表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強カップルの英雄神話~チート転生者と最強神姫の異世界ダンジョン攻略譚~  作者: 初心なグミ
フィアナ騎士団・入団篇

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

30/40

30話『誇りは運命を食らう牙』


 沸き立つは、数十人の歓声。

 それは、この地を揺らした。

 

 みなは手をかち上げ、この勝敗に興奮している。

 自分達の団長が、見ず知らずの奴に負けたのに、だ。

 そこから思うにこの結果は、余程番狂わせらしい。

 いや、それもそうか……。自分だって勝てるとは、微塵も思ってなかったのだ。

 ならば、他人がそう思う道理など無い。


 そして本来この様な場面では、観衆にファンサをするべきなのだろうが、今はそれよりも、するべき事がある。

 それは、筋肉の繊維から細胞まで、全てが動けなくなっているエマの呪いを、今直ぐに解除することだ。


「今、解除しますね。解呪(スペル・キャンセル)


 転生している最中の暗闇で、僕は魔法も習っていた。

 だからこそ僕は、やろうと思えば魔法を、幾つか使うことが出来るのだ。

 まぁ……僕の魔力が低過ぎて、指輪無しでは魔法を使うことが出来ないが……。

 

 そのため僕は、指輪を通して解呪の魔法を使ったのだ。

 呪いが解除され動きを取り戻したエマは、その反動からか尻餅を着き、可愛らしくあんぐりしている。


「エマさん、立てますか?」


「あ、あぁ……ありがとう」


 そう言って僕が手を差し伸べると、エマはその手を取って立ち上がり、そっと微笑む。


「ハルトは魔法だけでなく、剣も強いのだなっ!」


 僕は今までの人生で、一回も剣を使ったことが無い。

 それはもちろん、魔法とて同じことだ。

 それなのにエマは、僕のことを強いと言った。

 エマが言う強いが本当なのだとすれば、それはこの指輪の力であり僕の力では無いのだ。

 しかし僕はこの世界で生きていくために、ズルだろうが何だろうが、強く無くてはならない。

 だからこそ僕はエマに、こう言うのだ。


「うへへ……()()()()良かったです!」


 と、少しの後ろめたさを残しながら……。

 だがそんな僕の後ろめたさなど、他の人にとっては何のこともないのだ。

 ならばこそ、絶えぬ興奮を抑えきれない観衆は、被曝の如く勢いで、二人の方へと飛び込んでくる。


『凄いね! 姫Tのお兄ちゃん!』


 それは、志学もいかないであろう少年の言葉。

 その少年も騎士団の制服に身を包み、僕の身体に飛び付いて来ては、ニコリと微笑んでいる。


 こんな小さい子も、騎士団に入って戦うのか……。

 

 そう思うと何だか、心が苦しくなる。

 しかし僕の気持ちとは裏腹に、辺りからは楽しげにしているみんなからの、賞賛の言葉が聞こえてくるのだ。


『ホントだぜ! まさか団長に勝っちまうとは!』


『あんちゃんの神器もスゲェな!!』


『よっ! 流石は姫Tの使徒!』


 何だか複雑だなぁ……。

 僕は自分の頬をポリポリとかいた。

 しかしそのとき、アキレウス達に囲まれて居たエマが僕の方に駆け寄り、その手を取って言う。


「ハルト。賞賛と言うのは、勝者だけの権利だ。そしてそれを受け取るのは、勝者の義務でもある。ならばこそ、勝者足り得た自分を誇れ。その誇りは何時か、運命に食らいつく鋭い牙へと、変わるのだから……」


 勝者足り得た自分を誇れ……。

 誇りは運命に食らいつく、鋭い牙へと変わる……。

 ハハッ、エマさんには敵わないなぁ……。

 

 ──カッコよ過ぎるだろ。


「はいっ!」


「うむ、いい返事だ!」


 僕の返答に満足した様子のエマ。

 エマはニコリと微笑むと、握っている僕の手を、勢いよく空に向けて挙げたのだった……。


 そうして自分の強さを証明した僕は、エマの推薦も合ってフィアナ騎士団へと入団し。

 そして・・・今日の夜に王都で行われる、第五階層突破を祝した宴まで、仲間と交流を深めていたのであった。

 

エマさんカッケェ!と思ったら、イイネとコメントくれると有難いです

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