第六話 「こいばな!~鏡花編~」
~西園寺 アンジャータ編~
「ちゅーちゅちゅるちゅるちゅっちゅちゅちゅーー♪」
「・・・何それ。」
「ん?ペ☆ぺ☆☆眠だけど何か?」
「・・・だからそれはなんなん?」
「☆☆☆がやってるオンゲっしょ。ミクオもやってみ?」
「僕は十八禁ゲーム(オトナなゲーム)をやるつもりもやる趣味もありません。」
「おうおう、いいじゃんいいじゃん、ちったオトナな世界覗いてみ?」
「(本当は女だけど男になっちゃったっていうのはオトナな世界に入るのだろうか。)遠慮しておきます。」
「ちっ、かってー奴だなぁ。しゃーねぇ、はい、これ。」
「・・・何これ。」
「シーデーよ、シーデー。」
「うちにはDVDプレイヤーしかありません。(ブルーRayちゃんあるけど、まぁいいか)」
「それ、シーデーって名前のDVDよ。いいか、親の前じゃ絶対見るな。彼女の前でもダメ、ほんっとーに一人の時だけに見ろよ。」
「いらねーよ、こんなん。」
「まぁまぁ、なんだ、仏の顔も砂土まで、って言うだろ?」
「どういう意味!?」
~志築 誠編~
「ちゅるちゅちゅっちゅー、ちゅるちゅちゅっちゅー、ちゅるちゅちゅっちゅー、ちゅるちゅちゅっちゅー♪」
「・・・何それ。」
「ああ、進撃の☆☆のオープニングなんだ。」
「・・・だからそれはなんなん?」
「人類が巨人に滅ぼされそうになるけどそこから反撃を開始するアニメで、すごいアツいんだ。」
「ふーん。」
「ミクオってアニメ見るのかい?」
「あ、あんま見ねーかな。(本当は銀☆とかS☆Oとか大好きだけど。あと、ア☆パ☆マ☆とか)」
「そうなんだ。いいよ、アニメも。そうだ、これ、見てみなよ?」
「・・・何これ。」
「DVD。一話が入ってるからさ。」
「を、さんきゅ。」
「それ、ラベル貼ってないけど別にいいよね?妹から貰ったメディアで、さ。僕、いつもお気に入りのアニメはラベル作るんだけど、そんな余裕なくて。」
「妹さんもアニメみるん?」
「あぁ、あいつはアニメの鬼だねw」
「ふーん。」
~水無月 鏡花編~
「あん♪あんあん♪あんあんあん♪」
「・・・何それ。」
「何それ、って、澪が貸してくれたじゃん。」
「・・・え?進撃の☆☆?」
「んもう、何言ってんのよ!!ww」
「いてぇ、叩くなって!」
「でも、ちょ→意外かな、まさか澪があんなの見てるなんて。」
「え?俺、普段はあんま見ねーぞ?(本当は銀☆とかS☆Oとか見てるけど。あと、ア☆パ☆マ☆とか)」
「いやん♪じゃぁ、誠クンに毒されちゃったのネ。」
「・・・何だそれ。」
「あんなの入っちゃうなんて信じらんナイ♪」
「ああ、ぶちやぶって入ってくるのはすっげでけぇよな。」
「そうそう、まっさかあんなにおっきいなんて♪信じらんなイ♪」
「現実にゃ、いねーからなぁ。」
「え?ゲンジツって、あんなにおっきくないの?」
「そりゃそうだろ。」
~如月 澪編~
オープニングはかっこいいね♪
話もおもしろいね♪
・・・でも、これは西園寺から借りた方じゃないよネ♪
トントントン
その時、私の部屋のドアがノックされた。
私は今、鏡花の家の一部屋を借りている。鏡花が親にテキトー言って私を住まわせてくれてるのだ。さすがに「澪」の部屋から「ミクオ」が出入りするのは不味いだろー、って。
がちゃり。
扉が開いて、パジャマ姿の鏡花が枕を抱えながら入ってきた。
その顔はちょっと赤らんでて、目はちょろっと潤んでる。
それを見た私は、ごくり、と、生唾を飲み込んだ。
「・・・澪。」
「・・・・・・ハイ。」
「・・・、一緒に寝て、いいかな?」
「・・・・・・ゴクり。」
その時私は取り返しのつかない失敗をしてしまった事を後悔した。
そう、西園寺アンジャータというキャラの説明をしなかった事を!
そう、鏡花との恋バナ、どこいった!?という終わりにしようと思ったけど上手くいかなかった事を!
そんな私の後悔をヨソに、鏡花は私の隣にちょこん、と座った。
そして、顔を私の肩に預けてきた。
次話、「こいばな!~鏡花編(今度は本当)~」に続く!
・・・鏡花の頭はちょっと重くて、あ、ちゃんと鏡花にも重みがあるんだ、と、私は思った。それを支える私の肩にも筋肉が付いている。その筋肉に服を通して覆い被さる鏡花の髪はさらさらで柔らかかった。
そして、私は女の心と男の体の境界線というものは簡単に飛び越えてしまえるものだという事を知った。それほどまで、私をかき乱す感情は男のそれであり、女のそれだった。
ただ、鏡花の中に渦巻く女のそれに触発されるように、私の中の女と男が自由に思うように歌いだした。
近いうちに18禁タグが付くかもしれませんw