しては上手くいっておらず、ロクに研究成果も出ていないので、そろそろ方向転換も考えるべきかと思っている、というところまで話してくれた。
ジョン: ほうほう。
GM: 非常に友好的に、内部情報まで教えてくれましたね。「――――さて、そろそろご満足頂けましたかな?」というところで、<知識:企業>で判定してください。
ジョン: (ダイスを振る)9……。
GM: 企業としては、ここまで情報出してくれるのって破格じゃね? ってところまで晒してくれてることは分かるね。
ジョン: なるほどね。
遊馬: 縣さん、大変だなー。俺、縣さんにロイス結ぶわ。有為/■憐憫で。(ジョンに)――――なあ、ところで、だ。UGN本部としては、賢者の石の中にある意志ってのは、人権として尊重するのかい?
ジョン: 人権というのは法律で決められたものであるが故に、現時点では無い、というべきだろうな。
GM: 「そういった込み入った話は、そちらの内部でして頂けませんかな?」
遊馬: ……実際に賢者の石からヒトガタのモノが生まれて、そいつが話をしているという状況がある以上、放っておけねぇな。
ジョン: (縣に)――――四方山市ではそんなことが起きているのか?
GM: 「いえ……私どものほうでは感知しておりませんね。ただ、不思議な話を聞いたことなら……。」
縣の話では、あくまで噂の域を出ないと一笑に付していたのだが、この街に潜伏している元UGNエージェントのテロリストが、人でないものを連れているという話があるそうだ。
GM: 「その件に関して我々に聞かれても、何もお答えできる情報はありませんよ。」
遊馬: じゃあ縣さん。アンタに聞きたいんだが、もしアンタらが研究している賢者の石に意志があって、ずっと身体弄くり回されてる状況になってるとしたら、それに対してはどう思う?
GM: 「それは大変に倫理的・哲学的で難しい質問ですな。そもそも我々は、そういう想定をしておりません。なので、即答するのは避けさせていただきたいですな。……私の発言はそのまま企業の発言になってしまいますからね。」
遊馬: そうか……。(ジョンに)ま、もし賢者の石に意志があって、そいつが救いの手を求めてるってんなら、俺はUGNとして動くぜ。と言って、俺はまた黙る。
ジョン: サングラス越しの目からは、何も伺うことが出来ない……(一同笑)。
遊馬: (GMに)ってところで、襲撃かな?
GM: えぇ~!? ここでシーン切る流れに持っていきやがった、こいつらー……。くっそぉ……。(遊馬に)一つ聞きたいんだけど、キャラクターとして“雷雲”の襲撃を求めてる?
遊馬: キャラクターとしては、ここで襲撃されるなんて思ってない。
GM: なるほど。ではですね、今にもシーンが切れそうなタイミングで、“雷雲”が来ました!
遊馬: おぉー! 来た!!
遊馬とジョンの間に張り詰めた空気が流れたその時。
突然、激しい爆発音がし、周り中からアラームが鳴り響いた。
「な、なんだっ!?」
予期せぬ事態に慌てる縣。
急いで逃げるための手筈を整えようと何処かに連絡を試みるが、何処にも連絡がつかず、苛立ち紛れに受話器を叩きつける。
「じょ、状況が掴めん……。」
縣は半ば呆然としながらも、遮蔽になりそうなものの影に隠れる。
そんな中、警備を任されているティンダロスをものともせずに、“雷雲”が単独で、一直線に重役室いる遊馬達の元にやってきた。
遊馬: “雷雲”……お前はどうして、このようなことをしている?
GM: 「……答える必要はない。この市にUGNが居座ることを、私は決して看過しない。」と言うと、“雷雲”は君らに向かって駆け出す! そして《ワーディング》をはります!
遊馬: じゃあ俺は、危ない! 縣さん!! って縣さんの前に立ちはだかるんだけど、縣さんの意識は途切れる、と。
GM: はい。そうですね。ここで、最初と同じく戦闘ラウンド並列のFS判定を行います!!
遊馬: OK!
GM: ちなみに、今回の難易度は前回から1上がって、8になります。最大達成値は30で、進行度は5になったら、終了です。
ジョン: 常務取締役の縣さんを守りたいんだけど……。
GM: そうすると、難易度が2上がって、10になりますね。
ヴァレリオ: 判定技能は?
GM: ……これ完全に屋内での襲撃からの撤退だから、<回避>だねぇ。支援は<白兵>、<射撃>、<RC>で行えます。
ヴァレリオ: 【肉体】……? みんな振れるダイス数、少ないよね。誰かに支援集中させる?
遊馬: の前に、ハプニングが起きるんですよ! その内容によって戦法が変わる。
ゆいか: 出てないから、私が振ってもいい?(ダイスを振る)93!
遊馬: ……「事態の継続的な悪化」。このシーンの難易度+1D10。この効果は継続する。
ゆいか: てい。(ダイスを振る)6っ!
GM: じゃあ難易度は16になりました!(笑)
ジョン: マジかー!?
遊馬: とりあえず、やってみようぜ?
ジョン: これはタイタス昇華か?
遊馬: 大丈夫でしょ。俺、100%超えるし。
ジョン: えぇー……?
ヴァレリオ: ……ちなみにさ、“雷雲”って、問答無用な感じ?
GM: いえ、“雷雲”は攻撃してきますが、戦闘中にロールプレイで話しかけることは可能です。マイナーとメジャーで、都合二回、会話出来ると思ってください。
ヴァレリオ: なるほどー。
遊馬: まあ大丈夫だって! いけるよ!!《勝利の女神》使えば+15だし!!
GM: 心配すべきは遊馬の侵蝕率。
遊馬: だね。
●第一ラウンド
GM: では、セットアップ!
ジョン: 貴様、常務を倒す気か!? って聞く(一同笑)
ヴァレリオ: マジェスティコートで皆の行動値を+3します!
GM: では次に“雷雲”が《加速装置》! これで行動値が27になる!
遊馬: 俺は《サーチアイ》! “雷雲”の思っていることをトレース! お前の攻撃からのドッジに+2だ!
GM: ではイニシアチブ27で“雷雲”が動く。「……私のターゲットはお前達だけだ。降りかかる火の粉は払うが、無力な人間を殺める趣味はない。」と、いつものコンボで攻撃!(ダイスを振る)……18か。
遊馬: こっちもいつものコンボでリアクション!(ダイスを振る)20!! これで、侵蝕率100%超えた!
ゆいか: すごいね。今回全部止めてるよねー。
遊馬: ふふん♪
GM: では、また手が弾かれる。でも“雷雲”は弾かれた手を気にせずに、早足で歩み寄ってくる。
遊馬: やめろ、“雷雲”。俺はお前を殺したくない。落としどころはあるはずだ。
GM: 「…………。」君の言葉には答えない。
遊馬: うー……(笑)。
ヴァレリオ: じゃあマイナーで“雷雲”に、俺個人として協力することは出来ないのか? と聞く。
GM: きみのマジェスティコートをまじまじと見つめて「……組織を背負った者に言うことはない。」と言うね。
ヴァレリオ: うーん……そうか。じゃあ、メジャーでFS判定しまーす!(ダイスを振る)8……。
遊馬: その判定に《勝利の女神》。達成値+15ね。
ヴァレリオ: てことは、23!
