1章 1p
「シロネーー!!おはようっ!!」
私の事を窓から見ていたのか知らないが、“浮月 コトネ{ふづきことね}„が教室前で待ち構えていた。
コトネは私に突進するように駆けてきた。
ギリッギリでブレーキを掛けて、ピタッと私の目の前に立った。
「シロネ、今日は転校生が来るんだ!!しかもうちのクラス!」
「えっ珍しいな」
「女の子らしいよぉ~。魔術歴結構短いらしいよ」
コトネと私は、趣味、性格、喋り方などほとんど反対である。
でも、だからこそ、私はコトネと出会って知ったことが沢山ある。
お互い足りない部分をフォローしつつ、いい関係を保てる人は、まぁコトネくらいである。
コトネとは、一回生で出会った。
最初は趣味も違うし、言葉選びもすれちがっていたが、だんだんお互いを認めあえるようになった。
女子にありがちなねばねば関係じゃ無いけど、しっかり仲が良い、と言えばわかるだろうか。
「シロネ、顔半笑いだよ~何かあったの??」
「いや、大丈夫。さ、ホームルームに間に合うようにしないと」
「まだ15分あるよぉ」
「それもそっか」
顔を見合わせ、笑った。
いつまでも、いつまでも、
この関係でいられたら良い。