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15# 役立たずなので

王都を出てから、まだ魔物という危険な存在を見た事はない。

動物が巨大化した魔獣は何度か退治したが、剣を扱うレオンハルトとスティーヴンの後ろでうろうろするだけの自分。


危ないからどいてろ、と言われ隅っこで戦いを見ているだけ。


すっごく足手まとい。私、なぜ旅に同行してるのかしら?


いえ、神の御子の思し召しだって分かっていますけどね…。でも役立たずだわ。


うん、私の存在価値って何なのかしら??


そんな自嘲染みた考えが顔に出てしまったのか、背後から抱き締めるようにレオンハルトが自分のマントの中にディアーナを閉じ込める。


「そんな顔をしないでくれ…愛してるよ、ディアーナ…もぉ、寝ても覚めても顔見れてるだけで幸せ…」


「きゃっ…!レオンハルト様、な、何を…!」


背後からディアーナを抱きすくめたまま、レオンハルトがディアーナのつむじに鼻先を埋める。藍色の髪を唇で撫でるようにして耳朶の縁に辿り着き、スゥと息を吸い込む。


「…愛してる…こうやって抱き締めて…耳もとで愛を囁いて…ディアーナの温もりを感じながら、君の耳の裏の匂いをかげるだけで…」


「黙れ!!!!」


デリカシー無いわ!ろくに湯浴みも出来ない環境の乙女に、匂いとか言うか!!


気がつくと、それはそれは見事なアッパーが決まっていた。


早く武器を調達しよう。

いっそ拳の破壊力を上げるためにメリケンサックでも買おうか。



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