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01

キャラクターデータの参照が不可能なため、データ無しです。

申し訳ありません。


※エンブレムデータを採用しています。

※レネゲイズアージを採用しています。

Pre Play


【シナリオトレーラー】

 世界は、既に変貌していた。

変貌した世界に大きな波紋を投げかけたコードウェル博士の帰還は、UGNに対して未だに深い爪跡を残している。

日本有数の活火山を擁する四方山(よもやま)市。

レアメタルの採掘により現代のゴールドラッシュと騒がれた街だ。

神城重工の企業城下町として発展を続けるその町に、UGNに対して牙を剥く者が居た。

元UGNエージェント“雷雲サンダークラウド”。

彼は壊滅した支部の建て直しに訪れたエージェント達を殺傷し、彼の制圧のために送り込まれた戦闘部隊は壊滅した。

コードウェル博士の帰還からはや3年……。UGNに突き立てられるその牙を押さえ込むべく、ついにUGN本部からのエージェントの派遣が決定した。

これに対し日本支部も本格的な支部の再建を掲げ、選りすぐりの人材を投入するのだった。

重暗い雲に覆われた四方山は、その奥深くに秘密を抱え、全てを見守るかのように今日も静かに佇んでいる……。


ダブルクロス The 3rd Edition     「The Tale of Yomoyama」


ダブルクロス――――。それは裏切りを意味する言葉。


GM: と、いうことで、四方山市についての補足説明です。

・四方山市は、内陸部に位置し、市の四方を活火山である四方山(よもやま)に囲まれた市。

・火山研究所を置いていた(かみ)(しろ)重工(じゅうこう)が、四方山でレアメタルを発見・発掘したことにより、企業として発展。

・それに伴い市自体も潤い、企業城下町として発展した。不景気をものともせず、徐々に都市開発を繰り返し、今では政令指定都市となっている。


ごん太(以下 GM): ってな感じですー。

一同: はーい。


【PC1用ハンドアウト】

シナリオロイス:“雷雲サンダークラウド御堂(みどう)(たける)


君はベテランのUGNエージェントだ。今まで様々な事件に関わり、そして解決し、失敗したとしてもその失敗を乗り越えてきた。

そんな君に今また困難な任務が言い渡された。

日本有数の活火山を擁する神城重工の企業城下町・四方山市にて、UGNに牙を剥き続ける裏切り者の元UGNエージェントを撃退し、支部の設立に寄与せよという任務だ。

君は新支部長と共に、四方山市へ向かう。

そこで待ち受けているのは、嘗てUGNが誇った歴戦の戦士、“雷雲”御堂健だ。困難な相手だが、乗り越えねばならない。


Mind(以下 遊馬): ということで、“種馬スタリオン遊馬(あすま)九十九(つくも)です。37歳、男。シンドロームはウロボロス/オルクス。で、経験で成り上がりというのを振ったので、UGN内で実力で成り上がったんでしょう。元々探偵とかをやろうかと思っていたんですが、今はもう心までUGNエージェントに染まっています。

かずさ: ダメなことなの?

遊馬: いや! 大丈夫だよ!! 俺はUGNエージェントだよ!!

GM: こいつ、最初にキャラ送ってきたときに、思いっきり現役で探偵やってるキャラ設定を送ってきたんだよ! 俺、UGNエージェント作ってねって言ったのに!!(一同笑)

遊馬: で、それ言われて、そういえばって思って、UGNエージェントだ! って書き直したんだー。

GM: 全く、相変わらず……(笑)。

遊馬: 出来ることは、《妖精の手》とか《支配の領域》とか《勝利の女神》での支援と、《守りの弾》で敵の攻撃を妨害するのと、《現実改変》で妄想を自分の意のままに操って、達成値を+20か-20かのどちらかをします。で、UGNエージェントのエンブレムで取った《サーチアイ》で、指定した敵一人からの攻撃に対するドッジに+2します。

おぐ: 《現実改変》って何回も使えるの?

