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02

Middle Phase


01 “雷雲”                シーンプレイヤー:遊馬九十九


GM: では、ミドル最初のシーン! シーンプレイヤーは遊馬にしましょう!

遊馬: お! じゃあ、さっきのオープニングから繋がってる感じで! ……久しぶりだな、“雷雲”(ダイスを振る)10上がった!(一同笑)

ヴァレリオ: 登場 (ダイスを振る)。おい。ぶっちゃけ、あいつはどれだけヤバい?

遊馬: 俺と幾多の戦場を駆け抜けてきたくらい、かな。

ヴァレリオ: …………。

GM: 「……誰であろうと関係ない。この街にUGNをのさばらせておくことは、もう出来ない。」というと、電子的なギミックが露骨に露になっている右手を大気中に差し出す。

遊馬: その言葉だけでいくつかは分かった。――――ヴァレリオ、ここは退()こう。

ヴァレリオ: 同感だ。とっととずらかるぞ。

遊馬: と言って、俺は右手の人差し指で銃をトン、トン、と叩き始める。

GM: というところで、ジョンとゆいかも登場出来ます。次のラウンドのセットアップ以降でも構いませんが。

ジョン: じゃあそこで、後ろから煙を出しながら走ってくる(ダイスを振る)。

GM: 君の気配を背後に察知した“雷雲”が言う。「何人居ようが、本部エージェントだろうが変わりはしない。」

ヴァレリオ: ジョンじゃねーか! なんでこんなとこに居やがる!?

ジョン: ……車が、壊れたからだ(一同笑)。

ヴァレリオ: 相変わらずお前はワケわからん……。まあ、とりあえず一緒に来い! 逃げるぞ!!

ジョン: そうか……。近づかなきゃよかった。

ヴァレリオ: テンション低いなー(笑)。

GM: ということで、ここでは、FS判定をします!!

遊馬: FS判定なんだ! 戦闘じゃなくて。

GM: 戦闘ラウンドと同時進行で、FS判定をしてもらいます。内容は「“雷雲”を撃退する」です。使用技能は<知覚>で、難易度は7。最大達成値は30です。支援判定は、<RC><白兵><射撃>です。これに成功すると、次のFS判定の達成値に+2されます。まあ、隙を見て撤退してくださいって感じですね。

ジョン: はーい。

GM: 進行度が5になったら、一旦撃退に成功し、“雷雲”は退場します。それまでラウンド進行をし、彼は攻撃をしてきます。君達は、彼を攻撃して倒してもいいし、FS判定を進めてもいいです。

遊馬: ふむ。

GM: ぶっちゃけ、“雷雲”とここで最後までやり合うことは可能です。

ヴァレリオ: 但し、向こうの今の侵蝕率は43%、と。

遊馬: で、使ったエフェクトの侵蝕率管理しつつ、何回生き返ってくるかは決めてあるんでしょう。

ヴァレリオ: なるほど。


 ●第一ラウンド

GM: では、セットアップ!

遊馬: サーチアイを“雷雲”に使用! ……俺は、奴のことを良く知っている。ということで、“雷雲”からのドッジに+2されます。

ヴァレリオ: こちらはマジェスティコートを使用! コートの中から“雷雲”に向かってナイフを投げて、行動を阻害する!! ちなみにエンゲージは今どうなってる?

GM: 遊馬とヴァレリオが同一エンゲージ、ジョンが単独でエンゲージ、“雷雲”が単独でエンゲージですね。

ヴァレリオ: では、自分と遊馬に、行動値が+3されます! 遊馬が12に、俺が19になる。

GM: “雷雲”は君のナイフにただならぬ殺気を感じて、飛びのいた! ちなみに“雷雲”の行動値は15です。

ヴァレリオ: じゃあイニシアチブだと自分からだけど、支援を待とうと思うので、待機!

GM: では“雷雲”の番です!《雨粒の矢》《雷の槍》!! コンボ名「プラズマクラスター」を使います。

ヴァレリオ: そのネーミングは何とかならんのか……?

GM: ならんな!

ヴァレリオ: じゃあ仕方ない(笑)。

GM: ってことで、いくよー!(ダイスを振る)19+9で28!! 先程のように大気が嗅ぎなれない臭いに変わり、“雷雲”の腕から雷撃が放たれる!

遊馬: 《原初の紫:守りの弾》《リフレックス:ウロボロス》!(ダイスを振る)20で止まっちゃうから、《妖精の手》!(ダイスを振る)これで、31!!

一同: おおー!!(拍手)

遊馬: “雷雲”! お前の手腕は見切っている!! と、彼がプラズマを発生させようとした、その手に弾を撃ち込む! すると、雷撃は四散!!

GM: 一時的にプラズマイオン化されていた周囲の空気が沈静化されます。“雷雲”はその手を咄嗟にかばうように隠して、舌打ちをする――――んだけど、口元が笑っている。ということで、“雷雲”の番は終了!

遊馬: 俺は今の《守りの弾》で行動済みになります。

ヴァレリオ: (口笛を吹いて)やるじゃねえか、“種馬”。

GM: では次に、ジョンの番!

ジョン: マイナーでヴァレリオのエンゲージに入って、メジャーでヴァレリオに対して支援をします! <RC>で(ダイスを振る)成功。先程遊馬が撃った傷からハッキングをかけて、腕を動かなくする。

GM: 「――――ッ!」

ジョン: 電子戦なら負けないのだよ。

ヴァレリオ: ここまでお膳立てされて失敗するわけにはいかないな。<知覚>で判定!(ダイスを振る)16+2で、18!

GM: 進行度が2上がりました。残りは3ですね。


 ●第二ラウンド

GM: では、2ラウンド目のセットアップ!

ゆいか: ……GM、今戦ってるトコって、高速道路上なんだよね?

GM: そうですね。登場する?

ゆいか: うん!(ダイスを振る)58%まで上昇! そして驚きます。……まだ生きてる!?

ヴァレリオ: それはどっちに対して……?

ゆいか: もちろんUGNの皆様に対してですよ(笑)。私は、全員から離れた茂みの中に伏せています。今まで来た雑魚共とはちょっと違うのかな、って思ってる。

GM: でも、見てるだけ(笑)。

ゆいか: うん。もう少し力を見極めないと。

ヴァレリオ: ……こっちのメンバーって、ゆいかさんのこと知ってるのかな?

