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17# 拐われましたわ

私は今、見知らぬ地下に囚われております。


腕には手枷が付けられており、鼻腔の奥に頭を揺らす香りが僅かに残っているようです。


ディアーナは、まだ微睡む頭で今の状況を整理してみる。


あの時

レオンハルトをノックアウトした後、ダウンしたレオンハルトを道端に放置したまま武器屋を探して歩き出した。


慌てたスティーヴンがレオンハルトを気にかけながらもディアーナを追って走って来た。


レオンハルト殿の所に戻ろう、あんな変態はゴメンです!そんなやり取りをしている時に


「やめて!誰か助けて!」


ハスキー気味な女性の声がした。

スティーヴンとディアーナは声のした裏通りの方へ駆け付けた。

少女がゴロツキに囲まれていたのでスティーヴンが助けに入った。

ディアーナは後ろに下がり、その後の記憶が途切れている。


「…なるほど、理解したわ…最初からわたくしが狙いだったのね」


目の前には太腿あらわにスカートをたくしあげ足を組む、ゴロツキに囲まれていた少女が居た。


「へっ!強がってられんのも今の内だぜ!お前の連れも、今頃血まなこになって、お前を探してるだろうけどよ」


思った以上に野太い声を出す、目の前の少女を凝視する。

あらわになった太腿からすねにかけ、毛が見える。

よくよく見ると薄化粧の下、鼻の下が薄ら青い気がしなくもない。


「……男…?……意外とオッサン?」

「オッサン言うな!まだ若いわ!」


少女もとい、女装したオッサンが声を荒げる。

「お前、自分の立場分かってんのか?今から売られるって」

「はぁ…そうね…何と言うか…今は、私の事より一緒に居た彼の方が気の毒で…」

「はぁ?」


━━━オフィーリアといい、目の前のオッサンといい、女装した男に騙され続けた殿下のメンタルが心配だわ━━━


コンコン


石造りの部屋に扉をノックする音が鈍く響く。


「マージさん、声が大きいですよ…それと、頭が呼んでます」

部屋に入って来たのは二十歳位の青年で、黒髪に黒い目をした、どこか懐かしさを感じる風貌をしていた。


「あぁ?じゃあ新入り、お前がこの女見張ってろ」


女装したオッサン、もといマージとやらが部屋を出て行き、新入りと呼ばれた青年と二人きりになった。


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