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恋の中で  作者: 志野雪
2/3

気まずい時間

初心者。初めてです。よろしくお願いします。

「はぁー」

教室で1人ため息をつく少年がいた。


少年の名前は西沢淳。今日の彼は超憂鬱。だが、その理由は分からない。

まだ誰も来ていない教室。なぜこんなに早く来てしまったんだろうと思う。

「はぁー」

もう一回大きなため息をついた。


………。


昨日見られたあの最低最悪31点のテスト…。

あのテストの点数だけでも最悪なのに、

よりにもよって黒田さんに見られるなんて…。


肘を机について窓側の前の方にある黒田の席をみる。

「やっぱりバカな奴って嫌いかな……。なんで俺こんなバカなんだろー」

西沢は自分の机に顔を伏せた。なんだかまだ寝たりない気がした。


すると自分の後ろの方からガラガラっと音がする。誰かが教室に入ってきたようだ。だが西沢には挨拶をする気力もなかった。そいつは俺の横を通り過ぎ自分の席に着いたようだった。

(憂鬱だな〜)

俺はそんな事を思いながら顔をあげた。

そしてもう一度黒田の席を見る。


ガタっ!


イスから落ちそうになった。


そこには黒田が自分の席に座っていたのだ。


俺はもう一度顔を机に伏せた。


(ま、幻か!?)


そしてゆっくりと顔をあげ、慎重に黒田の席をみる…。



(やっぱりいるし!)


俺は戸惑った。昨日のテストの事、『拾ってくれてありがとう』と言うべきだろうか。それとも『今回は調子悪くて、本領発揮できなかったぜ』と《俺はバカじゃないアピール》をするべきだろうか。


(うおぉぉぉー!!!)

俺は頭を抱え込んで天井を向いていた。


(神様ー!俺はどうすればいんですかー!)


チラっと黒田の方を見る。どうやら鞄から教科書を出しているらしい。

俺は顔を机に伏せた。


俺、昨日話したの初めてだったのに…。しかも話した内容がテスト(しかも31点の)ってあり…?


い、いや待てよ。今この教室には俺と黒田さんしかいないわけでぇ〜。


……………!!

机に伏せていた頭が無意識にガバッと起きる。

こ、これは絶好のチャンスじゃん!!昨日の嫌な印象(テストで31点しかとれないバカ)を挽回する絶好の機会!!


幸い誰かが教室に来る気配もない。

(よっし!)

俺は軽く自分の顔を叩いた。

ごくりと唾をのむ。


「…………………。」


やっぱり好きな人に話しかけるのって緊張すんな…。

黒田さん、全然後ろ向かないし。

…………………。

(あ〜俺にはやっぱ無理なんですか〜神様ぁ)


西沢はまもなくして諦めたように力なく机に倒れた。



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