GM: 実は、四方山市内の支部の様子は一切把握出来てないんです。電子的に封鎖された状態で、直に送り込んだエージェントは全部“雷雲”に撃退されてしまっているので、どんなエージェントが生き残っているのかすら、分かりません。

ジョン: じゃあ、滅んでると思ってるかもしれないんだ。

GM: まあ、そうですね。ただ、“光の防護陣”というイリーガルが生き残っているということは、確認出来ている状態です。

ヴァレリオ: なるほど……。じゃあゆいかさんの存在すら、知らない状態か。

GM: ちなみに、戦闘中に情報収集をして、彼女の情報を調べることも可能です。

遊馬: OK! じゃあ、セットアップの続きですね?

ヴァレリオ: 自分はマジェスティコート! 自分とジョンの行動値が3上がります!

ジョン: 私の行動値は13なので、16になる。

GM: ゆいかさんの行動値は?

ゆいか: 15ですー。

GM: じゃあ、ヴァレリオ、ジョン、ゆいか、“雷雲”、遊馬の順ですね。……! ハプニングチャート忘れてた!

ヴァレリオ: そういえば!

GM: このラウンドから採用ってことでー。(ダイスを振る)69。「消耗を伴う作業」。このラウンド中に進行判定を行ったキャラクターは、判定の直後に1D10点のダメージを受ける。ということで、“雷雲”がFS判定の隙を突いて電撃を放ってきます。

ゆいか: ですよねー。

GM: ってところで、ゆいかさん! 例外的に<知覚>の対決をさせてください。(ダイスを振る)18!

ゆいか: はーい。(ダイスを振る)9。一応伏せてはおくけど、“雷雲”には気付かれてるんだろうなーって思う。

GM: では、イニシアチブ! 19のヴァレリオから!

ヴァレリオ: FS判定しまーす!(ダイスを振る)20いった! これで進行度は5だ!……そして1D10のダメージ(ダイスを振る)1! 被害も最小限で済んだ(笑)。

GM: 周囲の状況を把握して、うまく“雷雲”の視界から逃げながら逃走する経路を想定することが出来ました。

ヴァレリオ: では遊馬とジョンに、俺があいつを引きつけるから、お前らは先にあっちに逃げろ! と言いつつ、ナイフで応戦する。


 ヴァレリオが(うま)く“雷雲”の攻撃をナイフでいなしながら、UGN関係者の三人は、徐々に撤退していく。

――――そして、“雷雲”とゆいかの視界から、三人の姿が見えなくなった。


02 “柘榴石の巫女”      シーンプレイヤー:九重ゆいか


GM: ということで、ゆいかさん一人が残っているわけなんですが、撤退戦を繰り広げていた彼らについていきますか? それともここで会話しますか?

ゆいか: (ダイスを振る)会話していこうかな。

GM: (ダイスを振る)はーい。

ゆいか: 隠れていた茂みから立ち上がる。――――初めてじゃない? 逃げられるなんて。

GM: 「お前が口を出してきたのも初めてだな。」

ゆいか: (悔しそうに)今までそんな暇なかったじゃない。一撃で全部仕留めてきたくせに……。

GM: 「……言いたいことがあるなら聞こう。」

ゆいか: “光の防護陣”が言っていたのよ……これが最後のチャンスだって。――――あなたから逃げ切った彼らに賭けてみるのもありだと、私は思ってるわ。

GM: 「……俺はUGNを許すことは出来ない。」と言うと、“雷雲”は去っていく。

ゆいか: “雷雲”を見送ります。

GM: というところで、ふと気付くと、君の横の瓦礫の上にちょこんと座った“柘榴石の巫女”が「行っちゃったね。」と、声をかける。

ゆいか: ミコ……。GM! ここで私はRハンドアウトを公開します! ――――ミコ、大きな契機って、これのこと?


【九重ゆいか用 Rハンドアウト】

シナリオロイス:“柘榴石の巫女ガーネットグレイス”ミコ


 “柘榴石の巫女”ミコは、雷雲と行動を共にするRBである。

彼と彼女の間にどんな関係が築かれているのかは定かではないが、UGNに対して憎悪を向ける雷雲に対し、ミコはたしなめるでもなく、ただ見守っている。

さすがRBと言うべきか彼女には不思議な力がある。

行動を共にしていた頃、彼女の予言めいた一言に救われた場面は1度や2度ではなかった。

最近彼女に会ったとき、こんなことを言われた。

まもなくこの土地にとって大きな転機が訪れる。貴女が"ねがい"を果たすなら、そのときしかない、と。

3年間探し続けた黒幕の手がかりは、まだ何も無い。しかし、彼女が言うのであれば、あるいは……。


情報項目:“柘榴石の巫女”ミコについて


GM: 「(少し首を傾げて)……布石。」

ゆいか: (困った顔になって)相変わらず分かりにくいなぁ……。

GM: すると、彼女はちょっと微笑んで、全く会話は繋がっていないんですが、「(不思議そうに)まだ復讐を続けているの?」と聞いてくる。

ゆいか: もちろん。

GM: 「(こくりと頷いて)でも、私は本当は変わって欲しい。」

ゆいか: ……決着を、つけたいのよ。

GM: 「なら、貴女のことももう少し見守りたい。……転機が気になるんなら、その時がきたら教えるわ。」

ゆいか: (にこりと笑って)わかった。


 そのゆいかの答えを聞くと、ミコは瓦礫の上からぴょんと飛び降り、ふらふらと何処かへ向かって歩いていってしまった。

           ◆        ◆        ◆

GM: ということで、“柘榴石の巫女”ミコについて、皆さんも調べることが出来るようになりました!

一同: はーい。

GM: あと!! これ大事なことなんですが、PC全員のシーンプレイヤーが一周したところで、再び“雷雲”の襲撃がありますので、よろしくお願いしますー。

ゆいか: ってことは、あとUGN三人組のシーンが終わったら襲撃か。

GM: ですね。最後にシーンを作った人のところに、シーンは変わらずに、“雷雲”が襲撃に来ます。


03 ミコ                       シーンプレイヤー:九重ゆいか


GM: で、ここでゆいかさんの回想シーンになるんですが、いくつか選択肢があります。

ゆいか: ほう。

GM: 1.ミコと出会った頃。2.“Amon”を倒した頃。3.つい先日。どれがいい?

ゆいか: じゃあ、2で!

