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生前やっていたゲームの悪役令嬢に転生した私はヒロインに求婚されましたが、ヒロインは実は男で、私を溺愛する変態の勇者っぽい人でした。私、前世でナニかやらかしました?  作者: DAKUNちょめ
エピソード【その後の二人…永遠のバカップル多し】

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聖女の祈り─月の輝く夜の帳に─は乙女ゲーム。6

四人での話し合いが終わると、スティーヴンとピエールは城に戻って行った。



ピエールとイライザは名残惜しげにイチャイチャしていたが、最後にはピエールがイライザに


「大人しくしてないと、どんな事になるか分かってるんだろうな!」


と、変な念を押して帰って行った。

それ、逆効果じゃない?


「ど…どんな事になるのかしら…知りたいわ…」


ほらね、顔を紅潮させてるし。


「イライザ…あんたが、そんな変態だったとは…私、知らなかったわよ。つか、さっきの様子じゃサイモンお兄様も知らないみたいね。レオンが居なきゃ、普通にぶたれていそうだったし。」


スティーヴン達を見送った門の前で、イライザと話す。


いつも、顔を合わせれば互いをけなし合うような感じだったから、ちゃんと話すのは初めてかも知れない。


「先程の…あの方、レオン様とおっしゃるのですね…わたくしを殴ってやろうかみたいな、あの冷たい眼差し…ステキでした…。もっとお近づきになりたい…。」


「………あれが、私の夫だって知ってて言ってんなら、しばくわよ?」


「お姉様にしばいて戴けるのなら、わたくし何度も言わせて頂きますわ!」


駄目だ、しばくはご褒美か。悦んじゃった。



「そういえばディアーナお姉様、今夜は何処でお休みになりますの?」


急にしおらしくなって、何だか気持ち悪い。

こんなイライザ見た事ないもの…。


「あんた、さっきまで私の事を呼び捨てにしていたわよね、挙げ句、お前呼ばわりとか。それ全部……その…ご褒美の為?」


頬を染め、頷くイライザ。いやもう!ただの変態じゃないか!


「イライザ、毎回ああやってサイモンお兄様に手をあげているの?いくら、ご褒美が欲しいからって…結局、貰えてないんでしょ?やめてあげたら?」


ずっと妹に馬鹿にされ続け、手をあげられる。

反発したことは無いらしい。

サイモンも、そういう趣味の人ならば分かるが…このままではあまりにも不憫だ。


「…………………」


イライザは意味深に黙りこんでしまった。

嫌です、も、分かりました、も無く。


「お姉様、お休みになる場を決めてらっしゃらないのでしたら、今夜はこちらにお泊まりになって!勿論、レオン様とご一緒に」


三人でご一緒に!とか変なプレイを要求する様子は無いので、お泊まりさせて戴く事にした。

実際、どこに泊まろうかなと悩んでいたので好都合…と思ったのだが。




「わたくし、こんな野蛮な人たちと同じテーブルで一緒に食事なんて出来ませんわ!!」


叔父様に挨拶する間も無く、夕食のテーブルにつくなりイライザが席を立ってヒステリックにわめき散らした。


「なあ、ディアーナ…俺達は何のイライザ劇場に巻き込まれているんだ?泊まってけと言われたんだろ?」


「さ、さあ…?思春期の女子は複雑だから…」


ウンザリした表情のレオンハルトに、勝手にお泊まりさせて貰うと決めてしまったディアーナは、てへ!と笑って誤魔化す。


「不愉快だわ!わたくし、部屋に帰ります!食事は部屋に運んで頂戴!」


食堂を出て行くイライザの姿を見送って、どうしたら良いか分からなくなったディアーナは、久しぶりに逢う叔父に改めて話しかける。


「叔父様、急に押し掛けたわたくしが悪いのです、イライザを許してあげて下さい。」


何か、とりあえずエエ感じに言ってみたが、叔父は不思議そうな顔をしている。


「旅に出て、人が変わったようだな…ディアーナ。ずいぶんと丸くなって。」


にゃにおう!?以前の私、そんなひどかったんか!?


「いつも、ディアーナの方が真っ先に席を立っていたじゃないか。イライザみたいな小娘と同席など有り得ないと。」


……記憶に無い。それ、多分私じゃないな。


私になる前の、典型的悪役令嬢のディアーナだ。


イライザと言い争っていた記憶はあるんだけどねぇ…。


「人は…変わりますからね…叔父様…」


あんたの娘が一番変わったよ!と言いたいのを我慢する。


いや…私が素を出したら、もっと変わった感じになるのか?


「………従兄弟殿、私の妻が美しいのは良く分かるが、あまりジロジロと見ないで戴きたい。」


レオンハルトがサイモンに向け、刺さるように言葉を投げる。

レオンハルトの言葉にサイモンの方に目を向けると、ディアーナとサイモンの目が合い、サイモンは、ハッとしたように目を逸らした。


えええ~?なに、この状況~…。






「オフィーリア……俺はずっと一人の女性を見つめてきた…だが、彼女の心には………既に王子が居る。」


「サイモン様……」


「王子を憎んでしまう、自分が憎い……!そんな俺を支えたいと言ってくれる君を…俺は愛せるのだろうか…!」




「いや、もう、愛さなくていいんで、自分を憎んで死んでくれ。」


ベッドの中で声を出したレオンハルトの目の前に、鬼の形相のディアーナがいた。


「誰に言ってんの?それ。」


「でぃ、ディアーナになワケ無いだろ!サイモンの夢を見たから、つい、腹が立っただけで!」


必死で取り繕うレオンハルトと、不機嫌になったディアーナがベッドの上で言い争っていると、ドアをノックする音が響いた。














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