GM: では、進行度が3上がりました。
ジョン: ……3年前からの事件に引き続き、今回の件に関しても、UGNの対応の仕方は非常に良くなかったと思っている。だから私が派遣された。今後直していく気は、君にはないのか?
GM: 「UGNのことはUGNでやればいい。私はすでに裏切り者だ。」
ジョン: (にやっと笑って)裏切り者ということは、まだこちらにも加担する可能性があるということだな。で、マイナーは終わって、メジャーで……では、裏切り者としての君にお願いをしてみようか。UGNが居ない状態で神城の研究が進められると何がしかの被害を及ぼすかもしれないし、今後のUGNが此処に入ってきた時にも、君や君の大事な人に対して何か悪いことが起きるかもしれない。――――君には、その調停者としてここにずっと居てもらうということは可能か?
GM: それは、UGNが入った上で、ってことだよね?
ジョン: そうだね。
GM: 「今のUGNに裏切り者を擁護する余裕など無いだろう。……神城よりも深くに眠るものを、私は食らい尽くす。」
ジョン: よし、キーワード来た!
ゆいか: 私、この情報聞いときたかったー!!(一同笑)
●第二ラウンド
遊馬: じゃあまた、ハプニングチャートだね!
ゆいか: 振るよ?(ダイスを振る)44。
遊馬: 「このラウンド中、最大達成値と難易度に+10」。つまり、難易度が26になった。
ジョン: マジか!?
GM: では、セットアップ!
ヴァレリオ: 自分はマジェスティコートを使用!
GM: “雷雲”が《加速装置》を使います。侵蝕率が2上がる。
遊馬: ……お前の心が段々と分かってきた。《サーチアイ》で“雷雲”からの攻撃のドッジに+2!
GM: では、さっきと同じコンボで攻撃!(ダイスを振る)くそ、18止まりか!
遊馬: こっちも同じコンボでリアクション! 侵蝕率は114%になった!(ダイスを振る)27!! ――――深きもの、だと……?
GM: 「…………。」やっぱり、君の問いには答えないね。
遊馬: うわぁん! 友達甲斐のない奴!!(笑)
ヴァレリオ: じゃあ俺の番なんですが、待機。
ジョン: ではここで、俺はマイナーでRハンドアウトをオープンする!! 深くに眠るもの? ――――それは、コードウェルのことか?
【ジョン・アダムス用 Rハンドアウト】
シナリオロイス:四方山市
世界を飛び回る君にしか見えないこともある。
例えば、アルフレッド・J・コードウェルの動きである。
彼の目的は明らかではないが、彼が執心しているものはいくつか判明している。
"遺産"、"インフィニティーコード"、"世界の変革を望む"だ。
そんな彼が日本に来たときに、真っ先に足を運んだ場所のひとつが「四方山」だという。
しかし彼は興味を失ったようにすぐさま四方山を去った。
彼は何をしに四方山を訪れたのか? 彼の目的は果たされたのか?
よしんば、彼が目的に対して期待はずれな結果を得て帰っただけなのだとしても、
構わないのだ。そういったことを積み重ね、いつかは彼を追い詰める。
このミッションも、そのための布石なのだ……。
情報項目:四方山でのコードウェルの動向について
GM: 「コードウェルは既に去った。より古き物の残り香だ。」
ジョン: じゃあ、「四方山でのコードウェルの動向について」を、メジャーで調べます。
GM: <情報:UGN>か<知識:レネゲイド>で! 最大目標値は10です。
ジョン: よし! <知識:レネゲイド>で!(ダイスを振る)13!
GM: じゃあ全部開きますね。
・コードウェルは帰還したすぐ後に、四方山市に来ている。
・その時期は“雷雲”による“Amon”討伐直後と重なる。
・コードウェルは四方山神社に参拝している。
・四方山に祭られている神は保食神。
GM: ここで新たに情報項目が出ます。「四方山について」。これは、山そのものを調べる判定になります。最大目標値は14ね。
ヴァレリオ: マイナーで聞こう。……話によると、女の子のRBを連れているって話だったが、今はどうしたんだ?
GM: 「――奴は奴の意志で動く。関係がない。」
ヴァレリオ: では、メジャーで「四方山について」を調べます!
GM: <知識:レネゲイド>か<情報:噂話>ですね。
ヴァレリオ: じゃあ<コネ:要人への貸し>を使って、<情報:噂話>で調べます!(ダイスを振る)16!!
GM: では、最後まで情報が出ますね。
・活火山かつレアメタルの産出地であり、賢者の石が、現在も発見される。
・四方山はレネゲイドを超高密度に結晶させる性質を持っているようだ。
・四方山に強大な古代のRBが眠っている。
・あるいは、四方山そのものが巨大なRBである可能性がある。
遊馬: ほー……。
GM: ここで、新たな情報項目「FHと四方山」が開示されます。
ヴァレリオ: ここで出てきた! FH!!
ジョン: ていうところで、この情報については次のシーンに持ち越しかな。そろそろ逃げよう。
●第三ラウンド
遊馬: さぁて! 逃げられるかどうかは、ハプニングチャートにかかってるんだよぉ!!
ゆいか: ハプニングチャート、振るよ?(ダイスを振る)25!!
遊馬: 「異様な興奮」。そのラウンド中、進行判定に失敗したキャラクターは、バッドステータス・暴走を受ける。
GM: では、セットアップ! 何かありますか?
ヴァレリオ: マジェスティコート!
GM: “雷雲”が《加速装置》を使います。で、こちらが先に動くんですが、今回はマイナーで《雷の加護》、メジャーで《雨粒の矢》《雷の槍》!(ダイスを振る)くそぉ、また18だ……。
遊馬: 省エネモードをやめてきたね。……GM? 達成値って0未満になったら、その行動は失敗だよね?
GM: そうですね。
遊馬: 今の俺の侵蝕率は120%。ここでオートアクションの《現実改変》を使用します!
GM: ほう?
遊馬: 今、あなたが居る場所は、神城重工の重役室ではなく、昔、俺と組んでいた頃のUGN支部の休憩室になります! で、俺は――――まあ、落ち着けよ。一杯どうだ? とコーヒーを手渡します。達成値-20して、お前の達成値は-2だ!!
GM: !? コーヒー渡された……。じゃあ、掲げた手が――――。
遊馬: (その手にコーヒーを乗せる)ほい。
GM: (受け取ったコーヒーを見ながら)……無言でそれを見つめて、メジャーアクションが終了する(一同笑)。
遊馬: そして俺は【HP】に20点ダメージ! ……痛い、死んじゃう(笑)。
GM: では次の方は、ヴァレリオ?
遊馬: ちょっと待機してもらえる? 俺、“雷雲”と話したいんだ!
ヴァレリオ: じゃあ待機!
遊馬: やった! じゃあ続きだ!! コーヒーを手渡した俺は、自分も手にコーヒーを持って、“雷雲”の隣に座ります。
GM: 俺もいつの間にか座らされている!?(一同笑)
遊馬: マイナーで……お前の敵は分かった。だから、あの時のように一緒にやろうぜ?