GM: では、4人で“Amon”を倒したときの記憶です。


 三年前。

“雷雲”を切り込み隊長とし、“光の防護陣”が防御を、“柘榴石の巫女”が支援を行い、撃ちもらした敵の掃討をゆいかが担当するという布陣で、賢者の石を使った実験をしようとしてUGN支部を破壊したFHセルリーダー“Amon”を討伐しようとしていた。

「……これは俺の個人的な事情だ。無理についてくる必要はない。」

無感情に言う“雷雲”の後ろに、ミコがついていく。

「……“Amon”のせいで、おねえちゃんは死んだんだ。だから――――あいつは倒さなきゃ。」

瞳に暗い炎を湛えながら言い、ゆいかはそれに続く。

「これ以上、FHの好きにさせておくわけにはいかない。何が起こるか分からないからね……。」

神妙な顔で呟く“光の防護陣”。

 だが、“Amon”が何処に居るのかが全く分からない。

“雷雲”が電子的に捜査をしても足取りが掴めず、行き詰った空気が流れる中、ミコがふらっと立ち上がり、ディスプレイの前に行くと、“雷雲”に話しかけた。

「地図、出して。」

“雷雲”が地図を表示すると、ミコはその一点を指して、確信に満ちた声で言う。

「ここに居るよ。」


ゆいか: ――――ホントに?

GM: 「あと二時間。二時間の間、彼はここに居るわ。」

ゆいか: …………。

GM: “雷雲”はそれを聞くと、何も言わずに立ち上がりますね。

ヴァレリオ: (“光の防護陣”になって)「(ゆいかに)僕達も、行こうか。」

ゆいか: (ため息をついて)ま、他に手がかりがあるわけでもないしね。

GM: というところで、ここで“柘榴石の巫女”について情報収集が出来ます。技能は<情報:UGN>か<知識:RB>。

ゆいか: <知識:RB>で!(ダイスを振る)9!

GM: この情報は、達成値6から始まって2刻みで最大目標値14まで情報項目があります。

ゆいか: 財産ポイント1点使って10にする!!

GM: では、以下の情報が開示されます。

 ・“柘榴石の巫女”はRBである。

 ・彼女は常に“雷雲”と行動を共にしている。

 ・彼女は賢者の石の欠片を母体とするRBである。


ゆいか: へー……。

GM: という情報を全員で共有していたことにしますね。


 ミコの確信に満ちた表情を見て、“光の防護陣”が呟く。

「賢者の石の欠片である彼女であれば、賢者の石の在り処もわかるのかもしれないね。」


ゆいか: ……そうかもしれないわね。


 ミコの言を信じることにした四人は、ミコが示した場所へと向かった。

途中に出てくる元UGNやFHのエージェント達を、“雷雲”が雷撃で蹴散らし、ミコがその後をついていきながら支援をする。“光の防護陣”が相手の攻撃を防御し、雷撃で倒れなかったエージェントには、ゆいかの弾丸が撃ちこまれていく――――。

そうして辿り着いたその場所には“Amon”がおり、大掛かりな装置を使って、儀式にも見えるような、何らかの実験を行っているところだった。

「邪魔をするな、“雷雲”ォォォっっ!!」

“Amon”は血走った目で叫びをあげる。

そのまま戦闘に入った四人だったが、ここまでで相当の無理をしていた“雷雲”は“Amon”に対して決めの一手を打てず、致命傷をくらってしまった。


ゆいか: “雷雲”が倒れたのを横目に見ながら、全力の一撃を撃ちます!


 ゆいかの放った弾丸が、吸い込まれるように“Amon”の身体に命中する。

「こんな……ところで……! 俺には…………っ」

怨嗟の声をあげながら塵となって消えていく“Amon”。

その後に残ったのは、愚者の黄金(デミクリスタル)――――人工レネゲイドクリスタルの失敗作だった。


GM: 君にミコが話しかけてきます。「前に言ったとおり。あなたの手で倒せたね。」

ゆいか: (拍子抜けしたように)これで、終わり……?

GM: 「(首を横に振って)ちがう。まだ“黒幕”がいるわ。」

ゆいか: どういうこと!?

GM: 「彼は操作されていただけだから……。」

ゆいか: ――――……そう。(踵を返して)じゃあ私、やることが出来たから……。と、一人、“黒幕”を探しに行く。

GM: そんな君を“光の防護陣”が追いかけます。

           ◆       ◆       ◆

遊馬: GM、この後、もう一回ミコについて調べるときって、何かボーナスとかある?

GM: 一度判定した情報項目について、次に判定するときには+2のボーナスが入ります。で、各自、1シーンに一回しか情報収集判定は出来ませんので、よろしくお願いします。

一同: はーい。

GM: そしてここで「“Amon”について」が調べられるようになります。


04 接触      シーンプレイヤー:ヴァレリオ・アルファロメオ


GM: では、ミドルの3シーン目です。支部長さんのシーン!

ヴァレリオ: では、登場(ダイスを振る)!

遊馬: 俺も出るぜ(ダイスを振る)!!

ヴァレリオ: とりあえず、攻撃からは逃げたけど……。

GM: ちなみに、“光の防護陣”からの合流ポイントの連絡は、もらってました。

ヴァレリオ: じゃあ、そこに向かおう。まずは合流しないと。

ゆいか: はいはーい! 私は既に合流ポイントに立っています(ダイスを振る)……!?

遊馬: トバしてるなー。侵蝕率すごい上がったね。

ゆいか: 現在侵蝕率77%だ、ぜ!(笑)

GM: 大丈夫? 結構シーンあるんだけど……。

ゆいか: ん。頑張る!(笑)


 ヴァレリオ達2人が“光の防護陣”から指定された合流ポイントに行くと、そこは更地にされたまま工程が中断している、工事現場だった。

工事現場の端には廃材が積まれており、奥のほうには、電子ロックのついた事務用と思われる小屋が立っている。

立ち入り禁止と書かれてある工事用の目隠し板を少しずらして中に入ると、そこにはポニーテールの若い女の子が一人、立っていた。

ヴァレリオ達には知る由もないが、ここにはかつて、UGN四方山市支部が存在していたのだ。


遊馬: 俺はその女の子を見つけると、右手の人指し指を拳銃の銃身に、トン、トンと当て始めます。

ヴァレリオ: なんでこんなとこに女の子が!?

遊馬: ……まあ、“光の防護陣”からの使いと考えるべきだろう。(ゆいかに)まずは自己紹介といこうか。俺の名前は“種馬”。UGNのエージェントをやっている。そして――――(ヴァレリオを見る)。

ヴァレリオ: 俺は“澱む紅”と呼ばれている。これからこの町の支部長になる予定の人間だ。

ゆいか: ……イリーガルの九重ゆいか、よ。(《ハンドレットガンズ》で銃を作り出して)“雷雲”から逃げ延びたから、雑魚ではないと思うんだけど……ちょっと確かめさせて? と馬鹿でかい銃で範囲攻撃します!

