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歴史とDNA

神武東征は無かった

作者: とびうお君

 過去に書いたことが無いと思うけど、神武東征ってそもそもでっち上げなんじゃないか?って点。私は初期これを思ってて、そこから昨今流行りの神話は事実だったに乗り換えた部分がある。また元に戻ってきた感じがある。じゃ何故変わったのか?と言うとアマテラスがかなり意味が無いって点になる。


 これは私が書いてきた流れでつながると思う。最高神だからあまり意味が無いなんて今まで考えられなかったけど、いやでもそう考えるとすべていろいろとすっきりするとなる。そこでじゃ神武東征もでっち上げじゃないの?ってなるともっとすっきりする。


 弥生時代の大半の近畿人が元九州人。だから九州から来たってのは誰でもほぼ同じであるわけで多分九州からやってきたってのはでっち上げと考えなくていいと思う。それと言うのも出雲神話、大和神話と別れていて、この大和神話が大体九州系のもので統一されるため。ここまでこだわるなら出雲の系統じゃないぐらいは分かるから。


 縄文系はほぼ無視して良いと思う。出雲の中や大和の中にそういったものが入ってるかもしれないので、それ縄文として抜き出すのは不可能。


 問題はどこにあるか?と言うと、九州から来たじゃなくて、九州から大軍団を引き連れて征服した。多分これがでっち上げだろうと。じゃ何故でっち上げたのか?ここがポイントになる。そこがアマテラスがどうでも良いって部分と繋がる。アマテラスと絡めてすべては根幹はかなりいい加減なものになるから。


 ある目的があってそのために作られたものなのでそっちが重視されるべきで、事実かどうか?はかなりどうでも良い。その目的が、様々な外国の神話の神系王権の正当性のモデルを使った点にある。根本的に天皇家の神話は天智天皇の個人的趣味が大きい。道教の仙人世界がおそらくモデルになってる。


 高天原は多分これ。孫悟空でちらほら出てくる。神の桃とかが食べる場所とかああいうのだと思う。根本は遊牧民系の天思想。ここにあるオリジナリティが高天原になる。そこがおそらく道教の仙人が住む世界かと見ている。ちなみに道教と天思想は全くの別物、どっちかと言えば天思想は儒教に近い。ただ道教はその辺り民間レベルでややこしくなってる。


 原案天智天皇、編集藤原不比等。実際作ったのはその部下たちになる。


 ある目的は何か?と言うと天皇の権威付け。ただだからフィクションだというわけじゃない。神話として存在するもの実際使っている。それは、日本のこまごました神話をまとめてアマテラスと頂点とした神話としてまとめるためになる。いろいろ神話があって神さまいるが、その中で一番偉いのがアマテラスやでってものになってる。


 そこでアマテラスがどうでも良い。これが重要になる。どう考えてここに天皇家が古来から祭ってた氏族神になるに決まってるだろ?ってなる。多分そこが違うから根本的にこの周辺は大半フィクションだと見て良いと見てる。虚実が混合してると見て良い。それらの中でうそはすべて天皇の権威づけのためになる。


 様々な神話を結びつけるためとそれらの頂点として天皇の氏神をトップにするに関してはかなり嘘が混じってると見てる。逆に何が本当だろうか?って天皇周りは考えた方が早い。大半フィクションだと思う。


 基本的にはごった煮だが、編集のセンスは素晴らしい。きちんと軸となる世界観があり、雑多に集められた神話に対して神々の関係を体系的に結び付けられている。そのためのウソが物語になってる。


 何が本当か?でおそらく高木神が天皇家の氏神だと思われる。高木神にまつわる氏族が天皇以外にもちらほらある。古代の天皇家を支えた中心豪族になっている。全く権力が無い状態からいきなりフィクションをでっち上げたと思わないので、何か1つぐらいは天皇家の土台があると思われる。


 天皇家の系図にも入ってて、かつ他の氏神としてる豪族も中央古代豪族になってて、神話の中でかなり重要なキーマンになってる点。じゃ天皇家は忌部氏などと同系なのか?これが多分古代の血族ってのは無茶苦茶複雑だと見ている。おそらく父系直系ってのを無視した方がいい。系図の大半は過去のさかのぼるとでたらめな部分があると思う。


 だが何の権威もない人に従うのか?だと多分無いから。当時の血族はおそらく母系父系がでたらめだったと見てるんだ。この系統を中国的な父系直系に無理やり合わせたのが残ってる系図だと見ている。


