Merry Christmas☆彡
寒さに震えながら、僕はベッドの上で体育座りする。
今日は、クリスマスイヴ。お父さんとお母さんと、おにいちゃんとおばあちゃんと一緒にクリスマスパーティーをした。
お母さんに「早く寝なさい!」って言われたけど、こっそり起きてる。
サンタさんに会いたくて。サンタさんを見てみたくて。それと──だから僕は、起きている。
「サンタさん……早く来ないかな?」
布団を頭からかぶり、サンタさんを待つ。ベッドのそばに置いてある時計をチラッと見る。あと少しで夜中の12時。あと少しでクリスマス。だけど、だんだんと眠くなる。瞼がふわふわと閉じたり開いたりする。
「ねむたいなぁ、さむいなぁ……」
うつらうつら……
うつら………
………
瞼が、開いたり閉じたりを繰り返す。すると。
「やあ、カズキ君!メリークリスマス!」
カチャッと、僕の部屋が開き、そこからサンタさんが現れた。
「サンタさん!」
僕は目をきらめかせながら、かぶっていた布団を外してサンタさんに駆け寄った。
「わぁー!本当におひげもじゃもじゃなんだね!カッコいい!!」
僕がそう言うと、サンタさんは「ホッホッホ、ありがとう」と笑いながら、まっしろでもじゃもじゃのおひげを触った。
「今年も良い子にしていたカズキ君に、クリスマスプレゼントを持ってきたよ」
そう言うとサンタさんは、白くて大きな袋から、緑の紙に包まれていて赤いリボンを巻いた箱を取り出し、僕にくれた。
「わぁい!ありがとうサンタさん!あそうだ!ちょっと待っててサンタさん!」
僕はハッと思い出してベッドの方に行き、店員さんに包んでもらったプレゼントをサンタさんに渡した。
「おやおやこれは?」
「サンタさんへのプレゼントです!さむい中、いつもクリスマスにみんなにプレゼントをくばってくれて、ありがとうございます!」
「まさか、サンタの私がプレゼントをもらえるとはねぇ。ありがとう。開けて良いかい?」
「いいですよ!」
サンタさんはプレゼントの袋をがさがさと開けた。
「おおこれは……真っ赤で素敵なマフラーだね」
「はい!サンタさんはさむい中プレゼントをくばってるので、マフラーがいいかなぁとおもって買いました!」
サンタさんは真っ赤なマフラーを自分の首にふわりと巻いた。
「おお……これは、とてもあったかいねぇ。これで寒さに震えずにプレゼントを配れるよ。ありがとう、カズキ君」
サンタさんはそう言ってホッホッホと笑うと、僕の頭を優しくなでてくれた。
サンタさんに会えてよかった。
サンタさんにプレゼントわたせてよかった……
「メリークリスマス……サンタさん──……ん?」
気づいたら僕はベッドでねむっていた。ベッドの端には、サンタさんからもらったプレゼントとそして、お手紙が置いてあった。僕はそのお手紙を開いて読んだ。そこには。
『カズキ君へ
マフラーありがとう、カズキ君。あったかくて素敵なプレゼントだいじにします。ありがとう。メリークリスマス!』
サンタさんのきれいな字で、そう書かれていた。
僕はサンタさんからのお手紙がとっても嬉しくて、お手紙を胸にぎゅっと抱きしめてへへへと笑った。
おしまい。