遊馬: うん。但し、一回使う毎に【HP】を20点失うけど。

GM: アージエフェクトですね。衝動は妄想?

遊馬: です! ので、暴走すると、妄想の変異暴走で、行動値が-10されます。

かずさ: なんと……。

遊馬: ロイスの一人目は、師匠・一ノ瀬いちのせ晃一こういち。こいつも元UGNエージェントなんだけど、裏切ってFHに行った男です。自分に戦い方とか探偵の極意を教えてくれました。二人目は部下・長瀬(ながせ)水樹(みずき)。女の子で、彼女は俺に惚れています。最後はDロイスの守護者です。

GM: 部下、居たんだ? 探偵時代だけじゃなくて、エージェントとしての部下?

遊馬: 彼女は優秀なので、エージェントとしても部下です。

GM: エージェントとして「も」……? ってことはお前、やっぱりまだ探偵もやってんじゃねーか!?(一同笑)

遊馬: 探偵事務所はもう、閑古鳥が鳴いてるんで、水樹に全部任せっぱなしです。だから今、遊馬探偵事務所は長瀬探偵事務所に看板が掛け変わってるかもしれない。

GM: ……聞いておきたいんだけど、その部下は、浮気調査とかで「来ちゃった!」とか言って四方山市に来た方がいい?

遊馬: でもそうすると、……何!? 浮気調査? ということは最近四方山市に来た人間の調査……はっ! まさか俺の浮気調査か!? っていう妄想に取り付かれちゃうんで……。

GM: よし、うざいからやめよう(一同爆笑)。

遊馬: まあ、これ以上掘り下げても、“種馬”には何もありません。拳銃を持っています、以上。

GM: そうかい(笑)。では次ー。


【PC2用ハンドアウト】

シナリオロイス:“光の防護陣ルミナスコート” 白石(しらいし)賢治(けんじ)


君は霧谷直属のエージェントだ。ひょんなことから縁があり、UGNの世話になることになったのだが、君の活躍は目覚ましく、今では日本支部に無くてはならない存在であるとすら評されている。

そんな君に、辞令が下された。UGN四方山市支部長。それがたった今から君の新しい役職となる。今まで幾度と無く撃退され、死者すら出ているミッションである。

それを引き継ぐに当たって、現地協力者の名前が示された。“光の防御陣”白石賢治。UGNの協力者イリーガルだ。


GM: ということで、PC1と一緒に四方山市に行って、“雷雲”を撃退して支部を作るというのが、貴方の使命です。

パンダ(以下 ヴァレリオ):  はーい。ヴァレリオ・アルファロメオ、イタリア人の38歳。男です。コードネームは“澱む紅ロッソ”。エンジェルハィロゥ/ブラム=ストーカー。Dロイスで取得したブレードバレットをぶん投げて、放心とか装甲値マイナスを範囲に与えたり、UGN支部長のエンブレムで取ったマジェスティコートの効果で、セットアップで自分のエンゲージにいるメンバーの行動値に+3したりします。

GM: はーい。

ヴァレリオ:  元マフィアで、イタリアで一般人としてはそれなりに強い殺し屋をやってたんですが、策略に嵌って、間違えて恋人を殺してしまい、その後飲んだくれてたんですが、能力値に目をつけたUGNにスカウトされました。でも、犯罪組織に所属していた人間なので、現地ではなく、日本支部に所属することになりました。

GM: 第二の人生を日本で歩んでるって感じですね。

ヴァレリオ: ロイスは、恋人のロイスレーン。残ったもう一つのロイスは、PC間で取れない1か4に取りたいと思ってるんですが……。

GM: はい。そこでなんですが、世界を飛び回っているUGN本部エージェントさんがスカウトしたことにしませんか?

おぐ: OK!

ヴァレリオ: じゃあ、3つ目のロイスは、おぐさんのキャラにとっておきます。

GM: あとで自己紹介するから、名前はそのときに書いといて(笑)。じゃ、次いきます!


