51# お昼寝
「師匠。暇です。」
ディアーナは宿の自室のベッドに寝転がりながら、うだうだと言う。
ベッドの端に腰掛けたジャンセンは頭を抱えていた。
「師匠呼びはやめなさいと…いや、そうなるとあなた、お父さん呼びするんですよね。」
「多分。」
「いや、多分じゃなく絶対だよな!て、ゆーか年頃の娘が、よくまぁ、男の前で無防備にベッドに転がるよな!襲うぞ!」
「そうなると、師匠の師匠に悶死してもらいますが」
「……何で、聖女こんなのになったんだろうな」
ディアーナに聞こえない位小さい声で呟く。
「でも師匠、部屋では修行出来ませんしー自己鍛練の腕立て、スクワットは終わったので、暇です!寝ていいですか!お父さんの膝まくらで!」
「悶死させると言った相手に、膝まくらしろとか!姫さん馬鹿だな!しかも、お父さんって呼びやがった!」
ディアーナはベッドの上をズリズリ這ってくる。
猫のように、可愛く四つ足で来るのではなく、トカゲみたいに伏せた状態で這ってくる。
気持ち悪い。
そして、無理矢理ジャンセンの膝に頭を乗せる。
諦め顔のジャンセンは、膝に乗ったディアーナを見下ろすと、フッと小さく笑う。
「レオンハルト様達が帰ってきたら起こしますよ、皆で昼ごはん食べましょう。」
ジャンセンはディアーナの頭をそっと撫でる。
ヘラリと笑ってディアーナは眠りについた。




