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11話 見える者・見えない者

急に口の中が血で溢れ視界が歪んだ。


なんだ、何が起こった。


頭を掴まれ、そのまま死体で覆われた地面に叩きつけられる。


「がっ…!」


「ごめんね!手癖悪くってさ!」


頭を掴んだまま地面から引き剥がされ投げ飛ばされる。


地面をゴロゴロと転がる

口からの血はまだ止まらない。


「くっそ…」


立ち上がり目線をあげるとディアットとローカッドが攻撃を撃ち合っている。


ローカッドの能力は煙血と呼ばれている、集団での戦闘を好まず戦地では常に一人で戦っていた。

よって能力の詳細は軍の中でも知られていない。


しかしどう考えてもあの右腕だ、触れた瞬間に死体を霧状にしやがった。


ならさっき頭を掴まれた時に俺の頭が無くならなかったのは何故だ…。


そうだあの血の霧を吸ったときからだ、あれから血が止まらない。


毒か何かに変えるのか、いやしかし


「がはっ…」


急に咳がこみ上げ血をまき散らす、地面にはきれいな鮮血が散っていた。


足に力を込める、出血をしているせいか兵装が溶岩のように発光しドクドクと脈打っている。


ディアットとローカッドの間に入る。


「ディアット!霧だ!血の霧を吸うな!」


「ありゃバレたか」


ローカッドは死体を右手で貫き霧を充満させる。


俺が死体を蹴り上げると熱が伝導し死体が燃え始めた。


「うっお!火葬じゃぁん!」


燃える死体に触れた霧も一瞬にして晴れていく。


「ディアット!」


「あいよっ!」


ディアットはハンマーでローカッドを下から打ち上げる。


打ち上げられたローカッドは無防備で攻撃を仕掛けてくる様子もない。


「ユル!今だ!!」


しかしユルは姿を現さない。


着地したローカッドが体勢を整える前に距離を詰める。


「おや?お仲間はどこに行ったんだい?」


「こっちが聞きてぇよ」


「振られたんじゃないのかい?」


「死ね」


ローカッドは右腕で防ごうとするが構わず全力で足を振りぬく。


異様な金属音をたてながらローカッドの右腕は変形しちぎれそうになる。


「痛ってぇ!!」


「ハッ!手癖は治りそうか?」


ローカッドは腰からグレネードを取り出した。


「クソがっ」


爆発音と共に土煙に紛れて血の霧が発生する。


「溶血くんはさぁ、このままでいいと思ってんの?」


煙の中から声だけが聞こえる。


「消耗品みたいに使われてさぁ、正義、大義と言って少ない命を犠牲にする。俺たちだってこうなるなら最初からこんな姿にはならなかったのに。君はこの地獄に終わりが来ると思うかい?」


「知るかよ。過去を悔いたところで何も変わらない。そして俺はこうなることがわかっていても俺の脚は止まらなかっただろうな」


俺は瓦礫を蹴り上げ霧の舞い上がっている方へ蹴り飛ばす。


散弾のように散らばった瓦礫が霧に中へ消えていく。


「君の目的は何だというんだい?」


後ろからローカッドの声が響く。


振り返るとローカッドはナイフを持って切りかかってくる。


「君はこの地獄でなにがしたい!?」


「俺はこの戦争を終わらせる!!」


「たとえこの戦争が歴史の1ページにすらならないとしてもか!!」

「だとしてもだ!!」


ローカッドの攻撃をはじく。


「その夢、私は好きだよ!!」


ディアットが上からハンマーを振り下ろす。ローカッドは攻撃を半壊の右腕で受け止めるが衝撃で地面が割れる。


ローカッドは倒れず全身から血を流しながら俺を見据えた。


「何も変わらない、勝った国がまた新しい戦争を引き起こすだろうさ。そしてこのままいけば勝つのはヴァニルだ…。俺たちが死んだあとは誰が俺たちの代わりになる?次は新しい兵装を外付けで装備したただの人間だ」


ローカッドは鋭い目でこちらを見続ける。


「このままじゃ被害は俺たちだけじゃすまない。戦争が終わっても兵装という地獄は終わらない。ボロ・ラヴァット、そしてディアット、君たちは俺たちとは違うかもしれない、だが、この地獄を終わらせられるのは…俺たち化け物だけだ。だから・・・」


だから、もうやめにしないか とローカッドは言った。。


「申し訳ないが、もう止まれない」


ディアットはもう一度ハンマーを振り下ろした。


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