GM: えぐい!(笑)

遊馬: いいぜ。達成値を出しな。(←《守りの弾》の構え)

ヴァレリオ: 俺は遊馬が守ってくれるの分かってるから、余裕で煙草をふかしていよう。

ゆいか: じゃあ今回は小手調べということで、《ギガンティックモード》だけ……(ダイスを振る)よし、1個クリティカル!

遊馬: 《支配の領域》! そのクリティカルしたのを1に変更!!

ジョン: シナリオLv回のエフェクト、ここで切るの!?

遊馬: うん、切るよ。格好つけたいんだ!!(笑)

ゆいか: じゃあ、13で止まったよ。

遊馬: 《原初の緑:守りの弾》《リフレックス:ウロボロス》!(ダイスを振る)16!!


 挨拶もそこそこに突然銃を作り出したゆいかに対して、遊馬は迅速な対応をした。

彼女が作り出した大きな拳銃自体を、銃弾で打ち砕いたのだ。


ゆいか: ――――! ……なるほどね。と、殺気が少し和らぎます。

遊馬: (目を細めて)あまり人をなめるな。――――いや、違うな。そうせざるを得なかった、ということか。……ヴァレリオ、後は頼む。

ヴァレリオ: 嬢ちゃん。俺達は此処に来てからあまり時間が経っていないんだが……アンタは一体何者だ?

ゆいか: “光の防護陣”と知り合い――――と言えば分かる? ということでGM。ちょっとここで、白石さんにロイスをとりたいです!

GM: はい、OKですー。

ヴァレリオ: ……まあ、もうすぐ“光の防護陣”が来るはずだから、そういうことなら君も同席して――――。

遊馬: ヴァレリオ。まだそんなことを言っているのか?

ヴァレリオ: ?

遊馬: “光の防護陣”は、来られない可能性が高いんじゃないのか?

GM: というところで、ゆいかさんには分かるんですが、彼は君を調査にかませないようにしていたので、彼があんな連絡をしてくるのは非常に稀なんです。

ゆいか: ふむ。

GM: なので、遊馬の発した危惧の言葉を聞いて、不安を覚えてください。


 “光の防護陣”は来ないんじゃないのか――――?

遊馬の言葉に、ゆいかはふと不安を覚える。

自分の調査にゆいかを関わらせないようにしていた白石が、わざわざ連絡をよこして、「行けないかも知れない」から「迎えに行ってくれ」と頼んだ。

つまりそれは――――……。


ゆいか: …………。

遊馬: ここで問題なのは、“光の防護陣”と合流した後に、何をするかだ。ヴァレリオ。俺達は俺達で、この街の脅威を取り払うために動くんだろう? なら別に、わざわざ“光の防護陣”と合流する必要はない。

ヴァレリオ: …………。

遊馬: それより――――攻撃能力の高い、このお嬢ちゃんと合流した方がいいと思う。

ヴァレリオ: 面白い意見だが……まあ、こんなところで立ち話もなんだから、落ち着ける場所に行こうか。

ゆいか: UGNエージェントのあなた達に、この市で落ち着ける場所があると思う? ……UGN支部でさえこの有様なのに。

ヴァレリオ: (工事現場を見渡して)……支部?

ゆいか: 正確には、元・支部。

ヴァレリオ: “種馬”、問題が起きた。――――寝る場所がない。

遊馬: とりあえず脅威を取り払えば、寝る場所なんていくらでもあるだろう?

ヴァレリオ: お前、意外と頭いいな。

遊馬: …………ヴァレリオ。お前、今まで寝る場所もないような所で戦ってきたんじゃなかったのか?

ヴァレリオ: バカ野郎! 戦うためには、安息も必要なんだ!! 寝たり食ったりもなしに、戦い続けられると思ってんのか!?

GM: 外国人と日本人の会話だわー(笑)。

遊馬: ……君の言い分はよくわかった、ヴァレリオ。じゃあ寝る場所を確保するために、状況を整理しよう。

ヴァレリオ: おう。この街に入った俺達は“雷雲”の攻撃から、どうにか逃げ延びたわけだ。

遊馬: で、だ。何故“雷雲”があんなことをしていたのか――――? ……実はな。と、俺はここでRハンドアウトを公開します!


【遊馬九十九用 Rハンドアウト】

シナリオロイス:“雷雲”御堂健


 “雷雲”御堂健、彼は君と共に何度も困難な任務を乗り越えてきた戦友である。

彼は自分にも他人にも厳しい無骨な男だったが、同時に不器用な優しさを持つ、暖かい人物だった。

そして何より、"日常"を守るために、自らの命を賭す事をいとわない男だった。

彼がUGNに反旗を翻したというのなら、何か事情があるはずだ。

そういえば、コードウェル博士の帰還がある少し前、結婚したという絵葉書が届いたことがあった。

……彼の細君は、どうしているのだろうか?


情報項目:御堂(旧姓:菅野)未央子(みおこ)について


遊馬: 奴があんなことをするのには、必ず理由があるはずだ。UGN自体を憎んでいるのか、この市にUGNを入れたくない理由があるのか……。

ヴァレリオ: …………。

遊馬: 奴自身について調べられることは少ないだろうが、少し違う方面から探りを入れてみようと思う。

GM: ちなみに「“雷雲”について」と「四方山市について」は、調べられますよー。

遊馬: OK。それも調べなきゃな。

GM: あとは、ゆいかさんのRハンドアウトで“柘榴石の巫女”についても公開されてるけど……。

ゆいか: 別にわざわざ伝える動機もないから、言わないかなー。

GM: ってことになるよね、まだね(笑)。

遊馬: ――――奴には、御堂未央子という奥さんが居た。そっちの方面から調べてみよう。技能は?

GM: <情報:噂話>か<情報:UGN>か、<知識:学問>です。

遊馬: じゃあ<情報:UGN>で!(ダイスを振る)11……だけど、まだ上の情報ある?

