授業と発端
「この問題が解ける奴、手を上げろ」
今俺は算術の授業を受けている。そんな俺が一つだけ言わせていただきたい。
小学生か!!!
声には出してないぜ。
何だこれ!?掛け算なんて十歳くらいにはできてろよ!よくそんなんで魔法薬の調合や魔導砲の設計なんてできたな!!
普段の計算はできないくせに、魔って言う言葉がつくと途端に人が変わるなこの国は!
ハァハァ……。
けどそんな授業も、もうすぐ終わる。
次は待ちに待った魔法やら魔導やらだぜ。
今日は、分かりやすく簡単な順位をつけるためのクラストーナメントだ。なんブロックかに分かれてやるらしい。これは、入学・進級したときと、夏休みの終わりの二回だ。
めんどいのは嫌いだから静かにするつもりだけど、絶対なんかあるよな。このトーナメントで一位になった奴はクラス代表で学年トーナメントのチームリーダーとかになったりするらしい。
俺は二位くらいになっとくか。
キーンコーンカーンコーン。
この学校もこのチャイムかよ。
「今日はここまで!次の授業に遅れないようにしろ!」
さていくとするかね。場所はたしか、闘技場だよな。
体育館とか校庭だと壊れたとき困るから専用に造ったんだよな。特に魔法学科とか度派手なものを使う奴らが昔壊しかけたとかだったな。
「……アリア」
「はい、なんでしょう?」
「……あまり、本気出すなよ……」
「分かりました」
と、言うことで早速闘技場に向かう。
う~ん。やはり視線を感じる。というか、ほとんどの生徒がこっち見てるな。
男子はアリア、女子と嫉妬する男子は俺。分かりやすいな。
やっと、着いた。
授業まではまだあるから他の連中の実力を見とくか。
ふむふむ、なかなか強い奴がいるな。俺の見立てではAランク程度が三人か。お、一人は主人公じみた力持ってんな。しかも朴念仁。勝負の最中で強くなるのか、こりゃ、一位は彼かな。
そろそろ始まるな。
えーと俺の順番は後のほうだな。アリアは俺の前か。
お、最初の試合が始まるな。
朴念仁君と、相手はモブ君か。さて、どんな戦いかたするんかな。
「始め!」
開始の合図が出た。
まず最初にモブ君が水で矢を五本作り横、斜め、上から攻める。
朴念仁君は光の盾を作りそれを防ぐ。そしてすぐに水の魔法で霧を作り出す。
モブ君は水で全方位の盾を作り備えていく。
まあ、悪くない作戦だな。視界が悪いときは何が来るかわからないから、盾を作るかカウンターの準備をする。そんなことしなくてもいいのは、朴念仁君とヒロインちゃんとめがねちゃんか。あ、ヒロインちゃんとめがねちゃんは朴念仁君と一緒にいたAランクの力がある子達だ。
そして霧が少し光りだしたかと思うと一気に霧が晴れる。霧を吹き飛ばした正体は光り輝く二メートルはあろうかとする巨大な剣だった。そしてそれが振り下ろされる。
まあ当然だよな。
あのあとは当然朴念仁君の勝利で終わった。その後も朴念仁君とヒロインちゃん、めがねちゃんは勝ち進んでいった。と思う。
思うというのは、あの後すぐに俺たちのブロックが始まったのだ。今は、アリアが戦っている。
説明するまもなく終了。
さて、俺の番か。
相手は、よかった普通の子で。変な貴族だとプライド高いからな。ちなみに何故そんなこと分かったかというと『森羅の眼』を使ったからだ。こいつは、神様にもらった奴で、おれは右目を『森羅の眼』左目を『万象の眼』と呼んでいる。まあ、分けて呼んでいるけど別々に発動なんてできないけどね。ただ、発動しているときに左目を閉じると世界とその心理など心などそういったことが視え右目を閉じるとすべての存在や現象を視ることができたからそう呼んでいる。両目で見るとどっちも視えるから目を閉じる必要なんて無いけどカッコイイからそうした。ちなみに今俺が『森羅万象の眼』を使えるのは三十分てとこだな。
さて、俺の試合は結果を言うと一回目で負けました。
あの普通の子すごい強かったね。なんせ俺だけに殺気を当ててきたし、魔力も相当のもんだ。極めつけに俺に高速接近してきて一言「無能王子様、ここで負けてくれない?」だ。全く何者だよ本気で視なかったとわ言え『森羅の眼』をごまかすなんて。
ただ、一つ楽しみが増えたのは事実だな。けど言われっぱなしだとムカつくから「わかったよ、でもさ、女の子がそんなに危なそうなことに首を突っ込んでていいのかな?男に変装してまで」といってやったよ。笑いながら。
あの子すごい目を見開いてたな。ただ全部は視ないであげたけど
このトーナメントの結果は一位朴念仁君、二位ヒロインちゃん、三位アリア、四位にめがねちゃん。
俺は後ろから六番目くらいだった。朴念仁君は何かに巻き込まれそうだな。俺もだけど。
さーて、物語は動き出したね。俺の役目はいったいなんだろうな。主人公?脇役?それともただのエキストラ?あの神様なんで俺をここに転生させたのか言わなかったからな。俺も聞かなかったけど。
唯一確かなのは、わくわくして、鼓動が早くなって、面白くなりそうってことだな。
この小説は今頃言わなくてもわかると思いますが主人公はヴァンです。
他には華麗に散ってもらおうと思います。まさに無双です。
ということでまた次回。