プロローグ 《物語の始まり》
「やぁ、おはようってまだ君は夢の中か」
誰だ、お前は
「僕かい?そうだね、この世界では神ってことになってるよ」
なんだ、こいつは
突然現れて自分のことを神?
頭おかしいのか?…と言うかここはどこだ?
「君の夢の中だね」
夢の中、その言葉が俺の頭を巡る。
四回巡ったくらいで俺はその言葉を理解する。
いや、夢の中と言う単語を理解すると言った方がいい。
「どういうことか説明はしないけど、とりあえず君の右手の甲を見てくれ」
説明はしないのか、と思いつつ右手を見る。
俺は驚愕した、入れたことの無い刺青が俺の手の甲にある。な、なんだこれは…
「はは、刺青では無いよ。それはNo.(ナンバー)だ。
君は神による厳正な再抽選の結果、そのNo.を引き継ぐことになったのさ」
No.、俺はその聞き慣れたが俺の想像する意味とは全く違うだろう単語に疑問を抱く。
「No.っていうのはいわゆる能力の事さ。
ほら君の手には1と書いてあるだろう」
言われて俺はもう一度右手の甲を見る
確かにそこには〇の中に1が書かれている
「No.1の能力は音速
常人を遥かに上回る速度で行動出来る」
そこで俺は思い出す、確か俺の友人も
「体に数字が出た」とか訳の分からないことを言っていた。あいつは確か…
「君、佑哉の事を知っているのかい!!
これは驚きだ!!ならば彼らの勢力は元に戻るということだね!!」
そう佑哉だ、紫門佑哉、俺の友人だ
確かあいつは数字が出たと言った3日後くらいに消息を絶っている、なぜ思い出せなかったんだ…
「君が思い出せないのも無理はない、No.保有者は
他の人間の記憶から徐々に薄れて、やがて無くなる」
記憶が…いや、それよりこいつは佑哉の居場所を知っている、ん?居なくなったのは佑哉だけじゃない
俺の記憶が徐々に戻っていく
「安心したまえ、もうすぐ会える
佑哉君以外ともね、ってそろそろ夢から覚めようか
これから始まる君の喜劇におはようを伝えないと」
……そこで目が覚めた、俺は真っ先に右手の甲を確認する、どうやら夢ではなかったようだ
プロローグ【完】