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7# 殿下…

「まあ、俺の存在は極一部の王族とかしか知らない訳だから…馬の骨とか言われても仕方ないんだけどさ」


父の拘束を解くと思案顔になり、暫し考え込むレオンハルト。


「別に極秘事項って訳でもないし、言っちゃうか!俺、あんたらが崇める創造主とか言う神とやらの息子でね、この世界の歪みとか破損した箇所を直して旅してんの、ほら瘴気とかのせいで災害あったり病気が蔓延ったり、魔物出たりするじゃん!あれ、原因の瘴気は俺しか浄化出来ないから」


サラっと言ってのけるレオンハルトにざわつくホール内。


「御子様!!それは世界各国の王しか知らぬ極秘事項です!貴方様の存在は、遥か昔より隠すように言われているのです!」

王が真っ青な顔をして慌てると、そんな王を見た回りの貴族達も聞いてはならぬ事を聞いてしまったとおろおろしだす。


「あ、そうなんだ?でも言っちゃったな……じゃあ、ここに居る人だけ限定って事で!もし、この場に居ない他の人に俺の正体がバレたらプチって事で!」


指先で小さな虫をにじり潰すような仕草を見せニッコリ頬笑む超絶イケメン、しかしチャラい。

そんな神の御子とやらの軽い口調の重い内容に、皆が固まった。


そんな中、ずっと抱き寄せられている私は……レオンハルトの身体を押しやるように離し、上背のある彼を見上げ質問を投げ掛ける。


「あなた様の事は分かりましたわ、畏れ多くも神に名を連ねるレオンハルト様……がおっしゃる、わたくしが聖女であるというのが理解出来ませんの」


少し離れた場所でスティーヴンも答えを待っているように顔を上げている。


「ああ、それはな神に愛され神を愛した乙女が聖女になるからだよ!まぁ俺は神ではないんだけど親父が神だしな!だから、君と俺が愛し合えば、君が聖女になる」


愛し合えば…でしょう?愛し合える気がしない…。


「じゃぁ…オフィーリアはなぜ自分を聖女だと…言って…」

ぶつぶつと青ざめたスティーヴンが呟く声を拾ったレオンは、ふんぞり返って偉そうに言った。


「聖女だなんて言ってないだろ!オフィーリアで『聖女の魂を感じます』って言ったら、お前が『君の中に聖女の魂が?君は癒しの聖女なのか』とか勝手に言い出しただけだろうが!」


やめたげて!スティーヴン殿下、人前で自作の愛のポエムを音読されているような顔になってるから!

魂が口から出てきてるから!

もうこれ以上、傷口えぐらないであげて!


「胃だけでなく頭も痛くなってきたな…。それで御子様は、聖女になり得る可能性のあるディアーナ嬢を連れて旅を続けたいと…」


王が深い溜息と共に呟き、畏れ敬うのも少しばかり馬鹿馬鹿しくなったのか主賓席の椅子に腰掛けた。


「では、御子様レオンハルト殿……あなた様を疑っている訳ではないが、我が息子もディアーナ嬢の護衛として旅に同行させて貰いたい」


「あ゛?何だと?」

レオンハルトが今までで一番不愉快そうな顔をする。


「婚姻前の令嬢に何かあってはな…まして、我が息子の元婚約者ともなれば、スティーヴンにも責任をとって貰わねばならぬしの」

王がニヤニヤと笑みながらレオンハルトを見る。


「…このクソ狸め…」

目尻に青筋を立てながら、口元にひきつった笑みを浮かべたレオンハルトだったが、やがて諦めたように腰に手を当て溜息をついた。


「分かったよ、ならディアーナは連れてくからな、王子サマは勝手に着いて来い」


いえ、私分かりたくありません。なぜ私を無視して話が進んでますの?

殿下も、良い笑顔をしないでいただきたい。

自分を散々馬鹿にした男と旅をするなんて…無理でしょう?


「神の御子の旅に同行させて頂き、未熟な自分を鍛え直します!」


ああ、そう言えば殿下ってば、思い込み激しいタイプでした…


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