GM: あぁー……この空気だしなあ。「……俺はUGNに対して一度牙を剥いた人間だ。もうそれは出来ない。」
遊馬: メジャーで、……そういうところはお前、ホントに真面目だよな。いいじゃねーか! ヴァレリオが支部長になるんだし、UGNに来いってんじゃない。今回だけの共闘だよ。
GM: 「(唇の端を吊り上げて)ならば流れに身を任せておけ。突破口は俺が開く。」
遊馬: ――――! こ、こいつ……! ってところで俺のメジャーが終わって、俺の妄想が消えていくー!!
GM: では“雷雲”は手に持ったコーヒーを飲み干すと、立ち上がって、再び戦闘態勢をとる!
遊馬: あいつ……一人で乗り込む気だ――――!! でも、喋ってくれてよかったー。
GM: それは遊馬君が話をする妄想をしたからだ。
遊馬: なるほどね!
GM: “雷雲”としては、意地を張っているところで、本心を無理矢理引き出されたって感じ。
ジョン: じゃあ俺のマイナーで、……一人で何とかなると思っているのか? と言う。
GM: 「それをするだけの下準備はしてある。あとは時を待つだけだ。」
ジョン: メジャーで、下準備の一部に我々のことも含まれているのか? FHと四方山の関係は――――。と、聞く。
GM: 「だから全て織り込み済みだと言っている――――!」
ジョン: なんと!?
GM: ここでブラックドッグのジョンは気付きます。今此処で喋ったことっていうのは、何処にも漏れないように、“雷雲”が処理をしてます。
一同: おぉー!!
ヴァレリオ: 自分のマイナーで……何て言おうかなぁ。
遊馬: 多分ね、我々と彼が敵対しているってことを何処かに見せておかないと、その状況が作れないと、“雷雲”は思ってるんだよ。
GM: (こくこくと頷く)。
ヴァレリオ: んー……なら、俺達を使うことは出来ないのか? と聞こう。
GM: 「――――違う。お前達が俺を使うんだ。」
ゆいか: ……なんで私はこのシーンに居ないんだ(笑)。
ヴァレリオ: で、メジャーでFS判定をする!(ダイスを振る)10……。
遊馬: 《勝利の女神》!
ヴァレリオ: じゃあ25!!
GM: では、それで進行度が6になるので、君達は撤退に成功します。
ジョン: じゃあ、常務をティンダロスに預けて、私達は撤退かな。
GM: で、君達が撤退すると“雷雲”も追ってくるので、研究所は所々破壊されていく――――と。
ジョン: これは……ちょっとまずったかなー。反会長派に、強気に出る材料与えちゃった気がする……。
GM: そうかもねー。ただ、神城の反会長派がどのタイミングで動くかっていうのは、明確に決めていないので、いい加減動かないとおかしいだろと思ったら動きます。
ジョン: なるほど。
09 アルフレッド・J・コードウェル シーンプレイヤー:ジョン・アダムス
GM: では、ジョンさんの回想シーンです。1.アルフレッド・J・コードウェルと直に対面している、2.都築京香と対面している、3.本部で報告をしている、のうちどれがいい? ちなみに、本部での報告内容は、アルフレッド・J・コードウェルの動向について、継続調査についてです。
ジョン: じゃあ、3で。
GM: では、アルフレッド・J・コードウェルと接触した事件の報告をしています。君は、彼と接触した時に、彼が執心しているものをいくつか判明させています。まずは『遺産』――――強力なレネゲイドの力を秘めた、何がしかの物品。多くの場合、伝承・伝説に則って、その名で呼ばれるものです。たった1つで国を滅ぼすようなものなんかも、ザラにあるんですね。
ジョン: なるほど。
GM: 2つ目は『インフィニティコード』。永劫進化というニュアンスを持ったもので、レネゲイドの進化についてのプロジェクトです。ウロボロスシンドロームはこのプロジェクトの一環で、コードウェル博士の手により復活させられたものですね。
ジョン: で、三つ目は『世界の変革を望む』。
GM: そう。彼が抱え込んでいる“マスターレイス”達の欲望が、全て世界を変える欲望なんですよ。
ジョン: …………。
GM: つまるところ、世界転覆レベルの大きな力や、レネゲイドの進化が、コードウェル博士のキーワードになっている。
ジョン: うん。
GM: 逆に言えば、彼が関心を寄せて足を踏み入れた場所っていうのは、そういったものがある、ないし、そういったものがあった、場所なのではないかと。
ジョン: なるほど。
GM: 彼の痕跡を直に追っていくことで、彼の目的や、今世界に存在している脅威を明らかにする、というのが、君が行っていた調査です。
ジョン: はい。
GM: で、コードウェル博士は、四方山神社に参拝に行き、四方山自体が巨大なRBであると。
ジョン: 山、倒すのかぁー……。
GM: まあ、倒すかどうかは、「FHと四方山」についての情報項目を開けてみてからじゃないですかね。
10 衝撃 シーンプレイヤー:ヴァレリオ・アルファロメオ
GM: ここで、二巡目に入りますね。(遊馬に)……身体もつか?
遊馬: えっとねー、皆のシーンで応急手当セットを調達して、俺のシーンで使ってくれれば嬉しいなー。俺は、他の人のシーン、出ないから!!(一同笑)
GM: さて、誰から行きましょうかね?
ゆいか: ……あのね、支部長さん。次のシーンでやりたいことって決まってる?
ヴァレリオ: いえ、特には。
ゆいか: じゃあ、ちょっとお願いしたいことがあるんですが。……私、ミコと白石さんに会いたいんだけど、一人で2シーン作ることは出来ないから、やりたいことがないなら是非、白石さんに会うシーンを作って頂きたいんです。
ヴァレリオ: そっか! そうだよ、会わないとね! じゃあその方向で!!
GM: 俺も、支部長が会ってくれるのを期待していた。
ヴァレリオ: ということで、登場(ダイスを振る)! “光の防護陣”に電話したら、通じる?
GM: “光の防護陣”に電話をするとですね、警察が出ます。
ヴァレリオ: ん? 警察?
ゆいか: え? ちょ……!?
GM: で、場面が変わりまして――――ヴァレリオ。君は今、遺体安置所に居ます。
ヴァレリオ: …………。
ゆいか: …………マジかー。
GM: ゆいかは登場可能です。身内だから連絡いくし。
ゆいか: だ、よねー……。登場(ダイスを振る)。
ヴァレリオが遺体安置所の扉を開けると、そこには既にゆいかが居て、白石の遺体の前に座り、うつむいていた。
ヴァレリオ: (ゆいかに)もう、確認はしたか?
ゆいか: ――――黙りこくってます。で、ふっと顔を上げて、ミコを呼びたい……んだけど、出来る? GM。
GM: 今ちょうど、ふと気がつくとミコが立っている――――って言おうとしていた。
一同: おぉー!!
ゆいか: じゃあ、(涙声で)ミコ……読み取って?
