表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/186

14# 商業都市シャンク

王都を離れて数週間、ディアーナ達はシャンクという商業都市に来ていた。


王都ほどの規模は無くとも都市と呼ばれるだけあり、久方ぶりに見る人の多さに目を輝かせる。


田舎ばかり見て来たから、人混みが懐かしい!


「本当に武器を買うつもりなのか?ディアーナ。」


納得いかない、と顔に書いてあるレオンハルトとスティーヴンに何度も頷く。


「当然ですわ、わたくし魔法も剣も使えませんし、ハッキリと申し上げて足手まといですもの!お二人が戦っている間位は、自分で自分の身を守りたいのです。」


そう、聖女になり得るからと言って今は聖女でも何でもない。

むしろ箱入り令嬢で刃物なんて、食事の際のナイフ以外持った事すらない。

だが、現代日本人だった私が心の中で声をあげるのだ!


「万一に備えて、せめて暗器位は隠し持っとこうぜ!!」


心の声を口に出して言ってしまった。


レオンハルトは俯き加減に額を押さえて笑いを堪えている。

スティーヴンは目を大きく開いて驚きの表情をしているが…。


「ディアーナ嬢は…何か…変わったよな…?いや、かなり前から思ってはいたけど…」


「は、はしたなくて申し訳ございません!」

ハッと令嬢ディアーナに戻ると、恥ずかしさに顔を赤くする。


━━━ヤバいヤバい、素の自分出しちゃった!殿下に素がバレ……ん?でも、もう侯爵令嬢には戻れないんだし……殿下は婚約者でもないし……別に良いかも?━━━


「はしたなくて申し訳ございませんが、これがわたくしなのですわ。」


開き直る事にしたディアーナは、はにかんだ笑みを零す。


「ああ、そ、そうか…それが、そなたの素顔なのだな…。」


スティーヴンの顔が僅かに桜色に染まり、口元を隠すようにして顔を背けるとポツリと呟く。

「…悪くない…」


レオンハルトの顔が青く染まった後に赤く染まり、その口から凍る吐息が吐き出されるのを


ディアーナは見なかった事にした。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