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アルセニウス学園の転校生!  作者: ぼんべい
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そして男へ!

第一話 そして男へ!


私は「安藤 澪」、私立「アルセニウス学園」に通う高校二年生。

お父さんもお母さんも科学者のちょー理系女子遺伝子を引いためっちゃふつーの女子高生!

成績?ふつーだよ!

運動?まぁまぁだよ!

あ、でも一つだけふつーじゃない、皆と違う所があるかも・・・

そ・れ・は・ね。


「・・・ある朝、起きてたら男になってました、なんて、言えないよね・・・」

ちょーテンション高い自己紹介から一転、昔流行った某小学生日常アニメの演出のように片目に黒い棒線が何本も降りる程の撃沈っぷりを見せる。

どうするよ?月曜日なのに機嫌悪いよ。

・・・じゃなかった。

月曜日なのに機嫌悪いよ、どうするよ?

・・どっちでもいいか。ってゆぅーか、機嫌悪いじゃ無いし。

気分沈んでるだけだし。

取り敢えず鏡の前に立つ。

「・・気のせい、じゃ無いよね。」

半袖のパジャマから出てる腕が少しだけ黒くなってる気がする。

「顔は・・まぁ、なんとかなるかなぁ。」

ぺたぺた、と顔に触ってみる。私ってば、もともと中性的な顔立ちだったんだね。あまり不自然な変化は見られない。

「でも、お肌がすべすべしなくなってる・・・」

あぁ、せっかく毎日化粧水とか化粧水とか化粧水とか頑張って付けてたのに!

「・・・。」

そして、Cを維持しあわよくばDと思っていた胸に手を当ててみれば・・・

ぼしゅ。

当然、カップは潰れてしまう。

「・・ぺったんこ・・・」

はぅ。これじゃー一部のマニアな方としか結婚できないよぉ。

・・・っていうか、違うマニアの方とじゃないと、ムリだよね・・・

ちらり、と、今まで直視を避けてきた部分を見る。

そこは期待を裏切らずに膨らんでいた。

・・・だめダメダメだめ。向き合うにはまだ早い。今の私じゃ、とーていムリ。

ぶんぶん、と首を振る。

「よし。」

そして私は決心する。

「無かったことにしよう!」


そして、十分後。

そこには「アルセニウス学園」の女子制服を着た男の姿が。

「・・・。」

男の姿、じゃないよ!私だよ!

一度、ぎゅっと目を閉じる。

私、私、私、私、ワタシ!

そう念じて目を見開くと・・・

「・・やっぱり、男だよぉ・・」

これまた昔の某アニメっぽく、片目から涙が一粒ぽつん。

肉付きはそんなに変わってないから騙せ通せなくも無くも無いかも知れない可能性は皆無じゃない、程度の、もはや変装。

それに、胸の部分のダボつきとかキツいウエストだとか執拗に擦ってくるスカートだとかがどー考えても私が着るべきものじゃない。

「・・ここだけの話、パンティからはみ出しちゃってるし。っていうか、声、ごっつ、ごっついし。」

そう、文章では伝わらないが一番変化を見せているのはこの声。

あの自慢の小鳥がさえずるような私の美声は何処へやら、口を開けば出てくるのは野太い男性バリトンだぜぃ、やったね、ワタシ!

「じゃ、ねーっつーのぉ!・・・はぁはぁ、やっぱムリ。この太い声になよなよ女言葉は似合わねぇ。」

どーせ文章じゃ伝わらない、と思って今まで女言葉を押し通してきたけれど、やっぱムリ。この野太い声での女言葉は言ってる自分がキモチ悪い。

「うし。喋る時は、男言葉、」

心の中は女言葉、で、おkよね!?

「だいじょーぶだいじょぶ、俺様ならそれぐらいは」

朝飯前だぜ!・・・じゃないや、朝飯前よ!いや、朝飯前だぜ、でもおかしくはないなぁ。

・・・こりゃ、慣れるまで時間かかりそー。

と、早くも挫折しかけたその時。

ぴんぽぉーん

「みぃーーおぉ!おっはよぉ♪」

をぉ、チャイムと共に聞こえたるあの元気な声は、我が親友「水無月 鏡花」じゃないか!

・・・じゃないか、じゃないじゃないか!

どーすんのよ、私!?

「・・・よし。このまま出てみよう。」

上手く行けば女として押し通せるかもしれない。大丈夫、ぜぇーーったいに喋らなければ、大丈夫。

がちゃ。

意を決して扉を開く私。

こういう時は、動揺すればバレないものもバレてしまう。

平常心、平常心。大事なのはヘイジョウシン。大切なのはヘイジョウシン。

「・・・あの、どちら様ですか。」

しかし、私を見るなり鏡花は全てをぶち壊す一言を放った。

「・・・やっぱ、わかる?」

「・・・・っていうか、誰?澪の服来て、何してるんですか?」

「・・・やっぱ、わかるよねw」

「・・芝じゃ誤魔化されませんよ。」

きょとん、と私を見詰める鏡花、冷や汗だらだらの私。

もぉー、こうなったら苦笑いしか出てこない。

あはは、わらうっきゃないね、わらうっきゃ!!

なぁーんて壊れそうになった時、なんと鏡花から救いの一言。

「・・・もしかして、澪!?」

おぉー!奇跡が起こった!

「鏡花ぁーーー!!」

私は大泣きしながら鏡花に抱き付こうとした。

「きゃぁぁぁ!!」

・・けれども、ばこん、と、鞄でおもっきし叩かれて私はあえなく一発KO。

「うぅ・・・ん。」

がくり。そして私は意識を失った。


次話、「男の子はいきなり女の子に抱き付いちゃダメ!」に続く!

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