【PC3用ハンドアウト】

シナリオロイス:“柘榴石の巫女ガーネットグレイス” ミコ


君は四方山市で生きるたった二人のUGNイリーガルの片割れだ。

UGNの内紛とFHの介入により支部が壊滅した後、君は“光の防護陣”、“雷雲”、そしてレネゲイドビーイングである“柘榴石の巫女”と共に内紛の首謀者であったFHセルリーダー“Amon”を倒している。

しかしその時“柘榴石の巫女”はこういったのだ。彼を操作した真の黒幕は、まだこの街に居ると……。

君は未だに、この街で何処にいるとも知れない“黒幕”を探し続けている。


かずさ(以下 ゆいか):  えー、九重(ここのえ)ゆいかです。17歳の女の子。コードネームは“ドリンクレンジ”。ワークスが暗殺者で、カヴァーがUGNイリーガル。モルフェウス/ノイマンで、出来ることは《ハンドレットガンズ》で作った銃で、《急所狙い》で撃つこと。120%超えたら《戦神の祝福》とか、憎悪のアージエフェクトの《オースドウェポン》とかを使います。

GM: 憎悪の変異暴走って何だっけ?

ゆいか: 暴走中に1点でも【HP】ダメージを受けたら、そいつに対する憎悪のバッドステータスを受ける……です。今回は暴走する気満々な感じです。

GM: おい(笑)。

ゆいか: 九重かれんという姉が居たのですが、件のUGN壊滅事件の際に巻き込まれて、二人とも死亡してます。で、私だけが覚醒しました。Dロイスの復讐者を取ってるので、“黒幕”さんに初期タイタスを持っています。残り1つのロイスはお姉ちゃんです。

GM: はい。

ゆいか: エンブレムはフリーランスの《ウォーモンガー》です。効果は、攻撃に+1D。

遊馬: 戦闘狂がいる……!

GM: イリーガルは自由な立場なので、フリーランスからの取得を許可しましたー。では、最後!


【PC4用ハンドアウト】

シナリオロイス:四方山市


君は各国のUGN支部を視察のために飛び回る本部エージェントだ。

各支部で対応しきれない案件に対するフォローも行うため、君には多くの権限が与えられる。

そんな立場のエージェントであるからこそ、なさねばならないことがある。

アルフレッド・J・コードウェル。彼の撒いた混乱の種を摘むことも、その一つだ。

日本のYomoyamaCityでは、Thunder Cloudという反逆者のためにUGN支部再建のめどが立っていないという。

そう、四方山市の混乱もまた、君が正すべきものの一つである。


おぐ(以下 ジョン):  ジョン・アダムスといいまーす。コードネームは“ハンドガン”。元々戦闘機のパイロットだった、イングランド系アメリカ人です。黒髪に青い目でサングラスしてて、片目は義眼になってます。某戦争の時に負った傷が原因でオーヴァードとしての能力を発動しましたが、実はその前に実験体として選ばれていて、何らかの注射をされていたようです。その注射をしたのは、どうやらコードウェルらしい。

GM: マジで!?

遊馬: 邂逅がコードウェルなんだよ。

GM: それ、一度コードウェルが死ぬ前って感じになる……? 今、いくつ?

ジョン:  40歳かなー。で、まあその戦争で大きな戦果を挙げたんですが、それは無かったことにされ、米国のUGNに引き抜かれました。ブラックドッグ/ノイマンで、戦闘中に失った腕の代わりに装備しているリニアキャノン二挺で、撃つ。手首から先が外れて、そこから発射する感じ。

遊馬: かっこいい~!!

