間話1
第5話への繋ぎ的な回です。本文としては短いです。
私のせいだ…………
「ごめんな、お父さんたち……これから行かなくちゃいけないんだ」
私は涙を流しながら、玄関から出て行こうとする両親を止めようとしていた。
なぜそうなってしまったのかは自分でもわかってた。わかってたはずなのに、その時の私では引きとめようとすることしかできなかった。
「なんで………!?なんで行っちゃうの!?お父さんたちは何も悪くないのに…………!」
私のせいなのに。
私がしたことなのに。
どうしてお父さんお母さんが行かなくちゃ行けないの。
「ちょっと上の方の人たちに呼ばれちゃってさ、断るわけにはいかないんだ。わかってくれ……」
お母さんは私の肩に手を置いて優しく語りかけた。
「大丈夫だよ。もう会えなくなるわけじゃないから、すぐ帰ってくるから。それまで待っててね」
私がしたこと、そこから考えればすぐに帰ってこれるわけなどない。
涙ながらも、肩から離れた母親の手を掴んで言った。
「じゃあ、私も一緒に行く!離れるなんて嫌!」
するとお母さんは申し訳なさそうな顔をして、
「お母さんもね、離れたくないの。だけど、未来は連れて行けない。これ以上心配をかけたくないから、ここに居てほしいの。わかってちょうだい」
そう言って、私の頭を優しく撫でた。
「必ず帰ってくるから、いい子にしててね」
私の目から、さらに涙が溢れ出す。
私のせいなのに、両親のほうが行ってしまう。自分ではどうしようもなかった。ただただ、私は涙を流し続けていた。
両親のほうも、苦しげな表情をしていた気がする。だけど、その時の私は行ってほしくないの気持ちでいっぱいだった。
「母さん、そろそろだ」
お父さんが腕時計を見ながら小声でつぶやいた。
「わかったわ」
お母さんはゆっくりと私の頭から手を離した。
「それじゃ、行ってくるね」
「できるだけ早く終わらせてくる。それまでの我慢だ」
「待って!一人じゃやだ!」
涙のせいで両親の姿がにじむが、構わず手を伸ばした。
「大丈夫。未来ならきっとやっていけるから」
「お父さん!お母さん!」
お母さんの手を掴もうとするも、ドアの向こうからさしてくる光がガチャンという音とともに閉ざされた。
手が届かなかった。たったそれだけのことなのに、私の目からはさらに涙が流れた。
鍵を閉める音はしなかった。だけど。
「私のせいなのに………………」
生活に必要なお金はたくさん用意してくれていた。だけど。
「どうして……………」
学校で必要な書類関係は、親戚の人たちと話をつけておいてくれたみたい。だけど。
「お父さん…………お母さん…………」
もう、会えないかもしれない。
「ごめんなさい……………」
一人で住むには、広すぎる家。ここを出るわけにはいかない。ありえないとわかっていても、帰りを待たなくてはいけないから。
つい最近見たはずなのに、今日もこの夢を見た。あのときの光景は、いつまで経っても消えることはなかった。
そうして私は自室のベッドで、あの日と同じように涙を流していた。
「ごめんなさい……………」
第5話は構成ぐらいしか考えてないので投稿が遅くなるかもしれません。