GM: 「知りたいの?」
ゆいか: (こくりと頷く)。
GM: 「いいわ。お別れをしてからね。」
そう言うとミコは、ひどく人間くさい仕草でひとしきり祈りを捧げると、ぽそりと呟いた。
GM: 「人って、何処に行くのかしら?」
ゆいか: …………。
そしてミコは、白石の遺体と会話を始める。
彼女が彼と何を話しているのか――――それは、物と会話出来ないヴァレリオ達には分からない。
GM: ここでミコは《巨匠の記憶》《コンセントレイト:モルフェウス》を使用してサイコメトリーをします!(ダイスを振る)達成値25で、彼の死について情報収集をしました。
ヴァレリオ: うん。
GM: 会話を終えると、ミコは白石の胸ポケットからエンブレムを取り出します。神城の会長派を示す、黒のIDカードですね。
ゆいか: …………。
GM: 彼女はそれを持って、またしばらく会話をするんですが、やがてこくりと頷いて、「殺されてる。」と言う。
ゆいか: ――――犯人は?
GM: じゃあ、ここで分かることを言いますね。
・白石を殺したのは、神城の反会長派の人間。
・指揮を執っていたのは、飛田給蔵。
・複数名による殺害だった。
・白石は、隠密能力や攻撃妨害能力に長け、回避に特化したエンジェルハィロゥピュアブリードのオーヴァードだったが、完全に力を使い果たして死んでいる。
ゆいか: そっかぁ…………
GM: そして、もう一つ。「(ゆいかに)伝言。」
ゆいか: ?
GM: 「聞いてない?」
ゆいか: …………。
GM: ちょっとオープニングのことを思い出してみてください。<意志>判定で6を振ってみてくれてもいいですよ。
ゆいか: じゃあ<意志>判定する……。(ダイスを振る)8が出た。
GM: 彼の最後の言葉は――――「ご飯は冷蔵庫に……」。
ゆいか: ああ! 言ってた言ってた!!
GM: では、はっとした君に対して、ミコはこくりと頷いて「見てみて?」と言う。
ゆいか: これは、もう家に向かってダッシュしたいなー……。
GM: ミコにも会いたいって言ってたけど、ここで話しなくていい?
ゆいか: んー……ミコに話したいこともあったんだけど、正直それどころじゃない。
遊馬: だよねー。
ゆいか: 義父・白石さんに結んでいたロイスをタイタス化します……。はうー……。
GM: じゃあ、効果は無いけど、黒のIDカードを渡しておこうか。ミコが渡してくれる。これ以上の形見はないだろう。
ゆいか: (カードを胸ポケットにしまって)……ありがとう。と言って、家に向かって走る! 退場します。
ヴァレリオ: ……じゃあ俺は、「FHと四方山について」を調べよう。
GM: 技能は<情報:FH>のみ。最高目標値は14。
ヴァレリオ: (ダイスを振る)9……なので、財産ポイント1点使って10にします!
GM: では、最低限の情報は出ますね。
・FHと四方山の関係は、実は非常に古い。
・5年前――――都築京香時代に、エージェントが一人送り込まれている。
遊馬: 5年前にここにいた人って、誰かいたっけ?
GM: ここで死んでる人ですね。
ヴァレリオ: あぁー……。ミコさんに、君はこの街に住んで長いのかな? と聞いてみる。
GM: 「三年前。」
ヴァレリオ: ぶっちゃけて聞くんだが、君と“雷雲”との関係は何なんだい?
GM: 「(首を傾げて)――――つい見ちゃう、かな。」
ヴァレリオ: 君にとっては彼は、親代わりとか恋人とか、そんな感じなのかな?
GM: 「(少し微笑んで)どれとも違うのかな。……私は人じゃないし。」
ヴァレリオ: まあ種族を超えた愛っていうのも、悪くはねーと思うぞ。
GM: 「――――貴方達とは言葉が違うから、しっかり伝わらないと思う。」
ヴァレリオ: …………あーと。俺達は今、四方山について調べてるんだけど、何か詳しいことを知ってたりしないかな?
GM: 「色々知ってるよ。」
ヴァレリオ: じゃあとりあえず、あの山はRBってことでいいのかな?
GM: 「――――かみさま。」
ヴァレリオ: 神様……?
GM: ピンときてない君に対して、UGNの研究成果やFHの研究結果を《巨匠の記憶》で読み取ってきたミコは、補足説明をします。「あなたたちがRBと呼んでいるものの中の1つ。私を作り出したものの1つ。でも、私はそれだけで出来たわけじゃなくて、あなた達の手助けがあって、今ここにこうしている。」
ヴァレリオ: …………。
GM: システム的に言ってしまうと、恐らく前のキャンペーンで、研究者だった御堂未央子さんがDロイスではなく、ロイスを賢者の石に結んだことで、ミコが生まれた、と。
ゆいか: なるほど!
ヴァレリオ: ――――じゃあ、最後に1つだけ。今は別行動してるみたいだけど、これからも“雷雲”と一緒に居たいか?
GM: 「(こくりと頷いて)最後まで。……じゃあ私、そろそろ行くからね。」と言うと、ミコはシーンから退場します。あとには――――。
遊馬: 物言わぬ死体と、応急手当セットが……(一同笑)。
ゆいか: ねじこんできた!(笑)
ヴァレリオ: では、応急手当セットを調達しようかな。(ダイスを振る)はい、成功! 今度会ったときにあげよう(笑)。
11 真相 シーンプレイヤー:九重ゆいか
ゆいか: ……次のシーン、もらっていーい?
GM: いーよ。しょんぼりしてるね。ゴメンね?
ゆいか: ……泣きそう。
GM: 最初は邪険に扱ってたじゃない。
ゆいか: だって、それはお父さんだからだもん。……“光の防護陣”じゃなくて、白石賢治に結んでたんだよ? 偉いでしょ?
GM: ううっ……(泣)!
ゆいか: ってことで、家に帰ってきて、冷蔵庫を開けます。
誰も居ない部屋に戻り、冷蔵庫を開けると、そこにはいつもどおり「温めて食べてね」という白石直筆のメッセージが乗せられた夕飯が用意されており、その横に手紙が添えられていた。
ゆいか: それは、泣いちゃう! ……手紙を読みます。
それは、白石がゆいかに当てた、別れの手紙だった。
『遂に足がついた。もう分かっていると思うが、私は神城の会長派のスパイだったんだ。
反会長派の連中に嗅ぎつけられないようにずっと行動してきたけれど、UGNと繋ぎをとったことによって、遂に発覚してしまった。
私が持っている全ての情報は、既に向こうが握っている。』
ゆいか: ん……?