ヴァレリオ: 文字通りのハンドガン(笑)。

ジョン: そうなんです。で、叔父が合衆国の市長で民衆から大変な人気があったのですが、政治闘争に巻き込まれ、その裏にはFHがいた……ということで、叔父は殺されています。で、オーヴァードである自分は、たとえどんなに努力しても公的な成果として認められないことに、ある種の諦めを感じているので、UGNとしての仕事は、感情的にならず淡々とこなしています。

GM: ほうほう。

ジョン: なので、手腕は認めているものの、霧谷が情にほだされてUGNに入っていない人とかイリーガルに対して甘い態度をとって、結果、街が危険にさらされることに不安を感じている本部が、綱紀粛正のために私を派遣した、と。

GM: なるほど。

ジョン: 好きなものは回転寿司の玉子です(一同笑)。

GM: はい。ではここで、皆さんそれぞれにお配りした紙切れがあると思うんですが、それが今回のRハンドアウトです。これは、配られた人だけが知っている情報ですので、それを踏まえて行動して頂けるとありがたいです。

ジョン: なるほど。

GM: なお、このRハンドアウトは、セッション中に宣言してオープンすることが出来ます。オープンすると、全員にその情報が知れ渡ると思ってください。そして、オープンした次のシーンに、そのRハンドアウトに関する回想シーンが挿入されます。

遊馬: はーい。

GM: 今回、シナリオロイスの感情に関しては、自由に決めてもらって構いません。ということで、ここでPC間ロイスもここで決めちゃいますか。まずは、遊馬からヴァレリオに!

遊馬: まず、シナリオロイスの御堂健に対しては、□感服/隔意です。で、支部長のヴァレリオに対しては連帯感/■不安です。

GM: そうだね。このミッション、すごい失敗率高いからねー。次は、ヴァレリオからイリーガルのゆいかへのロイスなんですが……まだ会ってないというか、存在すら知らないんだよね。

ヴァレリオ: じゃあ、ゆいかさんへの感情は会ってから決めるということで、シナリオロイスの感情だけ。“光の防護陣”へは□連帯感/不安です。ちょっと距離を計りかねている感じ。

GM: では次に、ゆいかさんからジョンですね。

ゆいか: 私もまだ会ってないので、会ってから決めまーす。シナリオロイスのミコには、□誠意/猜疑心です。一緒に仕事したからね! でもRBだからやっぱりちょっと分からないトコがある。

GM: なるほどね。では、ジョンから遊馬に!

ジョン: Yomoyama Cityに対してどんな感情を抱いているか……? 振って決めようかな。(ダイスを振る)信頼/■憤懣になりました。

GM: この町は出来る子だ、と(笑)。

遊馬: でも、まだまだなってない! と。回転寿司で玉子が回ってないとか。

ジョン: うん、そんな感じで。で、PC間ロイスは遊馬に取るんだよね? どう思われたい?

遊馬: じゃあ、ものすげえ尊敬して!

ジョン: (即答)はーい。裏は?

遊馬: か、隔意……?

ジョン: なるほど。打ち解けることは出来ない、と。じゃあ□信頼/隔意で。

遊馬: あれ!? 俺、尊敬してって言わなかったっけ!?

ジョン: そうだっけ?(一同笑)

遊馬: いいよ、信頼で(笑)。



Opening Phase


01 任務開始        シーンプレイヤー:遊馬&ヴァレリオ


GM: では、オープニングにいきまーす! 最初はPC1とPC2が一緒に出てくるシーンです。

遊馬: はい!

ヴァレリオ: はいはーい。

GM: 場所はUGN日本支部で、霧谷に指令を受けて、ブリーフィングが終わったところだと思ってください。「――――以上が今回のミッションの概要になります。何かご質問は?」

遊馬: これさ、俺とヴァレリオはもう既に知り合いなほうがいい?

GM: どちらでもいいですよ。

遊馬: じゃあ、ここで初対面ってことにしよう。――――紹介に預かった、“種馬”だ。よろしく頼む(と、右手を出す)。

ヴァレリオ: その手を見て、軽く鼻で笑ってからデコピンを一発。

遊馬: !?

