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プロローグ
妙に陰気臭い森の中を、ひたすら歩くこと15分程。
太陽の光は、もう殆ど届かない。
大体、こんな変なところに学校を建てるな。と言いたいところだが、それは行き道前提での不評であり、学校自体はなかなかのもの。
私はそう、この学校、魔術師養成学園の二回生(いえば二年生)であった。
如月 シロネという。年は14歳。今年で。つまり誕生日は終わった。
相変わらず「クールだね」とか言われるが、自覚してない。
やたらと恋愛やらどーちゃらに興味をわかせない奴なんて、どこにでもいる筈だ。居るってことにしとこう。
ぐーっと背伸びする。
まだ時は6時前である。
「あぁ、教室で居眠り決定か」
目をこすり、前を向いた。
前方には、見慣れたあの学校。
「派手にやるよね」
森の陰気臭さと比較しちゃいけないくらい、美しくガーデニングされた昇降口付近。
「今日もいっちょ、やりますか」
私はここから始まる一日に足を踏み入れた…