 天皇家は九州からやってきた高木神をまつる集団の祭祀を執り行う中心的一族だと見ている。忌部氏などもその一員となる。


 ただ天皇家が成立してからできた役職がそのまま過去の役職のままだったとは思ってない。それぞれの家が何をしていたか?は分からない。


 アマテラスの誕生はおそらく、これらのグループと物部氏が九州神話と言う形で祭祀を合体させたものじゃないか?と見ている。2つの目的があったと見ている。1つは集団としての力を持っていたのが九州系でこの2つであった点と、もう1つは高木信仰に徐々に太陽神信仰が入ってきたからだと思われる。


 これは物部氏との合体前よりも先に入り込んだと見ている。この手の九州系の神話は強引に天に結びつくようになってる。その点で九州系の神話は大体が遊牧民系の流れにある。ただそこに稲作と関係した農業神の面が強かったのはこれらもやっぱり合体していったのだと思われる。


 むすひと高木も多分別。タカノムスビに合体して生まれ変わったと見ている。巨木信仰巨石信仰などは縄文からあり、これらが全く別系統で半島の支石墓などの流れと結びついた可能性もある。物部氏には巨石信仰がありこういった流れと天思想がむつびついた可能性はとても大きい。


 大きいは違うが、高いは天と結びつきやすい。高い山=天と言うのは大陸ではメジャーな信仰になる。大きい岩は遠いが、半島の支石墓と繋がる可能性はとても高い。


 天皇家が天孫降臨を持ち出すのは後付けだと思うが、九州系が天思想でまとまりやすいのは確か。神武天皇の東征は推測が強くなるが、物部氏の拡大の歴史だと見ている。おそらくパクりだろう。物部氏は神武東征の進路に氏族が存在することが多い。物部氏自体も東征などは無く、一族が九州からじわじわと勢力範囲を広げていっただけの事業をそうやって東征と言う神話にしてしまったと見ている。


 ただこれにも問題がある。物部氏は大和朝廷成立後に東から西に向かって広がった可能性もある。この点に関しては、どっちなのか?分からないとしておきたい。


 太陽神信仰に関して、近畿は複雑で単純な農業神だけではない。航路の道しるべとしての太陽信仰もあり、伊勢はこっちの可能性が高い。何故かというと伊勢の外宮には星が祭られているらしい。星は全国でもほぼ無くて異質だとすぐわかるし、そもそも伊勢は後からアマテラスをまつるようになったのは記紀にも書いてある。


 アマテラスと言うのは、天皇家が氏神より近畿地方で最大勢力だった太陽神信仰の元締めとして立つために作ったフィクションではないか?と見ている。もちろんもとになったのは物部氏のアマテルだと思われる。ただここでアマテル=アマテラスじゃないのは、近畿地方の太陽神信仰は複雑であるって点になる。


 太陽神を統括して創られたのがアマテラスが創られたのじゃないか?と見ている。アマテラスが女性化したのは、これに関しては意味を問わない方が良いと思う。それをやるには根拠が無さすぎる。


 もう一度物部氏に戻ろう。東征が物部氏のものだとすると、ナガスネヒコはなんだったのか?ここが何故天皇家が物部氏を差し置いてNO1なのか?の歴史じゃないか?と見ている。縄文または出雲勢力だったナガスネヒコと婚姻関係にあった物部氏は、九州神話体系で新しくまとまろうとしてナガスネヒコを裏切ったのじゃないか?と見ている。


 物部氏は出雲だったのではないか?と散々言われてるが、物部氏の収める土地があまりに綺麗に九州から瀬戸内を通るルートに集中している。物部氏の九州からの拡大は事実だったと見て良いのじゃないか?そして近畿で大きな勢力だった地元のナガスネヒコ集団と婚姻を結んでいたのじゃないか?と見ている。


 別の集団であったタカノムスビ集団に同じ九州勢力として乗り換えたのがあの神話の真実じゃないか?と見ている。


 タカノムスビ集団は東征したのじゃなくて、近畿で大きくなってやがて最大勢力である地元勢力と繋がっていた物部氏を取り込んだのじゃないか?と見ている。九州から来たとしても名もなき移住民の1集団の1つにすぎなったと見ている。ありもしない歴史を作ったのは、やはり天孫降臨からのストーリーだった天皇家の権威付けのためだと思う。


 物部氏と違って近畿から九州への歴史ある痕跡が天皇家には全くない。むしろ近畿で大きくなった勢力だと考える方が自然だと思うのだが。私が天皇家を九州だとするのはただの確率論にすぎない。大半の近畿人が元九州からの移民だからで、むしろそれ以外で考える方が確率的には低い。それだけの事。


 古代は家父長制度は普通に多い。ただ一族って視点で見た場合は男子直系ってのはあまり厳密じゃない。母系であったとかそういう事じゃない。今みたいに厳密に父系の直系の氏族って考えはあまり重要じゃない。氏神としてのタカノムスビを後の感覚でとらえてはいけない。タカノムスビをまつる血族集団程度の緩さで良いと思う。

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