ヴァレリオ: これから長い付き合いになるんだ。堅っ苦しい挨拶はなしにしようや。

遊馬: (額を押さえつつ)ッ、つつ……。――――わかった。この依頼、二人で必ず成功させよう。

GM: 霧谷は重々しく頷いて、補足説明をしますね。「今、四方山市は、元UGNエージェント“雷雲”の手によって電子的に閉鎖状態になっています。他の通信網は平気なのですが、UGNの通信網だけ、完全にシャットダウンされています。」

ヴァレリオ: …………。

GM: なので、君らも、一般の通信機器で通信する分には可能なんですが、UGNの機密事項にアクセス出来ない状態です。なので、スタンドアローンのモバイル端末を支給されます。「これに、今までの四方山市の情報を入れておきますので、適宜参照して使ってください。」

遊馬: ほほう。わかりました。

GM: で、もう一つ。レネゲイドチェッカーを渡されます。

ヴァレリオ: お!

遊馬: これってメジャー使うんだっけ?

GM: えーとね……(ルールブックを見て)シーンに登場しているキャラクターが《ワーディング》を使用した直後にオートアクションで使用する。《ワーディング》を使用したキャラクターのブリード・シンドロームが全て分かる、だね。……ちょっとこれ、効果変わったんだね。

ゆいか: 2ndの頃は、侵蝕率が分かったんだよね。

GM: そうなんだよ。

遊馬: ……そうだ、新支部長。ここで、お互いの呼び名を決めようと思うのだが、なんと呼べばいい?

ヴァレリオ: ああ、基本的にはヴァレリオと呼ばれているが……君のことは、なんと呼ぼうか?

遊馬: じゃあ、おれのことは“種馬”と呼んでくれ。あ、つーちゃんでもいいよ。

ヴァレリオ: …………おい霧谷。ホントにこいつ、大丈夫なのか?(笑)

遊馬: いきなりデコピンかましてきた奴に言われたくないわ!!

GM: 霧谷はそんな君らを見て、「私の見立ては間違っていなかったようですね。貴方達ならいいコンビになれそうです。」

ヴァレリオ: 今のやりとりの何処を見てそう思ったんだ!?

GM: いや、どっちもどっちだなぁって(一同笑)。ではここで、シーンはそのままで場所だけ変わります。早速、四方山市に移動して頂くんですが、移動手段は何にします?

ヴァレリオ: 何で移動するかな?

遊馬: 電車でいいんじゃないか。どうせ“雷雲”にはどんな移動手段だろうとバレるだろ。

ヴァレリオ: ただ電車だと、もし襲われた時に一般人を巻き込んでしまう恐れがあるからな……。GM、車で行きます。

遊馬: じゃ、助手席に乗るー。

GM: じゃあ、車で高速を走行中だと思ってください。


 高速道路を使い、四方山市へと向かう遊馬とヴァレリオ。

車が四方山市内に入ったところで、2人はある異変に気がついた。

先程まではあった、前を走る車が、どんどん減ってきているのだ。

更に、高速道路内に設置されている電光掲示板が、ちかちかと点滅を始める。


ヴァレリオ: ……来たようだな。

遊馬: 俺は、助手席の背もたれを限界まで倒した状態で、頭の後ろで手を組みつつ、足を組みながら、――――ああ、そうだな。と言う(笑)。

GM: というところで、君らは《ワーディング》を感知します!

