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8# 王子様は準備が長い

そうして、私たちは王都を出る事となった。


国外追放ではなく旅に出た事になってはいるが、私の身分としては侯爵令嬢の地位を無くしたに等しい。


王族に嫁がせる事が出来なくなった娘など必要ないと判断した父は、私が旅立つ日まで声を掛けてくる事も無かった。


━━━殿下の婚約者であった時には、分かりやすい位甘やかしていたのにね…これはディアーナが我が儘令嬢になるわけだわ━━━


もうじきお別れになる、天蓋付きのベッドの柔らかさを堪能しながらゴロゴロ寝転がる私の姿を見た侍女が、驚きのあまり私を二度見する。

令嬢らしからぬ云々より、今までのディアーナと別人になったようだと思われているようだ。


「ああ…憂鬱だわ……そりゃあ、護衛も居ない状態で国から放り出されるよりマシかも知れないけど…男二人と旅をしろだとか無茶苦茶言うわ~」



私はと言うと、あの断罪の日にわたくしの中に目覚めた(私)という自我と、意識が完全に融合していた。


だが(私)の記憶はあまりにも曖昧で、記憶しているのは自分がプレイしていた部分だけのゲーム情報と、自分が元日本人で女子高生だった事位。


家族や学校の事はおろか、自身の名前すら思い出せない状態。


━━━現代日本の知識を使ってチートなんてのも無理そうね……無意識に口から出る言葉も、言った後に意味が分からない事もあるし


そう、チートって何だ?━━━


そんな日を2日ばかり過ごした後、スティーヴンの旅立ちの準備が出来たとかで私たちは王都の門の前で落ち合った。


そう、王子の旅支度待ち状態だった訳で…。


早く旅に出たいレオンハルトは、王子の支度の間私に会えなかった事で苛立ちを募らせており……。


そんな理由で不機嫌の真っ只中にいたレオンハルトが開口一番、護衛を五人連れて現れたスティーヴンに言った。


「却下だ!ふざけんな!いっぺん死ね!」


この人、オフィーリアだった時も殿下にこうだったのかしら?

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