GM: ない。最大目標値は10だね。以下の情報が出ます。

 ・UGNの研究者だった御堂未央子は3年前のUGN支部壊滅の際に死亡している。

 ・御堂未央子は賢者の石に宿る意識(賢者の石は、以前の所有者の意識を記憶することがある)についての研究をしていた。

 ・彼女の研究の成果は、RBに関する研究成果と、内容が酷似する部分がある。


GM: ということで、ここで新しい情報項目が開示されます。「賢者の石の研究について」です。

遊馬: ほー……。彼女の方面から、直接“雷雲”の現在の動きに通じそうな情報はなかったな……。

ヴァレリオ: 自分は、まだ開示してない自分の「Rハンドアウトにある情報項目」を調べたいと思います。

GM: OK。技能は<情報:UGN>か<情報:企業>です。

ヴァレリオ: じゃあ<情報:UGN>で!(ダイスを振る)……7、か。

GM: 8で情報出てきますよ。

ヴァレリオ: では、財産ポイントを使います! 8!!

GM: じゃあ、君にはこういう状況が見えてきます(と、ヴァレリオに情報項目を見せる)。

ヴァレリオ: なるほど……。

ゆいか: じゃあ、さっき遊馬が調べた内容から、3年前の事件が絡んでることに予想がつくから、私は「“Amon”について」を調べようかな。

GM: <情報:UGN>か<情報:FH>ですね。

ゆいか: <コネ:要人への貸し>を使って<情報:UGN>で調べます!(ダイスを振る)クリティカルして、22!!

GM: マジで!? ……君の3年間の調査の結果が出たよ。

ゆいか: やった!

GM: 以下の情報が分かりますね。

 ・“Amon”の本名は栂野(つがの)(こう)(へい)

 ・キュマイラ/モルフェウス。《知恵ある獣》で、武装して戦う戦闘スタイル。

 ・かつて、“雷雲”と並び称される優秀なエージェントだった。

 ・UGNの使命に対して忠実な人物だったが、FHとのいざこざで家族を失った。

 ・その事件には、UGNの不手際が絡んでいる。

 ・その事件とは、賢者の石への適合性を持っていた彼の家族が、FHに狙われ実験体にされたというものだったが、UGNとしてその事態を収拾するには、彼の家族を殺すしか、方法がなかった。

 ・表向きの命令は出ていないが、結果的に絶体絶命の状況下でUGNに家族を見殺された栂野は、一度UGNを抜け、その後FHセル“ストレイシープ”のセルリーダーとして帰って来た。

 ・栂野は彼の家族が殺された事件に関わった自分の仲間を懐柔し、彼のセルに引き込んだ。

 ・折しも、世間ではコードウェル博士の帰還が公のものとなり、元々栂野の件でわだかまりを抱えてしまっていた四方山支部の中で、「やはりUGNは間違っている」と考え、支部から離反した者が数多く居た。

 ・そんな中、最後まで抵抗し続けようとしていたのが“雷雲”だったのだが……。


GM: ここで「3年前“雷雲”に何があったか」という情報項目が開示されます。で、更に“Amon”の情報です。

 ・ゆいか達が倒したときに彼が行おうとしていた実験は、UGNから奪取した賢者の石の意識の保存についての研究結果を元にした、賢者の石による死者――――彼の家族の復活だった。

 ・当時の研究の流れでは、他者の身体に賢者の石の中の意識体を埋め込む方法をとっただろうと思われる。


GM: ってな感じ。まあ、これは3年前の、もう終わった事件ですけどね。

ゆいか: そうだね。

遊馬: じゃあ、調べた情報の話をしよう。実は、奴にはな――――。

ヴァレリオ: (遮って)……まあ、そういう話は、ゆっくり出来る場所でしないか?

GM: というところで、<知覚>判定をしてみてもらっていいかい?

遊馬: (ダイスを振る)10だぜ!

ゆいか: (ダイスを振る)9だよ。

ヴァレリオ: (ダイスを振る)14!!

GM: じゃあヴァレリオは、工事現場の隅っこにある、電子錠のかかった小屋がクサいなと思った。

ヴァレリオ: お?

GM: 様々なUGN支部を見てきた君は気付くんだが、大抵の場合、UGN支部には地下施設が存在している。

ヴァレリオ: ほう!

GM: で、元UGN支部があった場所であるここに、鍵のかかった扉がある――――ということは、中を見ておいて損はないんじゃないかと思った。

ヴァレリオ: なるほどね。じゃあ軽く扉を叩いて、(遊馬に)ここの中……とかな?

ゆいか: そこ、鍵かかってるけど。

GM: 開けるなら、<知識:機械工学>で難易度8です。

ヴァレリオ: (ダイスを振る)……失敗(笑)。

ゆいか: ほら、入れないでしょ?(笑)


 そのとき、電子錠のかかった扉が、中から開いた――――。


05 別離                      シーンプレイヤー:遊馬九十九


GM: というところで、遊馬の回想シーンです。1.共に戦っているシーン、2.彼と別れるシーンとどっちがいい?

遊馬: 2で!


 支部の休憩室でコーヒーを飲んでいた遊馬の元に、いつもの仏頂面で“雷雲”がやってくる。

だが、その仏頂面がいつもと違うと感じ、遊馬は声をかけた。


遊馬: どうした? 不景気そうな顔をして。

GM: 「(ふっと笑って)ああ、参ったね。遂に俺も年貢の納め時だ。」

遊馬: (嬉しそうに)そうか! 年貢の納め時かぁ!! ――――ん? つまり、あの研究者の……何ていったっけ?

GM: 「(仏頂面のまま)……お前に伝えたことは一度もない。どこから聞いた?」と、君の隣に腰を下ろす。

遊馬: いや、そりゃあ職業柄な? 情報収集は俺らの仕事じゃないか。

GM: 「下世話な奴だ。」と言いながら、口元は笑っている。(一同笑)

遊馬: (にやにやしながら)そうかぁ。しかしついに……かぁ。

GM: で、その研究者なんですが。実は、先日君が彼と一緒に助けた人物でした。

遊馬: ほう!


 三ヶ月前。

賢者の石をかき集めていたFHの魔の手が、研究者である菅野未央子に伸び、彼女の身柄とその研究成果を守る任務を、遊馬は“雷雲”と共に達成。FHエージェントを撃退していた。


遊馬: いつの間に……! ……そうか。このN市の種馬と呼ばれた俺を差し置いて……。

GM: 「だからいつまでも結婚出来んのだ。」

遊馬: くそう……水樹に泣きついてやる(笑)。

GM: 「彼女には、本当に本気なのか?」

遊馬: それを言われると、なぁ……。ああ、コーヒーがなくなってしまった。――――もう一杯飲むか。

GM: 「……俺の奢りだ。」と、カップベンダーでコーヒーを一杯買って渡してくるね。「もし本気なのだったら、すぐにでも口説いてやれ。」

遊馬: 毎晩毎晩口説いてるぞ?

