気まずい時間
初心者。初めてです。よろしくお願いします。
「はぁー」
教室で1人ため息をつく少年がいた。
少年の名前は西沢淳。今日の彼は超憂鬱。だが、その理由は分からない。
まだ誰も来ていない教室。なぜこんなに早く来てしまったんだろうと思う。
「はぁー」
もう一回大きなため息をついた。
………。
昨日見られたあの最低最悪31点のテスト…。
あのテストの点数だけでも最悪なのに、
よりにもよって黒田さんに見られるなんて…。
肘を机について窓側の前の方にある黒田の席をみる。
「やっぱりバカな奴って嫌いかな……。なんで俺こんなバカなんだろー」
西沢は自分の机に顔を伏せた。なんだかまだ寝たりない気がした。
すると自分の後ろの方からガラガラっと音がする。誰かが教室に入ってきたようだ。だが西沢には挨拶をする気力もなかった。そいつは俺の横を通り過ぎ自分の席に着いたようだった。
(憂鬱だな〜)
俺はそんな事を思いながら顔をあげた。
そしてもう一度黒田の席を見る。
ガタっ!
イスから落ちそうになった。
そこには黒田が自分の席に座っていたのだ。
俺はもう一度顔を机に伏せた。
(ま、幻か!?)
そしてゆっくりと顔をあげ、慎重に黒田の席をみる…。
(やっぱりいるし!)
俺は戸惑った。昨日のテストの事、『拾ってくれてありがとう』と言うべきだろうか。それとも『今回は調子悪くて、本領発揮できなかったぜ』と《俺はバカじゃないアピール》をするべきだろうか。
(うおぉぉぉー!!!)
俺は頭を抱え込んで天井を向いていた。
(神様ー!俺はどうすればいんですかー!)
チラっと黒田の方を見る。どうやら鞄から教科書を出しているらしい。
俺は顔を机に伏せた。
俺、昨日話したの初めてだったのに…。しかも話した内容がテスト(しかも31点の)ってあり…?
い、いや待てよ。今この教室には俺と黒田さんしかいないわけでぇ〜。
……………!!
机に伏せていた頭が無意識にガバッと起きる。
こ、これは絶好のチャンスじゃん!!昨日の嫌な印象(テストで31点しかとれないバカ)を挽回する絶好の機会!!
幸い誰かが教室に来る気配もない。
(よっし!)
俺は軽く自分の顔を叩いた。
ごくりと唾をのむ。
「…………………。」
やっぱり好きな人に話しかけるのって緊張すんな…。
黒田さん、全然後ろ向かないし。
…………………。
(あ〜俺にはやっぱ無理なんですか〜神様ぁ)
西沢はまもなくして諦めたように力なく机に倒れた。