ヴァレリオ: では早速、レネゲイドチェッカーを使います。

GM: はい。で、このレネゲイドチェッカーなんですが、俺、侵蝕率が分かるものだと思ってたので、今回はその機能を持たせます。

ヴァレリオ: はーい(笑)。


 《ワーディング》が張られると同時に、進行方向にある縁石に一人の男が立っているのが見えた。

ヴァレリオのレネゲイドチェッカーが高速で演算処理を行い、《ワーディング》を解析する。

その結果は――――ブラックドッグ/オルクス 現在侵蝕率、43%。


遊馬: 《ワーディング》が張られた瞬間、俺は高速移動する車の上に立っています。

GM: すると、君は大気がおかしいことに気がつきます。……嗅ぎなれない臭いがする。

遊馬: ――――なるほど。俺は、銃の銃身に右手の人差し指を当てて、トン、トン……と、一定の間隔で、軽く叩いてる。


 遊馬達の乗る車が男の横を通り過ぎた瞬間。

「――――『プラズマクラスター』……。」

男がぽつりと呟くと、空気の質が一気に変わり、周囲に雷撃が走った。空気中の大気がイオン化して、超伝導による破壊が行われる。


ヴァレリオ: それ、は……避ける、とかってレベルじゃあ……。

GM: ないね。

遊馬: 了解です! 俺はそのまま拳銃を電線に向かって撃ちます! 演出で、《守りの弾》――――!


 遊馬の銃弾で切れた電線が火花を散らし、周囲の雷撃を集める。

だが、高速で移動する車はすぐに雷撃の走る空間へと入ってしまい、車の中に搭載されている、ありとあらゆる機器がショートした。


ヴァレリオ: それ、車自体が止まるんじゃ……。

GM: そうですね。今、車は慣性で走ってるだけです。

遊馬: ごめん。俺もう、それ分かってたから、ジャンプで飛び降りてるわ(笑)。

ヴァレリオ: 俺も、そのまま乗ってるわけにもいかないから、飛び降りるよ。

GM: では、高架高速道の上から飛び出し、爆発・四散していく車。そして、黒いロングコートに身を包んだ“雷雲”が、ミラーシェード越しに君らを見据えながら、近づいてくるね。

遊馬: ……久しぶりだな、“雷雲”。

ヴァレリオ: “種馬”……知っているようなら、後で詳しい話を聞かせてもらおうか。

遊馬: ああ。とりあえず、ここを切り抜けたら――――な。


02 頼み       シーンプレイヤー:九重ゆいか


GM: では、二つ目のオープニングは、ゆいかさんのシーンです!

ゆいか: はーい(ダイスを振る)!

GM: ゆいかさんは今、市内に居ます。

ゆいか: 今日も今日とて、黒幕探しに勤しんでいます。

GM: どうやって探してるんだろうね?

ゆいか: ね?(笑)まあ、ミコとかに頼ってるんじゃないかと。ロクにコネもないんで。

GM: “光の防護陣”とのロイスって、まだ取ってないんだっけ?

ゆいか: 取ってないですね。でも、悪い感情は抱いてないと思う。

GM: ちなみに、“光の防護陣”は、目の細い、温和な感じの30代くらいの青年です。

ゆいか: 優しいお兄ちゃん、って感じ?

GM: ですね。普段は企業勤めしています。

ゆいか: へー。大変そうだなぁ……。あ! 私は、17歳ですが、高校行ってません。

GM: 今、身寄りは?

ゆいか: 特に設定してないね。お姉ちゃんも3年前に死んじゃったし。

GM: じゃあ、“光の防護陣”が、君を保護してます。で、UGN支部壊滅当時14歳だった君と養子縁組もして、中学は卒業させた。


 「……高校は行かなくてもいいでしょ?」

自分には日常など必要ないと言わんばかりのゆいかのその態度に、“光の防護陣”白石賢治は渋い顔をする。

「なんでよー? 学校なんか行ってたら、お姉ちゃんを殺した黒幕を探せないじゃん!」

「……それは私も一緒に探すから。だから、君はちゃんと勉強しなさい。」

白石から散々言われ、ゆいかは渋々、高校に籍を置くこととなったのだった。

生活費や学費を出すという白石の提案を一蹴し、ゆいかはバイトで生活費を稼ぎながら、黒幕を探す日々を送っている。


ヴァレリオ: あれ? 高校は……?

