3# 国外追放にならなかったけど旅に出ました
舗装されてない道を行く乗り合い馬車に私は居た。
侯爵令嬢として使っていた座席のある豪華な馬車とは違い、木で出来た荷台に幌が掛かっているだけの簡素なものだ。
当然座席なんてものも無く、他の乗客達や荷物と共に地べたに座るような感じだ。
私はドレス姿でなく、丈夫ではあるが質素な見た目の動きやすい服装に長いブーツ姿、旅人仕様である。
令嬢として生きてきた中では初めての格好だ。
ゲーム通りのディアーナなら金切声を上げて文句を言うだろうが、今の私には別に服装なんてどうでも良い……。
「ディアーナ、そこは揺れがひどいからこっちにおいで」
金色の長い髪を下の方で纏めた美しい青年が言う。
「…お静かになさって、わたくしは今考え事をしておりますの」
「ディアーナ、私の外套を貸すからこちらに来て腰の下に敷くと良い」
なぜか同じ乗り合い馬車に乗っているスティーヴンが言った。
「…殿下…お黙りになって…わたくしは今、考え事をし……」
わたくしの言葉を遮るように、金色の髪の青年が言う。
「尻、痛くなるだろう?揺れがひどいから俺の膝においでってば」
「黙れ!!!!」
私は我慢出来なかった。
どうしてこうなった……。