転生ってつらい?楽しい?
「次は転生できるのかな」
俺はふと思った。
人ってのは転生する事が出来るのかもしれない。
逆に、できないかもしれない。
何を言ってるのかと思うかもしれないけど、実際そうなのだ。
だって、転生した人が帰ってくるわけじゃないし、転生したといってもおそらく、いや、絶対に誰も信じない。
つまり先ほどの転生できるかできないかは『わからない』が正解だ。
ただ、俺の台詞に疑問を持つ奴もいるかもしれない。
次、ということは今までに転生したことがあるということだ。
俺は今までに六回転生した。
転生する前の始めて生まれたときは二〇〇一年の日本、一度目の転生は、おそらく戦国時代、二度目は剣と魔法の世界、三度目は太平洋戦争中の日本、四度目は錬金術の世界、五度目は光線銃やら宇宙戦争やらのSFの世界、そして六度目の今が二〇四五年の日本。
今考えると日本多いな。俺は最初の世界こそただの学生だったが、がんで死んだ直後、刀やら槍やらが飛び交うまさに乱戦の戦場に放り出された。この場合これは異世界トリップなのか?いやタイムスリップか。
そこで俺は初めて命のやり取りを見て、学んだ。そこでは剣、槍、弓、鉄砲など他にもとにかく戦うすべを磨いて必死に生きた。けど不意打ちされて死んだ。かなり有名で『最強』とかいわれたのにな。
次は剣と魔法の世界。どんな名前だったかは覚えてない。また転生したことに驚いたからな。
ここではちゃんと母から生まれた。なんか俺は生まれつき魔力が多くて家族以外から嫌われてた。後々知ったが、一番強かったときの俺の魔力は世界を壊せたらしい。
この世界では戦国時代の命のやり取りや武器のことが役立った。刀は無かったけど、俺の技術に魔法がプラスされて『白銀の戦神』とか言われた。白銀の理由は俺の髪と装備の色から取ったらしい。そんな世界で俺は寿命で死んだ。ちなみに独身で。
三度目は戦争中の日本だったか。あの時は銃の使い方を学べてよかったな。ちなみに他の兵器(砲から戦車、戦艦まで)も使い方を学んだ。仲間が死んでもすぐに代えが利くようにらしい。まあ、人を使い捨てにした日本軍だしな。最期は日本軍の目論見どおり特攻して戦死。少年兵だったよ。
続いて錬金術の世界だが、もう転生には驚かなくなった。ああ、またかみたいな。でもどっかの金髪兄弟やゆびぱっちんで炎出す人みたいなことができて良かった。
他にも銃器が造れた。これまでの戦闘や生きる知識のおかげで『黄金の錬金術師』っていわれた。アルス・マグナとかいう思想も地球にもあったらしいけど(アルス・マグナは人間を超え神に等しい存在になる思想のことらしい)、この世界ではそれを黄金の錬金術師と呼ぶんだと。
嫁さんほしかったな。近づいてくるの金目当ての女ばっかだった。結局最期は自殺した。いろいろうるせぇから。中年でした。
五度目はSF。文字通りSF。俺はどっかの星の辺境の地で生まれた(人の姿でよかった)。そこで今度は静かに死のうと思い、普通に暮らしてたら、なんか来た。
宇宙の海賊とかいったな。空は空賊、山は山賊、海は海賊なんだから、宇宙賊でよくね?とか思った。まあ仕方ないんで今までの経験と知識で撃退。
そしたらそこにどっかの星の姫様が乗っててそのままスカウト。なんか最後のほうは『英雄』とかいわれてた。ちなみに光の剣(あえてビームセイバーと呼ぼう)は、かなりの切れ味で焼き切ってたね。
光線銃も弾けてどこかの黒いマスクさんみたいな気分だった。
そこで俺は姫様と結婚。初めて愛が分かって幸せだった。ちなみに最期はヤンデレた姫様と心中。ヤンデレ好きだったから超幸せだった。理由は町で出会った子と俺が無理やり三角関係に持ち込んだ。いやーめちゃくちゃ幸せだった。
六度目は科学が更に発達していた日本。つまり今。
俺は今十八。病院のベットで横になってる。理由は改造実験の反動で出た不治の病。そう俺は改造されたのだ。まあ、痛いこともされたけどそんなの今までにあった事に比べれば、気にも障らない。
俺は殺戮兵器の実験体として造られた。親はこのプロジェクトの責任者とその人の戦争で殺された夫。二人の遺伝子で俺は造られた。
生まれたばかりの頃からいろいろされた。記憶や意志があった俺は今度は改造実験かと軽く思っただけだった。
でもこのプロジェクトの責任者、つまり母さんの俺への愛情がやばい。痛いことされた後には、必ずごめんねといい、俺の傍にいたし、異常なまでにやさしくしてくれた。俺が父さんの代わりじゃないというと「当たり前じゃない!あなたはあの人と私の子。だから最強で何でもできる神に等しき人間しようとしてるの。あなたが嫌ならすぐにやめるし、人里はなれた場所にいく」といった。ヤンデレ最高。
けど俺は、改造を受け入れた。そこで俺は更に知識と戦闘技術、生活スキルを身につけた。そこで改造も完成したけど、母さんが戦場に出すために造ったんじゃないといい、今は母と二人暮らし。なんでも殺戮兵器は、他の奴らを納得させるための名目だったらしい。一応何回かは戦場に行った。母さんの立つ瀬ないし。
そして今、不治の病でベットの上。今、母さんが血眼になって直す方法を見つけている。ちなみに母さんは見た目二十代の美人。実際は三十九。にしても二十一で俺の改造始めるあたり天才だよな。
俺と母さんは親子であり恋人であり夫婦だ。何故かと言うと完全にヤンだ母さんが十五のとき手を出してきたから。俺はそれを受け入れた。、まあ好きだったし良いかなと。世間には当然ふせてある。
改造された俺はなんとなく死期がわかる。母さんと過ごした五年(改造は十三歳で終わった)は幸せだったし(いろんな意味で)、もういいやという思いだ。
「次は転生できるのかな」
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この作品は章で区切ったりせずにのほほんと書く最強系小説です。
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