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37# スマザード滞在二日目

海に浮かぶ半島スマザードは、漁業で成り立つ町だ。

そんな大きな町ではないが、田舎という程でもない。


漁業の他にも珊瑚や真珠も僅かながら産出出来るそうだ。


ディアーナとしては初めての、前世日本人としては久しぶりの海!海鮮料理!

………にテンションが上がらないのは、目の前のレオンハルトのせいだ。


私と目も合わせなくなった。

変態行動が無くなったのは有り難いが、言いたい事を言わないでダンマリを決め込んでるレオンハルトに苛立ちしかない。


━━━この、ヘタレが!━━━


そして、もうひとつ腹が立つ理由が


「レオンハルト様……」

甘ったるい声でレオンハルトの名前を呼びながら

んべったり、くっついてる女ぁ…お前だお前!


ベッタリじゃない、んべったりだ。


何と言うかネットリしている。

女の身体の色香を全面に押し出して、男なら好きよね?こういうの、とでも言わんばかりの密着ぶりだ。


嫉妬なんて、していません。

ただただ、同じテーブルについてる目の前で、んべったりとくっついてるのが見ていて不快なだけですわ!



今、この町の海の神を祀る神殿という名の教会に訪れた私達は、会議室みたいな場所で大きめの円卓に着いている。

部屋の一番奥、上座にレオンハルトが座り、その左側に女。

後はご自由にと言われ、私と殿下がレオンハルトの向かい側、下座に座る。


あとは、町の偉い人が5人。


「申し遅れましたわ、わたくし、この島で海の巫女をしております、ウィリアと申します。」

水色の長い髪に豊満な身体をした海の巫女はレオンハルトに熱い視線を向け、さりげなく彼の腕や肩に手を置く。

そして時々、しなだれかかるように身体を預ける。

眩暈を起こしましたみたいなていで。


「私はラジェアベリア国第一王子のスティーヴン・マルムス・ラジェアベリアと申します。そして、こちらはディングレイ侯爵家、令嬢ディアーナです。」

「……あら、侯爵令嬢様が、なぜレオンハルト様に同行なさっているのでしょう?」


ウィリアの質問は、もっともかも知れないが、私の事を邪魔者扱いする彼女の視線がウザイ!


「ディアーナ嬢は、聖女となる方だから…」

レオンハルトの方を見ながら言いかけたスティーヴンを遮るように声が出た。


「わたくしは聖女ではありませんわ」


テーブルにつく皆の視線が集まる。


「聖女になる予定も、ございません。わたくし、魔力もございませんし、ウィリア様の方が、聖女になられるのにふさわしいのでは?」


聖女になる条件とやらが、レオンハルトに愛され、愛する事だと断罪の日に言われた事を示唆する。



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