GM: どういうことかというと、彼は全ての情報を渡す代わりに命を助けてくれと、命乞いをした。
ゆいか: 反会長派に、ってことね。
GM: うん。なので、今まで彼が集めてきた情報は、全て反会長派に渡っている。集めてきた情報と言っても、全て反会長派から調査した情報だから、反会長派の知らないことってないんだよ。
ゆいか: うん……。
GM: なので、「私はこれだけのことを知っていますよ」っていうことを全て馬鹿正直に出した。
ゆいか: …………。
『君がオーヴァードであることは反会長派も知っているので、下手に手を出しては来ないはずだ。君に手を出しても返り討ちにあう可能性があるし、不利益になることは、恐らくしないだろう。』
ゆいか: ……多分これ、私の身の安全を考えてくれたんだよね。
『私がずっと追っていたのは、FHの技術がどのように神城の反会長派に流入したか、ということだった。
つぶさに様々な記録を追うと、そもそも初期段階でレアメタルの精製技術を獲得していること自体がおかしい。UGNと技術協力をした途端にそれが可能になる程の技術レベルを、神城の反会長派は持っていなかったはずだ。
だが、「画期的な発見」を「次々に反会長派が」したために、それが可能になったんだ。
その画期的な発見というのが、FHから流された技術なのではないかと、私は踏んでいる。』
ゆいか: ほー…………。
『そういう前提に立った上での調査を、私はずっとしていた。そして、ある程度それを裏付ける状況証拠も、揃ってきた。
当時の技術レベルをこと細かに調べた結果、明らかに不自然な点があったんだ。
例の「画期的な発見」をした研究者が、その後どうなっているかを調べると、今や組織のトップに立っていたり、謎の失踪を遂げていたりするんだ。』
GM: というところまで掴んでいて、白石はUGNのエージェントに渡りをつけたわけですよ。
ゆいか: うんうん。
『これ以上深くまで探るのは、私には恐らく厳しいだろう。私の能力等から照らし合わせると、ここが限界だ。』
GM: で、実際に今、UGNのエージェントは四方山市内に入っていますね。
ゆいか: うん。
GM: 彼はそのギリギリの綱渡りに、自らの命を賭しました。
ゆいか: そっかぁ……。
GM: 命乞いをしたにも関わらず殺されているのは、まあスパイというのはそういうものだからです。――――なので、彼はこれを全て、予期していました。
ゆいか: …………。
『実は、私が纏めた反会長派に関する研究レポートを一通だけ隠してある。その場所は元UGN支部の地下にある一室だ。そこの鍵を一緒に置いておくよ。』
ゆいか: そうだよね、それはあるはずだよね……。
『神城の反会長派は、私が残したレポートが本当に何処にも無いかというのは気にはするだろうけども、私の潜伏期間は長いので、どこにどれだけコピーがばら撒かれていてもおかしくない――――と思い込んでくれているようだ。
だから、たった一つのレポートが争点になることはない。』
GM: で、神城の反会長派からすると、今四方山市に入ってきているUGNのエージェントを外に出すことは出来ないし、支部を設立させることも出来ないんですよ。
遊馬: なるほど。レポートを手に入れてる可能性がある以上、全員殺しちまえってことか。
『彼らは彼らで、UGNに対して敵対行動を取るはずだ。
――――“黒幕”は恐らく、神城の研究員の誰かだ。
これ以上状況をお膳立てすることは出来ない。
ゆいか。どうかもう一度だけ、UGNのことを信じて欲しい。
“雷雲”も、彼なりにその“黒幕”を追っているはずだ。』
ゆいか: ぱたぱたと涙を流しながら、手紙を最後まで読みます。
GM: …………。
ゆいか: ちょっとここで、「FHと四方山について」を調べようかな。白石さんの敵討ち的な意味でも、調べる動機は出来た気がする。
GM: どうぞ。最大目標値は12になってるよ。
ゆいか: (ダイスを振る)……8か。じゃあ財産ポイントを2点使って、10にする。
GM: では情報が出ますね。
・FHの人間が反会長派にそれとなく技術提供をしていたことは間違いない。
・反会長派は、その事実に気付いていない可能性がある。
GM: もう、レポート取ってきたことにしよう。で、資料から君はそれを確信した。
ゆいか: はーい。……つまり、神城はFHに操られてる、ってことか。次のシーンで、本部エージェントにレポートを渡しに行くよ。
ジョン: わかった。
ゆいか: キャラ的にはもう、研究員を全員ぶっ倒せばいいんじゃないか、と思っているよ。
遊馬: 俺としては、別の解決策が見えてくると思うから、もう少し情報収集を頑張りたいな。
ゆいか: PL的には同感だ(笑)。じゃあ最後に……。レポートを取ってきたところで、悔しそうに白石さんからの手紙を握り締める。
GM: というところで、シーンを切りましょう。
12 “黒幕” シーンプレイヤー:ジョン・アダムス
遊馬: 俺、もう少し情報項目に先がありそうな気がしてるんで、とりあえずもう一回集まって、情報収集をしたい。
ジョン: (ダイスを振る)あれ? 出るの?
遊馬: 出るよ。じゃないと手が足りないと思うもん(ダイスを振る)1! よぉし! でも今の侵蝕率は130%(笑)。
ジョン: 場所はUGN支部でいいかな?
遊馬: いいんじゃない?
ゆいか: あ、じゃあ私も登場する。白石さんのレポートを本部エージェント様に渡したいし。(ダイスを振る)……100%超えー。
遊馬: 支部長は? 出ないの?
ヴァレリオ: 出るよー。
ゆいか: 無言で三人が集まっている場所に入ってきて、とってきた白石さんのレポートを机の上に置く。
遊馬: じゃあそれを見て、神城の反会長派がFHに操られているかもって認識を皆持つんだな。
GM: ですね。
遊馬: ……ちょっと、まずは応急手当セットを調達する(ダイスを振る)! 出来たー。で(ダイスを振る)……8点回復ー。
ヴァレリオ: GM、これって他人に対して使える?
GM: 使えるよ。
ヴァレリオ: じゃあ、これも使っとけ――――と、さっき調達した応急手当セットを使う。(ダイスを振る)10点回復。
遊馬: やった! ありがとう! これでまた《現実改変》使える! ……ってとこで、だ。「四方山とFHについて」調べます!(ダイスを振る)19!!
GM: では、最後の情報まで出ますね。
・神城の反会長派に潜入しているFHエージェントの名前は“真理の黄金”こと坂崎静流。
GM: ということで、「坂崎静流について」を調べられるようになります。
遊馬: やっぱりあるよね! こいつについての情報ね!
GM: 調べられる技能は<情報:FH>のみで、最大目標値14です。
ゆいか: さっきの手紙の内容とかから、FHエージェント=坂崎静流って分かっていい?
GM: ここまで情報を掴んでいれば、いいでしょう。
遊馬: もう一個くらい、隠れてる情報項目ありそうなんだよなー……。
GM: え? そう見える?
ゆいか: まあ、まず私が「坂崎静流について」を調べるよ(ダイスを振る)。……よし、16!!