GM: 「そうか……だからか。」(一同笑)


 “雷雲”によると、未央子が今度、賢者の石研究の中心地になりつつある四方山市支部に転属になるらしい。

彼自身も戦闘用エージェントとして同支部に異動になるそうだ。

そのため、結婚式を挙げるのは、四方山市でということになるのだという。


遊馬: そうか。……暇だったら行くよ。――――どうせ暇じゃないだろうけどな(笑)。

GM: 「期待はしていない。葉書の一枚でも送りつけてやるさ。」

遊馬: ああ、待っているよ――――。


 そんなことを思い出しながら、遊馬は手元にある一枚の絵葉書を見つめる。

そこには照れたように笑う未央子と、仏頂面ではあるものの満更でもでもなさそうな“雷雲”の姿が写っていた。

その“雷雲”の顔に、先刻、遊馬達を襲撃してきたときの“雷雲”の姿が重なる。


遊馬: ――――全く、あいつに何があったんだか……。


06 四方山市       シーンプレイヤー:ジョン・アダムス


 電子錠の扉が中から開き、そこから出てきたのは――――本部エージェントのジョン・アダムスだった。


GM: では、さっきのシーンの続きになりますね。全員登場かな。

一同: はーい。

遊馬: もう87%だよ!

ゆいか: 私は89%。似たようなもんだな。

ジョン: 俺は53%だ。

ヴァレリオ: 自分は61%ですね。……差がありすぎる(笑)。

GM: おかしいなー……(笑)。

ゆいか: 登場侵蝕率が高すぎるんだよねー。

遊馬: まあ、しょうがないよ!

ジョン: じゃあ、扉を開けて――――おお、どうした。合流は二時間後のはずだったが?

ヴァレリオ: なんでお前がこんなとこに居るんだ!?

ジョン: ……紅茶が入っている。中で飲まないか?(一同笑)

遊馬: お、おう……。

ゆいか: 電子錠をいとも簡単に外して、中でくつろいでるなんて……すごい人だ(笑)。PC間ロイスを□有為/不信感で結びます。

ヴァレリオ: では、ついて行こう。

GM: では、支部の地下施設に到着しました。


 ジョンに先導されて地下に降りた三人。

そこには、スタンドアローンの端末が生き残っていた。


GM: ということで、ここで<情報:UGN>の調査をすると+2の修正がかかります。

ジョン: おお!

GM: ただ、ここに居続けると、“雷雲”が乗り込んで来ることがあるので気をつけて。

ジョン: ああ。ここに乗り込まれてしまうと、端末が壊れてしまう、と。

GM: はい。壊れます。ちなみに、この端末を使ったことは、“雷雲”には丸分かりです。

ジョン: じゃあここで、《セキュリティカット》で“雷雲”に調べてることが分からないようにする!

GM: お、マジで? じゃあ<RC>で対決だね! こちらは《タッピング&オンエア》で。ただ、“雷雲”はシーンには登場せずに、“雷雲”相当ということで振りますね(一同笑)。

ゆいか: まさかの、人物相当品ルール(笑)。

GM: だって、シーンに登場したら襲撃しちゃうもん。

遊馬: ああ、確かに。

ジョン: (ダイスを振る)15!

GM: (ダイスを振る)こっちは、27!


 《セキュリティカット》を利用して外部情報を遮断しようとしたジョンだったが、いくつか、非常に強い抵抗があり、どうしても切れない回路が存在した。


ジョン: どうやら日本にも、手錬(てだれ)がいるようだ。私は認識を改めなければならないな。――――さて、ここを使えば、ある程度の情報を得ることは出来るが、奴には筒抜けになる。

遊馬: つまり、奴に伝えたい情報をここで調べればいいってことだな。3年前の事件について調べた方がいいだろう。

ゆいか: ……あいつに知らない情報はないと思うよ?

ジョン: まあ、もしかしたらってこともある。ってことで、調べちゃうよ?「四方山市について」!

ヴァレリオ: お! なら、さっき調べたことで、言っておきたいことがあるんだ。と、ここでRハンドアウトを開示します!


【ヴァレリオ・アルファロメオ用 Rハンドアウト】

シナリオロイス:“光の防護陣”白石賢治


 現地協力者である“光の防護陣(ルミナスコート)”白石賢治は、実は神城グループの工作員なのだという。

神城グループは現在、コードウェルの帰還により組織力の低下したUGNとの協調路線をとってきた、会長・神城皐月の発言力が落ち、レネゲイドを企業利益のために活用すべきとする、反会長派の台頭を許している。

そして、反会長派の持つ最大の切り札が、"賢者の石"の産地である、四方山という土地だ。

つまり、四方山は反会長派の膝元であり、そのためにUGNに対する協力が望み難い場所であるのだ。

白石賢治は会長派の工作員であり、長く四方山で反会長派の動向をうかがってきた、いわば企業内スパイである。

彼の協力は、四方山支部の再建に無くてはならない要素といえるだろう。


情報項目:四方山と神城グループについて


ジョン: ここが産地だったんだ……。

ヴァレリオ: で、さっき調べた情報なんだが……。

・実質、四方山市は神城グループが支配している。

・ほとんどの公共機関や警察にまで睨みをきかせており、そういった方面からも協力を取り付けるのは難しいと思われる。


GM: つまり、神城の反会長派としては、消極的非協力を貫いています。なるべく関わらない……って感じ。

ゆいか: なるほどー。

GM: なので、UGNが外堀から何かをやろうとすると神城グループが止めちゃって、直接何かしようとすると、“雷雲”が止めちゃうという状況に、今の四方山市はなってます。

ジョン: ――――やれやれ。だから霧谷は甘いというのだ。こんな危険なものならば、軍を使ってでも接収してしまえばいいものを……。

ヴァレリオ: どうやらこの市は、一筋縄ではいかない町のようだな。

ゆいか: 我が町のことながら、ほー……って思いながら聞いてる(笑)。

GM: そっち関係の情報は、白石が全部握ってて、ゆいかには伝えてないからね。

遊馬: じゃあまず俺が、「“雷雲”について」を調べようか。

GM: えと、この項目については、実はさっきのシーンでほぼ出切っているので、ちょっと喋っちゃいますね。

 ・過去、霧谷直属だった元UGNエージェント。

 ・自らの身体に機械化措置を施し、RCに特化したブラックドッグ/オルクス。

 ・四方山市への配属は、賢者の石の産地である四方山市のUGN支部が、賢者の石に対して神城重工との共同研究を開始して、支部が拡大したため。


GM: ということで、これを前提に「三年前“雷雲”に何があったのか」を調べていいです。最大目標値は12。

遊馬: お! OK! <情報:UGN>を使って(ダイスを振る)21!!

