始まりはテストから
中学に入学した頃の私はまだ何も知らない、女の子でした。
「この中学校、おっきいなぁ」
これが、中学校に対する私の第一印象でした。
初めの頃は戸惑っていた私もしだいに友達が出来はじめ、学校生活を楽しいものにしていきました
中学校っていろんな人がいる。授業中へいきで寝てる人もいれば、いつも怒られっぱなしの人。それから今まで見た事もないカッコイイ人や可愛い人。
入学して半分が過ぎた頃、 「ねぇねぇ、のぞみちゃんはもう明後日の郊外学習の準備した?」
前の席の川田まゆちゃんが話かけてきた。
「したよ。私、準備とか遅いから早めにって思ってさ」
「偉いなぁ〜あたし、こういうの嫌なんだよね」
どうもまゆちゃんは郊外学習が嫌らしい。
私もどちらかというと みんなで盛り上がるみたいな感じのイベントはあまり好きじゃなかった
その日の帰りだった。私は早めに帰ろうと思いスクールバックを持ち、生徒玄関にいった。靴箱から靴をとり、外靴にはきかえている時、ふと、玄関の地面に落ちているグシャグシャに丸められた紙をみつけた。
「(なんだろ…)」
私は紙を拾い、その丸められた紙を見た。
そのクシャクシャな紙を広げると、『1年4組 西沢 淳 31点』
「(テ、テスト…!?しかも、31点…。見ちゃマズかったかなっ…)」
あたふた焦っていると、「お前、それ何?」
「えっ!?」
急に後ろから声を掛けられ後ろを振り返ると
そこには野球のユニフォームを着た武蔵野和がいた。小学校から一緒で成績もほどほど良くて、運動神経も良い。
「えっ?いや、これは…」
「なんだよ。ラブレター?クシャクシャだけど」
「そんなわけないよっ」「じゃ、それ何?」
武蔵野は興味津々にのぞみの顔をみる。
「(これを見せたら、この『西沢くん』がかわいそうだよっ…。こんな点数だしっ!だけど同じ男子なら武蔵野くんに見せても大丈夫なんじゃ…?)」 のぞみは真剣に考えた。考えてくうちに顔が熱くなってきたのが分かる。 「お前熱でもあんの?」 「(い、いや、駄目っ!駄目よっ!こんな点数、私だったら他の人には見せられないもんっ!)」
「お、おい…黒田?」
のぞみは顔を真っ赤にしながら叫んだ。
「西沢くんのテストは私が守るからっ!!」
「は?」
武蔵野は目を丸くした。黒田のぞみはハァハァと息を切らしている。
「え?俺が何かした?」
ひょっこり現れたのは
テスト31点の西沢淳だった。
「西沢くんっ!」
のぞみはその31点のテストを西沢の胸に押しつけた。その時ものぞみの顔は真っ赤で下を向いていた。
西沢が「これ何?」と言う前に、のぞみは
「だっ、大丈夫!他の人には見せてないからっ!つ、次頑張ればいいんだし気、落とさないでねっ」
そう言い残し、のぞみは片っぽ内ズックなのを忘れて走って学校をでていった。
「んで、お前それ何?」武蔵野が西沢に聞く。
「え?ああ、そういえばまだ見てねぇ。」
西沢が黒田のぞみから渡された紙を見る。
「げっ!?」
その紙を見た西沢は固まってしまった。
「なんだったんだよ?」武蔵野は紙を覗きこみ、「…………………」
武蔵野は西沢の肩をポンと叩いた。
「…ドンマイ…西沢…」
西沢は放心状態でフラフラしながら教室に戻っていった。
小説って難しいですね。どうか評価をよろしくお願いします。