GM: おぉ……全部出たね。
・坂崎静流はFHの研究者であり、強力なオーヴァード。コードネームは“真理の黄金”。シンドロームはノイマン/ソラリス。
・坂崎静流の専門は賢者の石。
・以前に坂崎静流という、全く同じ姿のオーヴァードが確認されていたことがある。
・その時に確認された坂崎静流はジャームで、複製体だった。
・坂崎静流という名で、別のコードネームを持つエージェントが複数名存在している。
・「彼女ら」は都築京香の指令で動いていたエージェントで、現在「彼女ら」を裏で操っている者は、もうFHには居ない。
・《蝕む声》で相手に暗示を与え、《完全演技》で自分のことを完璧に偽り、坂崎静流の誘導によって得た発想を、あたかも研究者自身が思いついたかのように思い込ませていた。
・坂崎静流は3年以上前に“Amon”に接触をしており、彼の行動も、坂崎静流の入れ知恵があってのことだった。
・“Amon”への接触時には、《蝕む声》と《完全演技》で他人になりすまして、家族を失った“Amon”に対して「賢者の石を使えば家族を取り戻せるかもしれない」という情報を教え、“Amon”が自身の居るFHの研究所を尋ねてくるように仕向けた。
ゆいか: まわりくどい真似を……。
GM: ここで、“雷雲”が言ってた「より古きものの残り香だ」って言葉も繋がってくるんですよ。
ジョン: なるほど。都築京香の残り香である、坂崎静流……ってことか。
GM: です。で、普通にやっても彼女までは辿り着けないので、“雷雲”も単独で乗り込むことはしなかった、と。
遊馬: そっかー。
GM: ということで。ここで、もう一個情報項目が出るんですよ……。
遊馬: ほぉら! やっぱりね!!
ゆいか: いい読みしてるなー……。
GM: これで、情報項目は最後です。「都築京香と四方山について」。
遊馬: 技能は?
GM: <情報:FH>か<知識:伝承>で。これまでFH絡みの情報を開けてるので、FHに関する前提知識があるということで、<知識:伝承>も使えるようになってます。最大目標値は12!
ジョン: ……個人的には、情報項目として上がってないんだけど、四方山のRBって結局何なの? ってところを調べたいんだよねー。
ヴァレリオ: じゃあまず、自分が「都築京香と四方山について」を調べます!<知識:伝承>で!(ダイスを振る)7……。
遊馬: ラスト《妖精の手》!
ヴァレリオ: じゃあ、今10……(ダイスを振る)3、なので13!!
GM: はい。では無事、全部開きましたねー。
・都築京香は“マスターレイス”を使って、賢者の石の力を高め、オーヴァードをプライメイトオーヴァードという究極のオーヴァードに進化させるというプランを行っていたことがあり、その為に四方山を押さえておきたかった。
・表向き、神城とUGNだけに賢者の石が流れているように見えていたが、実は神城の奥深くまで潜り込んだ工作員が少しずつ手を加え、わずかずつFHにも賢者の石を流していた。
・それを隠す労力は大変なものなので、UGNに「自分達が賢者の石を押さえている」と思わせようとした。神城とUGNとの共同研究は、その為のもの。
・都築京香は、四方山が賢者の石を作ることの出来るRBであることを知っていた。
・実は四方山のRBは、全ての賢者の石と意識が繋がっている。
・都築京香はこのRBと旧知の仲だった。
遊馬: じゃあ、今回のクライマックスに四方山自体は出てこないんだね!
GM: 折角だから<知識:伝承>で振ってみようぜ?
ジョン: よし!(ダイスを振る)16!!
GM: ……なんでそんなに日本の伝承に詳しいねん?(笑)えー……情報出しますね。まずは伝承のお話から。
・高天原から降りてきた月読命が、「保食神のところに行きなさい」と天照大神から言われ、行ってみたら、ご馳走を出して歓待してくれた。
・「こんなご馳走、どうやって作ってるんだろう?」と思って覗きに行ったら、保食神は口から吐き出して作っていた。
・「そんな汚らしいものを私の口に入れたのか!」と怒り狂った月読命が一刀の元に保食神を切り捨ててしまう。
・するとその死骸から様々な生命が芽生え、穀物も動物も植物も、全てが保食神から生まれた。
ジョン: あー、あったねぇ。そんな話。
GM: で、今までの情報とRBに対する研究資料、この市の賢者の石の研究等、全てを統合すると……。
・保食神と仮称されている四方山のRBは、様々なものを生み出す性質を持っている。
・ただし、完全な眠りについているので、普段はその機能を持っていない。
・外の世界を知覚したいという思いを持っており、レネゲイドの結晶である賢者の石を精製して外の世界に落とし、それに適合した者の意識を通じて、外の世界を知覚していた。
ジョン: つまり、本来なら人間を通して外を見るはずだったのが、自分自身で出てこれるようになっちゃったんだな。
GM: そうですね。都築京香がRBという存在を確立した影響もあるでしょうね。その端末になっているのが――――。
ゆいか: ミコ……。
GM: です。で、賢者の石って好奇心旺盛で何でも知りたがる。何かを破壊したりっていうことには興味がなく、人間に対して友好的らしいんですね。
遊馬: へー。
GM: それが、ミコの態度にも表れています。ただ見守る――――っていう態度に。
ゆいか: なるほど。
GM: で、特にジョンはアルフレッド・J・コードウェルを追っているので知っているんですが……。
・『遺産』と呼ばれるものの多くが、ジャームと同等の力を持っている。
・その中でも、『神性種』と言われるレネゲイドが存在する。
・『神性種』とは、古代から存在する、「殺しても死なないレネゲイド」であり、これが神と呼ばれる存在だと言われている。
・四方山も『神性種』のレネゲイドである。
・コードウェルは四方山のRBの話を聞いてこの地を訪れたが、保食神は「停滞」と「観察」しかしない為、世界を革新させる何かではないと判断し、四方山市を立ち去った。
・一方、都築京香はこれに利用価値を見出した。
ジョン: さっさと変えたいコードウェルと、ゆっくりと浸透していった都築京香ってことか。
遊馬: よぉし! 全体像が見えてきた!! ……あとは、“雷雲”さん待ちですねー。
GM: 正直、ここまで少ないシーン数で情報が出切ると思ってなかったんですが……まあ、そろそろ動くか。
遊馬: ってことで、雑魚戦はヴァレリオとジョンに任せた(笑)!
13 強襲 シーンプレイヤー:ジョン・アダムス
GM: さて、本部エージェント宛に、神城の方から連絡が入りました。
ジョン: はい。登場 (ダイスを振る)。
ヴァレリオ: 俺も出ておこう(ダイスを振る)。
神城から入った連絡の内容はこうだった。
「“雷雲”に研究成果を奪われたので、“雷雲”を撃退して欲しい。」
前回の“雷雲”の研究所襲撃事件から見るに、ティンダロスでは到底太刀打ち出来ないことは明白であるため、UGNに協力をお願いしたい――――。
ジョン: ……なるほど。
GM: 「研究成果を取り戻して頂けたあかつきには、先程申し入れのあった案件に対して、前向きに検討させて頂きたい。」とも言ってきますね。
ジョン: じゃあ、もう少し仔細に状況報告を頼む、というメールをする。
GM: では、即座に詳細な情報が来ます。どんな情報が欲しいですか?
ジョン: えーと…………時間稼ぎがしたかったんです(笑)。
ジョンのメールに対する神城のレスポンスは非常に速やかだった。
通り一遍の被害状況や、内部のプロジェクトのコードこそ控えられているもののどういうプロジェクトのどういう成果が奪われた、という情報が、すぐにもたらされる。
被害を纏めると、賢者の石1つと、それに伴う研究資料を一掴み分奪取されているようだ。
ジョン: さて、ここから如何にして坂崎静流をおびき出すか、だが……。
遊馬: この状態は、“雷雲”がこっちに、何らかの形でメッセージを出してるんだと思うんだよ、俺は。だから、素直に神城の要請に応じればいいんじゃない?