GM: はい。

 ・“Amon”が研究結果を奪取しに来た襲撃事件があり、その際に狙われたのが、研究者である御堂未央子だった。

 ・“Amon”は御堂未央子を連れ去ろうとしたが、彼女は、混乱したUGNの施設から避難する際に、流れ弾に被弾して死亡した。

 ・そのため、“Amon”は研究成果のみを奪取して撤退した。

 ・当時、最先端の賢者の石の研究をしていた四方山市支部は、彼女の知識の流出を防ぐために、流れ弾に見せかけて「殺した」。

 ・支部としては、賢者の石の産地である四方山市をFHの手に落ちることを防ごうとした。

 ・“Amon”が奪取した研究成果は、3年前に“Amon”を倒した際に“雷雲”が破棄した。


遊馬: じゃあ次に、なんで“雷雲”はまだこの町に居座って、ここを守ろうとしているのか、理由を知りたいね。

ヴァレリオ: あとは、この後ろにいるだろう黒幕のことかな。

遊馬: そうだね。

ゆいか: …………。

ジョン: 神城グループのやろうとしていることは、“雷雲”の気持ちに反しているような感じがするが、今のところなんとなく神城グループと“雷雲”は、協調路線をとっているように、外見的には見える……と。それは何故か?

遊馬: それについても調べられると思うよ。

ジョン: ただ、それは“雷雲”には伝わらない方がいいと思うんで、やっぱり私は「四方山市について」を調べよう。

GM: <情報:噂話>、<情報:企業>、<知識:社会科>かな。最大目標値は12で。

ジョン: じゃあ<知識:社会科>で! (ダイスを振る)お! 4つもクリティカル! 23!!

GM: ……実は四方山市についても、ほぼ重要な情報が出切ってるので、四方山市に関する最大目標値の12を今回の達成値から引いた、目標値11の分まで、四方山市の上にある情報項目2つの内、欲しい方の情報を出します。

ジョン: お、はーい。

GM: まずは、四方山市のことを。

 ・四方山市は、江戸時代には岩塩くらいしか名産のない、寂れた土地だった。

 ・明治時代には新たな街道が作られ、天然温泉があったこともあり、宿場町・療養地として栄えた。名物の、四方山饅頭が出来たのもこの頃。

 ・その後、療養地としては寂れていくが、日本で有数の活火山があったことから、神城重工の火山研究所が出来た。

 ・近年、神城の火山研究所がレアメタルを発見したことで企業城下町化が進み、実質的な市の支配権は現在、神城グループにある。

 ・現在UGN支部がないにも関わらず、レネゲイド絡みの大事件は起きた形跡がない。


ヴァレリオ: さて、誰が事件を片付けているのか……? ってとこか。

GM: と、ここで、情報項目が2つ開示されます。「四方山と神城グループについて(最大達成値12)」と、「四方山とレネゲイドについて(最大達成値14)」ですね。前者についてはヴァレリオが8まで出してる。さて、どっちがいい?

ジョン: 「四方山と神城グループについて」なら、達成値11で一番上まで出しきれるね。

GM: 一度調べた項目は、目標値が2下がるから、そうだね。

ジョン: じゃあ、そっちを全部開けちゃおう。

GM: OK。では、以下の情報が公開されます。

 ・レネゲイド絡みの事件が起きた際に対応するため、ティンダロスを重用している。

 ・ティンダロスは民間組織が設立した、人間の手による対オーヴァードの治安維持や警備を目標にした部隊。

 ・組織員が全て人間のため、元はオーヴァードに対して全く歯が立たない組織だったが、最近になって、オーヴァードに対処するにはオーヴァードの力が必要という考えに至り、トップがオーヴァードに変わった。

 ・現在はオーヴァードの能力や技術を積極的に取り入れようとしている。

 ・そんな中、ティンダロス四方山市支部に対し、神城グループが業務提携を行い、市内のレネゲイド関連事件に対処を行っている。

 ・ティンダロスの他に、市内でジャーム等が発生した場合、“雷雲”やUGNイリーガルの生き残りがことを収めている場合がある。


ゆいか: 私とか、白石さんだね。

GM: ですです。

遊馬: この市に、FHのエージェントは居ないの?

GM: 話が出てきませんね。

ジョン: UGNイリーガルが動くときに、依頼とかって来てるのかな?

ゆいか: ないと思うよ。各々が勝手に動いてる。

GM: そうですね。ジャームが発生したことを誰かが感知したときに、それぞれが出張って片付けてる感じ。

ジョン: 自警団がバラバラに動いてて、なんとか上手くいってるってことか。……ってことは、我々が入らないほうが実際、この町はバランスが取れている可能性はあるが――――。

遊馬: 賢者の石の研究をUGNが放置しちゃ、まずいんじゃないの?

GM: で、続きの情報ね。

 ・四方山で神城グループを取り仕切る重役は、反会長派。

 ・賢者の石の研究は未だ継続しており、研究成果が何らかの形で生み出され、利用されている可能性が高い。


GM: ここで、「賢者の石の研究について」という情報項目が開示されます。

ゆいか: さっき遊馬が調べた時にでた項目だね。

GM: うん。こっちのルートからも繋がった、と。

遊馬: しまった! これは、“雷雲”にも知らせるべきだった!

ジョン: なら、お前が“雷雲”にメールでもすればいいんじゃないか?

遊馬: ! そうか!! それもそうだね!!

GM: 君が自分宛にメール送るだけでも、“雷雲”は感知しますよ(笑)。

遊馬: これさー、“雷雲”と共闘して、神城グループと戦えないかな?

ジョン: ってことを、次の君のシーンで伝えちゃえばいいんじゃないか?

遊馬: そうねー。

ヴァレリオ: じゃあ俺は「賢者の石の研究について」を調べます。

GM: <知識:レネゲイド>、<情報:UGN>、<情報:企業>のどれかで! 最大目標値12です。

ヴァレリオ: <情報:UGN>で端末も使って+2!(ダイスを振る)11なので、財産ポイントを1点使って、12!!

