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プロローグ

 日本予選決勝。


 両チームともに四名を欠き、残りは一名ずつ。


 勝てば悲願の日本一。

 あと一歩でそれに手が届く。


 しかしオレのHPは残りわずか。

 相手のHPはおそらくほぼマックス。


 こういう時ほど焦らず、冷静に状況を整理する。


 相手はつい先ほど攻撃系のスキルを使ったばかり。

 よって現在それはクールタイム中。


 事前情報によると相手の3つのスキルの内訳は攻撃1、索敵1、スモーク1。

 したがって残っているのは索敵とスモークのみ。


 そんな事を考えていると相手の索敵スキルが飛んでくる。


 これによって相手にはこちらの位置が遮蔽越しにも一瞬透けて見えた。


〈ここで【リコンスパイク】。これで一気に有利になりましたかね?〉

〈そうですね、完全に相手の位置を捉えましたからね〉


 普通、自分の位置が特定されれば逃げ出すように位置を変えるものなのだが……。

 これは予想通り、いや期待通りとでも言おうか。


 相手は弓使い。

 弓使いというのは通常、一方的に出待ちをして相手を討ち取る。


 ならばオレの位置がわかっている相手は自ずと、オレがこの位置から動くところを仕留めようとするはず。


〈あとはこのように置いているだけでいいんですよね〉

〈いや、この極限状態でこれは読めないでしょ〉


 ここまで読むとオレは一旦手にしていた剣を背中にかけた鞘に直す。



 これがたった一つの冴えたり方だと信じて。



〈え!?〉


 そして相手が狙いを定めているであろう場所に自ら体を出す。


 だがほんの一瞬だけだ。

 わざわざ倒されてやるわけではない。


〈いやここでジャンプピーク!?〉

〈冷静だ、冷静すぎる〉


 相手はオレの体が見えたことに反応して矢を放つ。


 しかしその矢がこちらに届く前にオレの体は再び遮蔽に隠れる。


 かかった。


〈これには反応せざるを得なかったか、これで有利は一気に傾むいた〉


 この距離なら相手が再装填する前に詰めきれる。


 再び剣を抜き直し一気に相手との距離を詰める。


 相手は再装填を諦めて腰に差していた予備の短刀を構える。


 だがそれではオレの方が圧倒的にリーチが長い。


「はあああぁぁぁぁぁ!」


 勢いそのままオレの振りかざした剣は、相手の胸元を抉り、そのまま四散させた。


〈最後決めきったのはトワ、第一回No Title Japan League優勝はTeam Strongest!〉


 こうして相手の出待ちを読みきって日本一となったオレだが――




「女子小学生の出待ちなんて読めるかー!」

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