ジョン: だよ――――ね。じゃあ、行こう。
ゆいか: 私も出ます(ダイスを振る)!
ジョンが神城側に返信をしてからしばし――――。
“雷雲”が、ある研究所に向かっているという報せを、神城が寄越してきた。
“雷雲”のレネゲイドの固体パターンを識別し、それが向かってきていることを掴んだらしい。
こちらはティンダロスを使って、奴の歩みを多少なり止めておくから、その隙に件の研究所に集合し、“雷雲”を迎え撃って、止めて欲しいとのことだ。
ジョン: じゃあね……自分のパソコン宛に「Really?」って送信する。
GM: 面白い……(笑)。そうすると、「Here we go」ってメッセージが届く。
ジョン: オッケ! じゃあ行くか。――――移動手段は……?
GM: というところで、ミコが登場します。「……乗る?」
ゆいか: うん!
GM: 「何がいい?」
ヴァレリオ: 車でいいんじゃないかな。
GM: では、《ヴィークルモーフィング》で車を作り出す。「私が元にした車に乗った人達は死んでしまったけれど――――大丈夫?」
ジョン: 心配ならついてくるといいさ。
GM: 「(こくりと頷いて)あの人も後から来るから……。」
ゆいか: じゃ、私は後部座席で、ミコの隣に座る。
ジョン: 運転は私がしよう。
ヴァレリオ: てことは俺は助手席か。
遊馬: 俺は、シーンに登場してないから、こっそりと車のトランクに入り込んでる(笑)。
GM: では、<運転:四輪>で判定をどうぞ。
ジョン: (ダイスを振る)18。
GM: マジで!? じゃあ、ティンダロスと神城の人が「えっ!?」って思うくらいの早さで到着しました。
ゆいか: ……すごい。
ジョン: 華麗なバックで駐車する。
遊馬: この車、どうせ消すのに……(一同笑)。
GM: あ、ちなみにミコは隠れています。
遊馬: 俺は、車のトランクに隠れてたら、その車が砂に戻っちゃって、今、砂に身体が埋まっています(一同笑)。
ジョン達が研究所に着くと、そこでは既に、対“雷雲”迎撃用のティンダロスの部隊が展開されていた。
“雷雲”に対して撤退戦をしているティンダロス部隊からの、定期的な連絡が入る。
そしてついに――――“雷雲”が研究所に姿を現した。
研究所前に配備されているティンダロスの部隊を睥睨すると、“雷雲”はその場にいる皆に聞こえるように言った。
「やれやれ。これは余りにも数が多い。――――流石に私も面倒だ。」
その言葉に、ティンダロスが戦闘態勢を取る。
それを見た“雷雲”はふっと不敵に笑った。
「……先に行かせてもらうぞ。」
GM: ここで“雷雲”は、オルクスのエネミーエフェクト《見えざる道》で、退場します。
瞬きする間もなく、その場から消え失せた“雷雲”。
その直後、研究所の奥から悲鳴にも似た叫び声が響いた。
「サ、“雷雲”が、研究所内に――――……っ!!」
その声を聞き、ティンダロスの指揮を執っていた神城の人間が激しく舌打ちをし、号令を出した。
「止むを得ない! こいつらだけでも潰せぇっ!!」
ジョン: (驚いた顔をして)――――どういうことだ? 救援に駆けつけたというのに。
GM: するとここで、指揮を執っていた男がEロイスを使用します!
一同: 何いっ!?
●第一ラウンド
GM: では、戦闘に入ります! では、敵なんですが、トループが4つ。皆さんを囲むように配置されています。…………君らと既にエンゲージしてる方がいい?
ヴァレリオ: そうなってると、俺的にはありがたいかなー。
ゆいか: 別にそれで問題ないよ。
ジョン: うん。
GM: じゃあそれで。で、更に、エージェントが計2体。ティンダロスのコマンダーと神城の指揮官が、同じエンゲージで居ます。
ヴァレリオ: はーい。
GM: ではセットアップ! こちらの行動値は、ティンダロスのコマンダーが16、神城の指揮官が12、トループは10。
ヴァレリオ: じゃあ行動値16の自分から。例の如くマジェスティコートを使います! これで自分の行動値が19に、ゆいかの行動値が18に、ジョンの行動値が16になります!
GM: ではゆいかとジョンはセットアップありますか?
ゆいか&ジョン: なし!
GM: では行動値12で、神城の指揮官がシーンに対して、Eロイスの《殺戒出現》を使います。その場にいる全員に闘争の衝動を植え付け、暴力の支配する空間へと変容させてしまうというものですね。
ヴァレリオ: うわー……。
GM: <意志>判定で負けた人は、バッドステータスの暴走を受け、このラウンドの間、攻撃以外のあらゆる判定に-3Dされます。こちらは(ダイスを振る)……11だね。
ジョン&ヴァレリオ&ゆいか: (ダイスを振る)失敗!
ゆいか: じゃあ、立ちはだかる奴らに対して憎悪の目を向けながら、邪魔すんなあああっっ!! って吼える。
ヴァレリオ: では私の行動!《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》《小さな塵》《死の紅》《血の宴》! 対象は、エンゲージしてるトループ4体!(ダイスを振る)26!!
GM: (ダイスを振る)……全員当たった。くっそ!
ヴァレリオ: よかったー……。ダメージが(ダイスを振る)29! 装甲有効。
GM: 全員生きてる。
ヴァレリオ: じゃあバッドステータスの放心と、装甲値-6点。自分は【HP】が2減ります。
GM: はい、これで装甲値は0です(笑)。
ヴァレリオ: そして次に、行動値18のゆいかさん!
ゆいか: はーい。マイナーで《ハンドレッドガンズ》、メジャーで《コンセントレイト:ノイマン》《急所狙い》《ギガンティックモード》! 対象はトループ4体! これで私の侵蝕率は128%!(ダイスを振る)50……60……の、70!!
GM: (ダイスを振る)はい、全員無理です(笑)。
ゆいか: じゃあダメージが《ウォーモンガー》で+1Dなので、9D+13!!(ダイスを振る)57点の装甲有効だよ!
GM: はーい。トループは全員倒れますよー。
ヴァレリオ: そして、行動値16のジョンの番!
GM: うお!? マジか……。
ジョン: マイナーでエンゲージから離脱して、《コンセントレイト:ノイマン》《コントロールソート》《マルチウェポン》で、リニアキャノンを二発撃ちます。対象はコマンダー!(ダイスを振る)あれ? 18……。ドッジの場合は-2Dしてください。
GM: (ダイスを振る)……達成値10。
ジョン: ダメージが(ダイスを振る)36点、装甲値有効!
GM: よし、まだ立ってるよ。
ヴァレリオ: じゃあ行動値16でコマンダーさんだね。
GM: えーと……《エンジェルボイス》《風の渡し手》《声援》で、自分と指揮官に支援。
ヴァレリオ: 次は行動値12で指揮官ですね。
GM: 《黒の鉄槌》《雷の槍》《コンセントレイト:バロール》《因果歪曲》でゆいかとヴァレリオのエンゲージに攻撃!(ダイスを振る)支援まで含めて37!
