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生前やっていたゲームの悪役令嬢に転生した私はヒロインに求婚されましたが、ヒロインは実は男で、私を溺愛する変態の勇者っぽい人でした。私、前世でナニかやらかしました?  作者: DAKUNちょめ
エピソード【その後の二人…永遠のバカップル多し】

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聖女の祈り─月の輝く夜の帳に─は乙女ゲーム。5

「初めてお目にかかります!私はラジェアベリア国、第二王子ピエールと申します!ピーターとでも、ピーちゃんとでもお呼び下さい!」


ヒールナー伯爵邸の応接間に通されたディアーナとレオンハルトは、改めてマッチョイケメンと向き合う。


応接間にはスティーヴンとピエール、ディアーナとレオンハルトの四人。


イライザには席を外して貰い、サイモンは自らを、王族の方々と同席する身分ではないと、その場を離れた。


第二王子は、スティーヴンと同じく銀色の髪だが、サラサラ髪質のスティーヴンに対し、ゴワゴワした髪質で、短めの髪を立てている。

男臭くて、でもさわやかスポーツメン。

ディアーナ的には、レスリング部に居たよな…こんなタイプ的な身体をしている。

兄であるスティーヴンより何か、一回りデカイ。


ふむ、悪くはない。


「じゃあピーちゃん、ピーちゃんはイライザの婚約者って事でOK?」


かなり砕けた感じの王子に、はなっから気を遣う気もしないディアーナが、親指を立てタメ口で話し掛ける。


スティーヴンも、今さら不敬だとか言うつもりもないらしく、黙っている。


「OKっす!これ、いいですよね!OKって親指立てるの!すっごく賛成!とかの意を簡単に伝えられて!」


ああ、これ前世のもんだもんね…スティーヴン、本当に色々教えてるんだな…。


ろくでもない事まで教えてないだろうな!


「私の婚約者のイライザは、ディアーナ嬢が強くなったと聞いて居ても立ってもいられなくなったんです。そんな強くなったディアーナ嬢を馬鹿にしたら、どんな仕返し、お仕置きがあるのだろうと…。どんなご褒美になるのだろうと…。」


あー………それで、必要以上に神経逆撫でするような悪態を……。バカじゃないの?


「レオン…ごめんなさい…あなたの事を、ずっと変態だと思っていたけど、身内にもド変態が居たわ…。」


「ディアーナ…謝らないでくれ…大丈夫だよ、愛しい君もかなり変態だから。」


「………何ですって?レオン」


「ディアーナ嬢、あちこちで戦を始めるのをやめてくれ。話しが、進まないだろう?」


溜息混じりにスティーヴンが言う。


本当に言うようになったわね!殿下!


「私はね…サイモン君とディアーナ嬢を会わせたかったんだよ…ディアーナ嬢、彼を見てどう思った?」


唐突に話を振られて、戸惑うディアーナは懸命にサイモンの事を思い出す。


頭の引き出しから無理矢理、サイモンのタグの付いた記憶を引き摺り出す。


さっき久しぶりに会った時の記憶は、他のインパクトが強すぎて何も出てこない。


「サイモン……オタンコナスで…だから…バキッって殴って。グハッ!と……言わせる……?」


スティーヴンが冷めた目でディアーナを見る。


「ディアーナ、それは俺が見た夢だから…。」

可愛い妻の、お馬鹿回答に照れる夫。


「…レオンハルト殿、なんて夢を見てるんですか…。」

馬鹿夫婦め…と軽く舌打ちしてしまう、スティーヴンおかん。


「冗談はさておき、その質問って王子サマが最近、命狙われてるのと関係あるのか?」


レオンハルトの質問に、ピエールが驚愕の顔を見せる。


「兄上が命を狙われてる!?」


ピエールはソファーから立ち上がり、青い顔でスティーヴンの方を見る。


「何だ、知ってましたか。……ピーター、座りなさい。」


一方でスティーヴンはたいして気にする様子も無く、立ち上がったピエールを座るように促す。



「気付かないワケ無いだろ?あちこちから、殺気が飛んで来るもんな…。」


ソファーに深く腰掛け、脚を組むレオンハルトに頷きながらディアーナが笑う。


「ふふ、痛くも痒くも無いんでしょ?殿下は。ウィリアが言ってましたもん。最近スティーヴンが楽しそうって。」


レオンハルトやディアーナと旅をする内、嫌でも色んなスキルを手に入れてしまっているスティーヴンは、確実に普通の人間より強い。


ぶっちゃけてしまえば、料理の腕もかなり高い。


「まぁ…確かに痛くも痒くも無いんだけど。鬱陶しい時はあるよね、夫婦の時間を邪魔されるとか。」


「兄上…そんな悠長な事を…命を狙われているんでしょう?王太子である兄上が!」


「うん、みたいだね…でも、無理だよね…」

「うん、無理だな…」

「無理ね、殿下自体が強いんだけど、何より師匠が…許さないわよね、お世話係が居なくなるのを。」


恐らく、スティーヴンが本気で危ない時にはこの世界で一番敵に回してはいけない誰かさんが降臨なさる。


「それはそうと、その輩にサイモンお兄様が関わっているというの?しかも、それピーちゃんの居る前で言っちゃっていいの?」


王太子暗殺に関わっているなら、処刑は当然、伯爵家も取り潰しとなる上にイライザの婚約も無くなるはず。


「今回の件は、私以外の誰も知らない。秘密裏に処理出来たら……いいなと思っている。彼が首謀者なら、彼だけを…。」


都合の良い話しだとは分かっている、とスティーヴンは苦笑する。


「えー…乙女ゲーム、そんな重いキャラ設定あるー?」


思わず口に出してしまったディアーナに、スティーヴンとピエールが不思議そうな顔をする。


「乙女ゲーム……?」














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