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ウェブサーの疑問

翌日、学校へ向かう途中もウェブサーのことを考える。

誰が、どう言う理由でこのサイトを作ったのだろう。未成年だけしか入れないなんて、そんなメルヘンチックな話がありえるわけない。

もし仮に、成年になった人がログインするとどうなるのだろうか。

そのようなことばかり考えながら歩いていると、学校へと到着した。


「あ、玲千。おはよう」

体操着姿の富海が僕にあいさつしてくる。

「おはよう。朝練だったの?」

「大会も近いからね〜。ゲームする時間も少なくなってるけど、大会終われば、たくさん出来るからね!」

「それもそうだな。頑張れよ」

「うん! 玲千も大会頑張ってね!」

そう言われたものの、富海は一年生の時から才能を開花させ、スタメン、つまり最初からコートに入れるスタートメンバーに選ばれている。

僕はと言うと、二年間ベンチだ。コートにいる内、四人は同年代で、二人は後輩の一年生だ。

僕は、一年先に努力をしていたのに、たった数ヶ月で僕の実力を追い抜かれてしまったのだ。

情けないとは思ったが、僕には才能なんかないのだと自分に言い聞かせた。


学校での成績も平凡、とも言えない。平凡にも満たないくらいだ。

昔から勉強などせず、ゲームばかりしていた。

暇さえあればマンガ、アニメ、ゲームしかしていなかった。

バレーボール部に入ったのも、富海が入部すると言っていたからだ。

身近な人間、特に幼なじみの富海だけでもいれば安心だと思ったから。

中学に入ってから、男女の差別化が酷くなった気がする。

男子と女子に別れるのは当たり前だが、何だか少しさみしい気もする。合同練習はしたりもするが。


教室に入ってウェブサーをポチポチといじっていると、朝練の終わった富海が来た。

「改めておはよう玲千」

「ああ、おはよ」

「まーたウェブサー?」

そう言いながら富海もスマートフォンを起動してウェブサーにログインした。

「お前もじゃん」

そう言うと、富海は思い出したかのように言ってきた。

「そう言えばさ、昨日玲千が言っていたこのウェブサーの製作者とかの発言さ、結構みんな同じこと思っていたらしいよ。やっぱりみんな中二病だね」

「お前は中二病じゃないのか?」

「私、そう言う現実味のない話嫌いなんだ。空想とかSFとか大嫌い。バカみたいじゃない」

「ふーん、別に嫌いなら嫌いで良いけどさ、もし本当にこれが何かの実験とかだったりしたら」

「あーあー。私そう言う話嫌いって言ってるでしょ! 妄想好きなら妄想好きの集まっているチャットにでも行ってみれば良いじゃない!」

やけにツンツンとしている。余程空想の話が嫌いらしい。

ゲームが好きだからと言って、空想は好きと言うわけではないのか。

妄想(空想)好きが集まると言われているチャットへ向かおうとすると、担任が教室へ入ってきたので、すぐにスマートフォンをカバンの中へ隠す。


やはり、この教室もウェブサーと酷似している。

成年、つまり自分の目上の人間が入ってくると大切なものを隠す。

ウェブサーだと、そんなことをする必要はない。未成年しかいないからだ。

大きく年齢が離れていると言うものがないのはすごく良いと僕は思う。

一番年齢が高くても19歳なのだから、大学2年生くらいだろう。

しかし、何故か大学2年生もウェブサーのことはバラさない。何故なのだろうか・・・

考えれば考えるほど、空想チャットのみんなにこのことを話してみたくなる。非常に楽しみである。



つづく

非常に遅れてしまい、半年ぶりの投稿になってしまいました。

やはり何作も書いていると忘れてしまう作品も出てきますね。

ウェブサーも面白くなりそうですが、ルーラーの時と同じようにそろそろ終わらせようと思っています。

10話行く前に終わらせます。

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