ヴァレリオ&ゆいか: 暴走中なので、リアクション不可です。
GM: では4D+17のダメージ(ダイスを振る)……33。
ヴァレリオ: 倒れるので《リザレクト》。
ゆいか: 同じく倒れるので、初期タイタスで持ってた“黒幕”を昇華して戻ってきます。――――ここで倒れたら、あいつに届かないじゃない……!
遊馬: ゆいかは、今度のラウンドは他の2人に任せて戦闘から離脱しちゃってもいいんじゃない? 侵蝕率的に。
ゆいか: そーねー……。
●第二ラウンド
GM: では、次のラウンドのセットアップ!
ヴァレリオ: マジェスティコート! 今回は自分とゆいかさんだけ行動値+3です。
GM: はーい。
ヴァレリオ: ということで、私から! もう範囲攻撃は出来ないので、コマンダーに《コンセントレイト:エンジェルハィロゥ》《小さな塵》!(ダイスを振る)45!!
GM: ……んん? そっか!《殺戒現出》の効果で暴走してるから、コマンダーはリアクション出来ないや!
ヴァレリオ: ではダメージが(ダイスを振る)45点の装甲有効!
GM: ……あれ!? 死んでる!!(一同笑)
ヴァレリオ: で、次はゆいかさんの番ですね。
ゆいか: ……ねえ、さっき攻撃してきたのって、残ってるジャーム?
遊馬: そうだね。
ゆいか: ごめん、皆。私、戦闘から離脱出来ない。
一同: なんで?
ゆいか: 今、私、暴走してるんですよ。で、私の衝動は憎悪なんで、変異暴走が「【HP】ダメージを1点でも食らったら、その対象に対して憎悪のバッドステータスを受ける」なんです。
遊馬: !!
ゆいか: で、憎悪のバッドステータスの効果は「最も有効な方法で対象に攻撃を行う」なので……。
一同: あぁー……(納得)。
GM: じゃあ攻撃するしかないね。
ゆいか: マイナーで《ハンドレッドガンズ》、メジャーで《急所狙い》《コンセントレイト:ノイマン》《オースドウェポン》!!
遊馬: 《オースドウェポン》って?
ゆいか: 120%制限の憎悪のアージエフェクトで、単体にしか使えないんだけど、【HP】ダメージを与えられたときに、そいつへのダメージを[Lv+1]D個する。
遊馬: おー……。
GM: ええ、大変有効な攻撃なのではないでしょうか(笑)。
ゆいか: ですよねー(笑)。これで侵蝕率140%……。(ダイスを振る)29!
GM: 回避……っ!(ダイスを振る)……9(笑)。
ゆいか: じゃ、ダメージが7D(ダイスを振る)……55点の装甲有効!!
GM: ちょっとだけ残りました。
ゆいか: これで、憎悪が解けました。……ふぅ。ちょっと落ち着いた(笑)。
ジョン: 次は行動値13になった私の番か。さっきと同じコンボで! ドッジは-2Dね。(ダイスを振る)20!!
GM: はうーん……(ダイスを振る)回避は10で失敗。
ジョン: ダメージは(ダイスを振る)45点!!
GM: はい、それでジャームも倒れました。
ジョン達に倒されたティンダロスメンバーが、苦悶の声を上げる。
「つ、強い……!」
「ここから先に行かせるワケには……!」
ゆいか: そいつらを踏みつけながら、奥に向かってずんずん歩いていきます。
ジョン: (周りに居る神城の連中に)このことはしっかりと報告させていただく。……やはり、UGN支部をここに置かなければな。
14 布石 Master Scene
一人、歩みを進める“雷雲”。
散発的に出てくるティンダロスの兵隊とそこに混じって出てくるジャームを、次々に蹴散らしていく。
GM: 君らと戦ってたときには使ってなかったエフェクトとかも使ってるね。
遊馬: …………。
激しい雷撃で、常に一撃必殺の攻撃をしながら、研究所の奥へと進んでいく。
その傍らに、いつの間にかミコの姿が現れる。
「大丈夫?」
ミコの声に、表情一つ変えずに“雷雲”は即答する。
「その質問は無意味だ。」
「…………そう。」
それだけ言うと、ミコは何も言わずに“雷雲”に付き従う。
そのまま2人で奥へと進んでいくと、研究員の避難が間に合っていない区域にまで入り込んだらしく、バタバタと騒々しく動き回る研究員達の姿が見えた。
その研究員達に、“雷雲”は容赦なく雷撃を浴びせ、昏倒した研究員の顔を一人一人、検めていく。
「――――どうやらここではなかったようだな。あの研究成果はどこにある?」
そう一人ごちると“雷雲”は、別のフロアに向かった。
次のフロアに辿り着くと、研究員達が牙を剥いて“雷雲”に襲い掛かってくる。
その研究員達を、“雷雲”は雷撃で一掃。
「……ついに姿を現したか。」
“雷雲”の言葉に応じて姿を表したのは、全く見覚えの無い男性。
その男の登場に、“雷雲”は眉を顰めた。
……激しい戦闘の末にその男を倒した“雷雲”は、怒声を張りあげる。
「何のつもりだ、坂崎静流! 早く出て来い!!」
その声に応じたのは、またも覚えの無い研究員の男性だった。
「――――いや。まだ彼女が相手をする程ではないよ……。」
GM: これは坂崎が、Eロイス《さらなる絶望》によって、即席で強力なジャームを作り出して、“雷雲”にぶつけているんですね。
遊馬: はー……。なるほどね。
“雷雲”の消耗を見てとったのか、ミコも支援をし始める。
ゆいか: これは……まずいんじゃない?
GM: 傷ついた“雷雲”の身体を癒しながら、《狂戦士》《さらなる力》とか支援をかけたりする。
「ミコ……それ以上力を使うな。」
ミコに無理をさせまいとする“雷雲”に対し、ミコは何も答えず、支援をしながら付き従う。
GM: 今、“雷雲”の侵蝕率が87%です。
遊馬: 意外と低い!
GM: で、“雷雲”は120%になるまで戦い続けます。
ヴァレリオ: ほう?
GM: その結果、4体分の《さらなる絶望》を潰し切りました!
一同: すげー!!
だが、やはり多勢に無勢。
4体目の研究員を倒したところで、“雷雲”は力尽きる。
「――――手こずらせたわね。」
倒れた“雷雲”の前に、一人の女性研究員――――坂崎静流が現れ、“雷雲”の頭を踏みつけた。
ミコは彼女から距離をとる。
彼女は艶然と笑むと、“雷雲”に対して問うた。
「どうする? ここで死んでいく? どうせもう、ジャームになるしかないのだから。」
GM: ちなみに“雷雲”は、ここまででロイスも使い切ってます。
遊馬: 全く! 一撃必殺とか言って、攻撃にロイスを使うからだ!!
GM: そうですね。
余裕の表情を見せる坂崎に対し、“雷雲”は低く響く声で言った。
「――――まだだ。真なる雷が、お前の野望を砕くだろう。」