ゆいか: 籍は置いてあるよ。行ってないけど。だから、「出席日数足りませんよ」っていう通知が、“光の防護陣”のトコに行く。

GM: で、深夜残業を終えて帰って来た“光の防護陣”が、それを見て頭を抱える……と(一同笑)。

ゆいか: かわいそうに、“光の防護陣”。


 あなたのせいです。


GM: で、平日の昼間です。君は繁華街に居る。

ゆいか: ポニーテールを揺らしながら、歩いています。

GM: で、顔なじみの情報屋とかに世間話がてら、黒幕の情報を聞いたりしてます。

ゆいか: あまりに情報が掴めないので、イライラしてます。

GM: そんな君の携帯に、着信がありますね。

ゆいか: お。誰から?

GM: 白石賢治。

ゆいか: しばし放置します。……鳴り止まないなぁ。(通話ボタンを押して、携帯を耳に当て)お掛けになった電話は、電波の届かないところにあるか、電源が入っていないため使えません。

GM: (笑)えー……普段、プライベートでは、家族扱いをしようとしているので、「ゆいか」と呼んで居るんですが、今だけ『“ドリンクレンジ”。』と呼びかけられます。

ゆいか: じゃあ、一気にモードが変わって、――――何か判ったの? と聞く。

GM: 『(緊迫した声で)いや、違う。君に頼みたいことがある。』

ゆいか: ……珍しいね。どうしたの?

GM: 『UGNのエージェントが2人、今日この街に到着する。』

ゆいか: ふぅん……。

GM: 『僕が繋ぎを取った、日本支部からのエージェントだ。……だが、残念ながらちょっと僕は動けそうにない。代わりに迎えに行ってくれないか?』

ゆいか: …………。

GM: 『必ず“雷雲”が出てくるはずだから、君はどうにかして、彼の手から2人を――――……。』

ゆいか: そいつらは、役に立ちそうなの?

GM: 『それは君に判断してもらっても構わない。……これが多分、僕らの最後の機会、だ。』

ゆいか: ――――! “光の防護陣”って、UGN再建の為に頑張ってるイリーガルなの?

GM: 違う。ただ、君の知らない何かを、必死に追いかけてる。

ゆいか: なるほどね。じゃあ――――……わかった。って言ったところで、《ワーディング》を感知するのかな?

GM: そうだね。“光の防護陣”も『……始まったみたいだね。』って言う。

ゆいか: まあ、行ってみるわ。

GM: 『わかった、頼む。……夕飯は冷蔵庫の中に入っているから――――。』(一同笑)

ゆいか: 話の途中で電話を切って、《ワーディング》が張られてる方にダッシュする!

GM: というところで、シーンを切ろうか。

ゆいか: これは、白石さんにロイスをとらないと嘘な気がする……(笑)。


03 遭遇                   シーンプレイヤー:ジョン・アダムス


GM: さて、本部エージェント様のシーンです。

ジョン: はい。

GM: 本部エージェント様も、何らかの手段で、四方山市に入ってきてください。何で来ますか?

ジョン: そうだねー。まず日本に着いてから、支給された乗り物で行くよ。

遊馬: 運転手付きの車とかどうよ?

ジョン: ああ、それいいかもね。じゃあそれで!

GM: では、運転手付きの車で高速を走っていたんですが、周囲の車通りがまばらになってきたと思ったら《ワーディング》を感知し、その瞬間、アンチワーディングファクターを持っていない運転手が昏倒する。

ジョン: ――――やれやれ。ということで、運転手をむんずと掴んで、車のドアを開けて、《サイバーレッグ》で外に出ます。

GM: すると、《ワーディング》の中心点に程近い場所に降りますね。少し先で、プラズマが発生した。

ジョン: ……なんてシャープな光なんだ(一同笑)。ということで、運転手は道路の端に寝かせて、自分は車と同じ速度で、《サイバーレッグ》で走る。


ジョンが《ワーディング》の中心地点に駆けつけると、そこには黒衣の男が居た――――。


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