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21 クソゲー
「…さん。……いさん!」
まどろみの中、微かに俺を呼ぶ声が聞こえる。
聞き慣れた女子の声。
そして聞き覚えのあるセリフ。
聞こえるはずのない声。
「…!?」
瞬間覚醒し勢いよく上体を起こすと、思わず無言で声の主を見つめてしまう。
多分、すごい表情をしている。
「……………真里亜?」
「はい、そうですよ。ようやく起きましたか、兄さん」
すっかり見慣れた、見慣れたない制服を身に纏う真里亜が俺を見ている。彼女が起こしてくれたのか。
そしてこのシチュエーション…俺は知っている。
「真里亜……どうしてここに…?」
「まだ寝ぼけているんですか? ”入学式の設営“があるから起こしてくれって頼んだのは兄さんじゃないですか。それで一緒に学校まで行こうって」
一度聞いたことのあるセリフを耳にし、思わずこう呟いた。
「……………クソゲー」
俺は死んで、スタート地点に戻ってきたようだった。
いつも見てくださりありがとうございます。
もうすぐ脱出しますので、あと少しお付き合いを…