GM: では、以下のことが分かります。

 ・UGNと神城は、基礎研究の成果を交換し合い、互いの研究に役立てていた。

 ・扱うものが貴重かつデリケートであったため、研究にあたってはUGNの基準を用いた厳格な規約が設けられていた。

 ・神城は工学的利用、UGNは賢者の石に意識が宿ることについて研究を続けていた。

 ・神城の最終目標は、賢者の石から無尽蔵のエネルギーを取り出す方法の確立。

 ・その研究過程で、様々な化学物質をローコストで精製する技術の開発に、早い段階で成功しており、近年発見されたとされるレアメタルも、この技術により「作り出された」もの。

 ・神城はその技術を内部で利用することで、この町での反会長派の影響力を強固なものとした。


遊馬: つまり神城は、レネゲイドの力を使った金稼ぎをしているわけだな!

GM: まあ、言ってしまえば。

遊馬: ってことは、レネゲイドの力を使って、普通の人間がどう頑張っても正当な競争にはならない程の利益を得ちゃってるわけで、UGNとしては看過できないな。

GM: となるので、UGN基準の厳格な規約が設けられていたわけです。

遊馬: しかし今、UGNはこの街に居ない。

GM: 居ないねぇ……。で、UGNの研究に関してなんですが。

 ・賢者の石の中にある意識を活性化させてコミュニケーションを図ろうという実験が、当時の最新のアプローチで、それが成功を修め始めていた。

 ・特定の手段を踏むことで、賢者の石の中にある意識と交流することが可能になりかけていた。

 ・その研究成果をFHに奪取されかけたため、躍起になって阻止した。

 ・“雷雲”と並び称される二台巨頭だった“Amon”がUGN内の凄腕エージェントを何人も引き抜いて反旗を翻したことで、四方山市支部としては余裕がなかったため、後手に回ってしまった。


GM: ということで、ここで「“柘榴石の巫女”ミコについて」の情報項目が開示されます。

ゆいか: あー……、なるほど。賢者の石のRBだもんね。じゃあここで、“雷雲”の傍にはミコっていうRBがついてるって話をしちゃおう。

遊馬: てことは、奴がUGNをこの市内に入らせないようにしてるのは、賢者の石の研究素体として彼女が使われてしまうことを嫌がって……って感じなのかな。

ジョン: そうかもね。

遊馬: ということで、今、賢者の石が研究されまくってますよーっていう情報を“雷雲”に流しつつ……ゆいかは何について調べる?

ゆいか: ミコについて、かな。最大目標値は12まで下がってるから、いけるはず!<知識:RB>で!

遊馬: それだと端末のプラス修正使えないけど?

GM: ちょっと待って! 研究データのほとんどが破棄されてるとはいえ、研究に利用されていたデータベースが生きてるかもしれないから、端末の修正使っていいよ。

ゆいか: お、やった! じゃあ<情報:UGN>で(ダイスを振る)11なので、財産ポイント1点使って、12!!

GM: では、“柘榴石の巫女”についての追加情報です。

 ・ミコは、UGNの研究者・御堂未央子の研究の結果、偶発的に生まれたRB。

 ・彼女は四方山市内のあらゆる賢者の石と、わずかながら意識の共有を行うことが出来る。

 ・また彼女は、物質に宿った記憶を読み取る力を持っている。

 ・ミコは、賢者の石とのリンクによって、現在賢者の石が置かれている状況を、何となく知覚することが出来る。


ゆいか: じゃあ、神城グループが賢者の石を研究してることは、既に“雷雲”も知ってるかもしれないね。

遊馬: そうだね。

GM: 更に情報が出てきます。

 ・ミコは人間とコミュニケーションが出来るほどに発達した意識を持っている。

 ・彼女は、人間と他の物質との違いを認識しておらず、人間と喋るのと同じ感覚で、物質とコミュニケーションがとれる。

 ・石や鳥などの自然界のものや、人が使っていた物とはコミュニケーション可能だが、機械ほどの複雑なものとのコミュニケーションは難しい。

 ・シンドロームはモルフェウス。


ゆいか: 《サイコメトリー》か……。

ジョン: さて……これでほぼ情報は出切ってしまったわけだが。

GM: 早いよねー。まだ一巡目だよ?(笑)

           ◆       ◆        ◆

遊馬: ――――さて、次のシーンでは“雷雲”の襲撃か。

ジョン: ちょっと思いついたんだけどさ、皆で火山研究所に行くってどう?

遊馬: いいかもね。火山研究所でもなりふり構わず襲ってくるようなら、神城と協調路線をとってないってことが分かるしね。

ゆいか: 折角襲撃に来てくれるワケだから、神城にぶつけちまえってか(笑)。

ジョン: ってことを話しているうちに、ヴァレリオと久々に仕事をしている感覚に懐かしさを覚えて、ロイスをとりまーす。□連帯感/食傷で。


07 神城       シーンプレイヤー:ヴァレリオ・アルファロメオ


GM: ということで、君は霧谷から呼び出されました。

ヴァレリオ: お、はーい。

GM: で、神城と四方山の政治的関連とかについて、注意を促される。

ヴァレリオ: ほう?

GM: 「今、神城グループは大変デリケートな状況にあります。――――例えば、今我々が四方山で、結果的に何か事件を起こしてしまった状態になるとします。」

ヴァレリオ: うん。

GM: 「その場合、反会長派は、これ以上UGNと手を結んでいられないということで、会長の追い落としとUGNの排除を本格的に進めるでしょう。」

ヴァレリオ: ふむ。

GM: 「今、重用されているティンダロスの実績が、四方山で発生してしまっているので、結果的にUGNの代わりにティンダロスが使えると言われてしまいます。」

ヴァレリオ: なるほど。

GM: 「なので我々は、そこで何か落ち度を犯した場合、完璧に払拭しきる必要があります。――――くれぐれも気をつけてください。」

ヴァレリオ: 了解だ。

GM: 「それともう一つ。白石賢治についてですが、彼とは暗号付きの手紙で、最低限の情報しか渡してきていないので、正直、何処まで信頼できるかわかりません。」

ヴァレリオ: …………。

GM: 「ただ、こちらから神城の会長派に確認をとって、彼が間違いなく会長派のスパイであるという裏は取れています。もう5年も前から潜伏しているのだそうです。」

ヴァレリオ: そうか。

GM: 「今回の件に関しては、あちらからの初めてのアプローチであり、今までとは違う何かが動き出そうとしているのは間違いないでしょう。」

ヴァレリオ: ……。

GM: 「彼も非常に難しい状況にあるでしょうから、気をつけてあげてください。」


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